団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3122号04面03)(2020/04/06)


団結ひろば 投稿コーナー

JR東の中身はボロボロだ
 合同労組かながわ川崎支部 竹内 悟

 3月28日(土)午後、知り合い宅を訪問するためにJR高崎線の駅をめざして電車に乗りました。
 横浜駅から上野東京ラインの古河行きに乗り、分岐点の大宮駅で高崎線に乗り換えようとしましたが、高崎線がストップしていました。
 駅員さんの説明では、午前11時30分頃、桶川駅で電車のパンタグラフが折れ、吹上駅では架線の金具が複数個所壊れ、「いま高崎行きは上野駅と宮原駅間で折り返し運転をしています。二つの障害に同時進行で対応しているため復旧見通しは立っていません」とのことでした。時刻は午後4時、復旧するまで大宮駅で待つことにしました。
 コロナショックで構内のベックスコーヒーは午後4時で閉店となり、雨は激しくなるし、外の景色も暗くなるし。極端な人員削減でJR東日本のメンテナンス事業が崩壊しているとは聞いていましたが、ここまで対応不能とは! 運行掲示板に17時発高崎行きが表示されたので駅員さんに確認したら、「これもすぐに宮原行きに書き換わりますよ」と。司令室もかなり混乱しているようです。
 人員と賃金をとことん削減して、事業をすべて外注化し、JR本体は管理業務だけ。Suicaとテナント事業でもうけますよという企業姿勢がもたらしたものは、お客さんを運ぶ基盤事業がボロボロになっている姿です。東日本の利益はJRでダントツ1位、しかし電車はまともに運行できない。「優秀な」資本家の皆さんに任せていたらこの先社会はどうなるのか、象徴的な出来事でした。

『動労千葉№40』に心震えた
 東京 水樹 豊

 動労千葉の機関誌『動労千葉№40』に収録された田中康宏顧問の講演録「俺たちは鉄路に生きる―40年の闘いの到達点----反合・運転保安闘争とは何か」を読み、心が震えた。今年は国鉄1047名不当解雇から30年、その解雇撤回闘争の「終幕」を狙った2010年4・9政治和解から10年という節目の年。国鉄分割・民営化以来の日本労働運動の危機と苦境に、動労千葉はいかに立ち向かい、勝利してきたか----その教訓をあらためて学ぶことが大切だと痛感した。
 田中顧問は、御用組合から闘う労働組合への脱皮の過程を機労(機関車労働組合)時代から歴史的に説き起こしつつ、従来の反合理化闘争の限界を実践的に突破した反合・運転保安闘争の内容を生き生きとした語り口調で提起。「反合・運転保安闘争路線の確立、ジェット燃料闘争への決起、組織問題に全組合員の力を結集して立ち向かったこと、動労千葉はこの三つの闘いの中から生まれた労働組合です」として、そのいずれもが組合を挙げての徹底的な討論と組合員の総決起によって実現されたことを「是非教訓としてつかんでほしい」と強調する。
 「反合・運転保安闘争の今日的発展」として闘われた外注化阻止闘争の総括も実に教訓的だ。最後の「動労千葉が守り抜いてきた理念・原則」を簡潔にまとめたくだりでは、「組合員の怒りと力を引き出し、その団結に依拠する......そのための努力こそが労働運動の核心」という、一見あたり前のようで忘れがちな、しかし誰もが実践の中で絶えず問われる課題をあらためて考えさせられた。
 コロナ大量解雇と改憲攻撃を迎え撃つために、「職場から階級的労働運動をもう一度つくりあげていくことが最大の課題」(本紙新年号1・1アピール)となっている今、中野洋顧問の『甦(よみがえ)る労働組合』と共に本書をしっかりと学習したい。

