高槻医療福祉労組が声明 「いのちを守る」闘いを

週刊『前進』02頁(3129号02面04)(2020/04/30)


高槻医療福祉労組が声明
 「いのちを守る」闘いを

(写真 昨年12月に行われた高槻医療福祉労組のスト)

 4月20日、大阪の高槻医療福祉労働組合が「いのちを守るために医療現場から訴えます」と題した声明を発表しました。この声明は4月7日に強行された緊急事態宣言に対する職場からの怒りや疑問の声に応える中で作られたものです。
 高槻医療福祉労働組合は、「命よりも金もうけ」の新自由主義医療と闘うために、2016年から3度にわたってストライキを闘いぬいた労働組合です。これは「いのちを守るストライキ」として、全国の医療福祉労働者から支援を受けました。新型コロナウイルスの感染拡大の中でも原則的な闘いを続け、職場闘争の中でコロナ疑いの休業補償を100%支払うことを経営に約束させています。
 医療現場では「新型コロナに感染したら何を言われるかわからない」「職場で感染した最初の一人になりたくない」といった声を連日聞きます。
 何よりも許しがたいのは、医療従事者の思いを利用して、腐りきった政治家たちが一斉に責任転嫁をしていることです。大阪府泉南市の議員が「感染者は殺人鬼に見える」とSNSに書き込み、吉村大阪府知事は「休業要請に応じない店舗名を公表する」と息巻いています。まさに「自己責任」論のきわみですが、冗談ではありません! 全ての責任は、自民党や維新の会など「命よりも金もうけ」で利権をつくってきた政治家連中にこそあります。
 今、求められているのは闘いです。新自由主義者と対決する姿を鮮明にさせること以外に、「自己責任」論と対決し団結を守ることはできません。その先頭に八尾北医療センターや高槻医療福祉労働組合の仲間が立ちました。高槻の声明を抜粋して紹介するとともに、すべての仲間がともに「いのちを守る」闘いに立ち上がることを呼びかけます。
(関西労組交流センター・冨山小太郎)

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高槻医療福祉労組の声明(抜粋)

 4月7日、安倍首相は「緊急事態宣言」を発令しました。これは、新型コロナウイルスの感染拡大への対策と称して、個人の移動や財産を制限し、政府の権限を強化するためのものです。私たちは、この宣言をどうしても受け入れることができません。
 1月15日に国内で最初の感染者が確認されて以来の約3カ月間、日本政府は新型コロナウイルスに対する有効な対策を放棄してきました。医療現場では、貧弱な検査体制の中、マスクや防護服などの援助もないまま、必死に患者と向き合う日々が続いています。
 何よりも、危機感を感じているのは、社会全体から公衆衛生的な観点が奪われていることです。私たちは、社会保障費の削減で、公的な医療・福祉・衛生体制がことごとく崩壊されていることを、身に染みて体感しています。
 「検査」は新型コロナウイルスに限らず、すべての医療・防疫の基礎ですが、こうした基礎の基礎ですら、今の日本では体制を作ることができません。極限まで人員を減らされた保健所は、検査の受け入れを一手に引き受け、完全にパンク状態です。
 いま必要なことは、「検査体制」と「感染者の療養体制」です。これは全世界の共通認識であり、新型コロナウイルスの感染者が確認された当初から、一貫して強力に訴えられてきたことです。こんな単純な対策ですら、日本ではまったく進まないのです。
 今社会が直面している課題は未知のウイルスとの闘いだけでなく、歴代の政治が破壊してきた公的医療体制の再確立でもあります。
 私たちは、1952年に設立された富田診療所を原点に、地域医療を守るための取り組みを継続してきました。労働者と地域住民の団結こそが、命を守る最大の力です。
 全ての皆さんに訴えます。今こそ新型コロナウイルスに立ち向かうために、奪われた社会的な「つながり」を取り戻し、公的な医療体制を直ちに取り戻すたたかいを始めましょう!
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