米 施設内での感染拡大に抗議 収容中の移民・難民の解放を

週刊『前進』04頁(3124号03面03)(2020/04/13)


米 施設内での感染拡大に抗議
 収容中の移民・難民の解放を

(写真 「収容者を今すぐ自由に!」自動車でのデモ【3月30日 シカゴ】)

(写真 「勾留は命にかかわる」ICE事務所前での抗議行動【4月1日 サンフランシスコ】)


 新型コロナウイルス感染の爆発的拡大を受けて多くの都市が封鎖状態にあるアメリカで、依然として収容施設に閉じ込められている移民・難民の解放を求める運動が広がっている。複数の州の刑務所ではすでに、内外の運動の力で数千人の人々の釈放をかちとった。これに続き、民族や国籍による分断を打ち破って命を守ろうと訴えるものだ。
 生きるために国境を越えて逃れてきた人々は狭く不衛生な収容施設で、密集した状態で過ごすことを強制されている。感染者が一人でも出れば影響が即座に広がり、膨大な数の人々が命を落とす恐れがある。親と引き離された小さな子どもなどは、とりわけ危険だ。
 事実上の戒厳令下にもかかわらず、ICE(米移民税関捜査局)は移民のコミュニティーなどへの襲撃・摘発を続けており、収容施設の人数はむしろ増加している。移民を人間扱いしないアメリカ政府の姿勢がむき出しだ。こうした状況のもと、病院による密告とICEの摘発を恐れて医療機関に行くことができない非合法移民も数多くいる。非人間的な入国管理制度が、人々の命を極限的な危機にさらしているのだ。
 収容施設での感染はすでに始まり、恐怖が広がっている。こうした中、「コロナウイルスの感染が拡大する中での勾留は死刑判決と同じだ!」と訴え、多くの収容者がハンガーストライキに突入。ワシントン州の収容施設では、300人もの人々が参加している。
 施設の外でも、創意工夫をこらした闘いが取り組まれている。サンフランシスコやシカゴなどでは「自動車デモ」も登場。車体に横断幕を張り付けたり窓の外に手書きのボードを出したりした自家用車で、多くの人々が街に出たのだ。数十台にもなる車列は、ICEの施設や州政府に対し「全員を今すぐ自由に!」「強制送還をやめろ!」「これ以上逮捕・摘発するな!」とアピールした。参加者の多くが、家族や仲間を塀の中に奪われた人々だ。看護師をはじめ医療労働者も、すべての人々の命を守れと声を上げて闘っている。
 ギリシャとトルコとの国境などでも多くの難民が劣悪な環境のキャンプに留め置かれ、ウイルス感染の危機にさらされている。手を洗う水も石鹸(せっけん)もないキャンプで、どうやって身を守れというのか!
 日本でも同じ闘いが必要だ。すべての入管収容所と刑務所を直ちに解放させ、仲間の命を守り抜こう。

このエントリーをはてなブックマークに追加