学生の命軽んじる東大本部
 東京大学 松木 進

 東京大学では、課外活動つまり新入生歓迎の学生団体、サークル活動の「中止」が3月25日夜に、本部から通告されました。しかし、新歓活動以上に「三つの密」(密閉空間、密集場所、密接場面)であるのが研究室での活動です。
 26日に本部は、「平日においても、教職員の自宅勤務、学生の自宅学習を推奨する」とのガイドラインを出しています。ところが、3月31日現在でも平常通りの運用、朝9時から夜10時まで週5〜6日登校を事実上強制する研究室が、同じ学科にあることがわかりました。日頃より「ブラック」と悪名高い研究室ですが、実験安全の観点から人員が必要というわけでもないのに、この情勢でも朝は通勤時間帯の列車に乗車させ、夜は遅くまで帰さないのです。これでは免疫も弱ってしまうでしょう。
 一体なぜ自宅での作業ないし待機を認めないのでしょうか。もし感染を阻止する気があるならば、少なくとも研究室構成員に対し登校を強制しない、必要な場合に応じてのみ登校し、それ以外の日時の自宅待機を認める対応くらいはするべきです。学生の命は論文やNMR分光計よりも軽いとでもいうのでしょうか。
 苛烈(かれつ)な研究室環境に置かれた学生の皆さん! 体調が悪いなら臆せず休みましょう。満員電車に乗るのが嫌なら臆せず遅刻早退しましょう。皆で力を合わせて自宅待機要求を通しましょう。今こそ横暴を終わらせる時です。殺されてはなりません。

安倍もろともNAAを倒せ
 東京東部 高村宏信

 オリンピックは中止ではなく延期され、コロナウイルスはいつ収まるかわからない中、コロナ解雇という形ですべての矛盾が労働者階級に押し付けられようとしている。
 そういう中、3・29三里塚全国集会がコロナ情勢の中で延期になった。残念!
 3月25、27日に予定されていた三里塚請求異議裁判の控訴審(市東孝雄さんの農地の取り上げ強制執行を阻む裁判)も6~7月に延期され、農地死守決戦が先に延ばされた形だ。
 しかし、この裁判は7月には結審する。50年来の歴史の中で最大の決戦局面を迎えているといっても過言ではない。
 内容的には、これほどわかりやすい、正義性のある裁判はない。NAA(成田空港会社)の前身である空港公団は、1994年の隅谷調査団最終所見を受け入れ、「あらゆる意味で強制的手段は用いない」と社会的に公約した。当時の新聞にも大きく報道された。次回6月の裁判で、その過程に直接立ち会った人が証言する。
 三里塚54年の闘いは、市東さんの農地を強制的に取り上げることを許さない地平を勝ち取っている。それは市東さんの強い決意がもたらしたものだ。ところが、NAAは何と言っているか。「話し合いが頓挫した場合は強制執行もやむをえない」とか、「土地収用法にもとづく強制代執行ではなく、民事訴訟だから該当しない」と。
 労働者の命と生活を破壊する腐敗と独裁の安倍政権打倒と同じレベルで、NAAのでたらめ、はぐらかし、愚弄(ぐろう)を打倒するしかない。我慢という言葉があるとすれば、我慢にも限界がある。
 NAAの主張を、安倍もろとも打倒しようではないか!

バイト通じて社会が見える
 東京 館野 啓

 「日本がこんなにやばい国だとは思いませんでしたよ」。大学生の同僚がつぶやいた。
 食品関係のバイト先に正規職は店長1人で、労働者の7割が学生。この春の話題はもっぱらコロナだ。「高校の卒業式がなくなってさみしい」「開講が5月になった」「オンライン授業って言うけど、成り立つの!?」「新歓もできない。サークル存続の危機」「実習に行けなければ資格が取れない。卒業できるのか」。どれも切実な声だ。
 新型コロナ対策として職場の閉店時間は3月から早まり、これまで5時間かけていた仕事を4時間でやらなければいけなくなった。給料はもちろん5分の4だ。閉店を知らせる音楽が鳴っても、仕事帰りの労働者が駆け込んでくれば無視するわけにはいかない。慌ただしい閉店前に、商品の発注や店舗内の清掃を終わらせておく余裕はない。全部閉店後に持ち越しだ。「忙しいのに給料は減る。労働の価値が下がっていますよね」と同僚は言う。二つ、三つのバイトを掛け持ちしている学生もいる。
 内定取り消しのニュースが気にかかる。3月上旬の勤務最終日、「地域限定型の採用なので、まだ職場が決まっていないんです」と苦笑していた新社会人の彼女はどうしているだろう。「日本も空母を持つんですってね。どうなっちゃうんだろう」と話しかけてきた同僚もいた。今は母親だ。
 10代、20代の青年は、政治家の姿やこの国の現実をしっかりと見ている。もう、ごまかしはきかない。

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