香港 失業者に援助金を出せ コロナ解雇と闘う労組

週刊『前進』04頁(3126号04面03)(2020/04/20)


香港
 失業者に援助金を出せ
 コロナ解雇と闘う労組

(写真 「林鄭は自分の報酬を増やし、市民は雑穀を食べている」と林鄭政権を弾劾し、「5人集合禁止」をはねのけてデモ【4月8日 香港】)

 4月11日、香港では新型コロナ感染者が1千人を超え、労働組合の闘いが連日続いている。
 香港職工会連盟によれば、3月23日から4月3日までに受けた約400件の相談の85%が新型コロナの影響に関するものであり、その9割の労働者が解雇や1カ月以上の休業、7割が月収が半分以下、さらにその半分近くが過去1カ月の収入がゼロになっているという。衝撃的な事実だ。
 林鄭月娥(りんていげつが)政権は3月27日、公共の場での5人以上の集合を禁止し、いくつかの業種への14日間の業務停止や営業制限を強行した。集会・デモを禁圧するためだ。
 4月8日には、「防疫抗疫基金」の2巡目として1375億元(約1兆9250億円)を出すとした。だがこれは経営者に出されるもので、労働者の賃金などに回る保証はない。経営者は政府から金をもらいながら、労働者を無給で休業させるだろうと、激しい批判の声が上がっている。
 職工会連盟や闘う独立労組は、「新型コロナウイルス感染症を職業病にしろ」「失業者への援助金を出せ」と要求している。
 4月6日に行われた記者会見で、香港自由工作者服務工会(香港フリーランスサービス労働組合)の代表は、「フリーランスはもっとも影響を受けている。今では仕事がほとんどなくなっている。政府は、労働組合結成の申請に行ったときに『フリーランスは事業主なのか、労働者なのか?』と聞いてきた。それで一切政府の援助を受けられなくなっている」と弾劾した。
 バーテンダー労働組合の代表も25日間の無給休暇を要求され、そのまま解雇される現状を暴露した。飲食・ホテル業職工総会の代表も「無給で一時休業することを要求され、『いっそ首にして賠償金を出せ』と言っても『労働処(労働部)に私を訴えれば良い』などと拒絶された」と明らかにした。さらに香港幼児教育労働者労働組合も、退園する園児が増加し、賃下げや無給休暇などを要求されて解雇されていると訴え、徹底的に闘う決意を示している。
 4月10日の職工会連盟の記者会見では、商業ビルや工業ビル、公園などの清掃労働者や警備員は感染の危険性が高いのに、政府の防疫抗疫基金ではそれが無視され、手当が切り捨てられていると抗議した。
 「5人集合禁止」は、確実に打ち破られつつある。

治安弾圧と対決し

 4月8日、政府の抗疫政策を弾劾し、失業者への援助金を要求するデモが行われた。4月8日は、警察に追われて駐車場ビルから転落死した科技大生・周梓楽さんの逝去から5カ月となる日でもあり、多くの労働者・学生が、事件現場に集まって献花した。警察は「5人集合禁止」の警告もできなかった。
 4月9日には、「覆面禁止法」を違憲とした一審判決を上訴審が覆し、「非合法な集会では覆面禁止は合憲」とする判決を出した。これは昨年からの「逃亡犯条例」改悪反対運動以来続いているデモや集会を弾圧するものであり、労働者・学生は、怒りの声を上げている。反撃はこれからだ。
 香港の労働者・学生は解雇、賃下げ、無給休暇・休業、そして治安弾圧と真っ向から闘っている。この闘いと連帯し、日本でも新型コロナ情勢下での安倍の攻撃を打ち破り闘おう!
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