香港でメーデーが高揚 全域で労組先頭に街頭制圧

週刊『前進』04頁(3130号02面05)(2020/05/11)


香港でメーデーが高揚
 全域で労組先頭に街頭制圧

(写真 〈上〉「自主労働運動」などののぼりを立て、メーデーの一斉街頭宣伝を行う職工会連盟と新労働組合〈下〉「みんなで一緒に歌おう」行動に集まり、警察の弾圧と対決して抗議する人々【5月1日 香港】)

(写真 〈上〉「自主労働運動」などののぼりを立て、メーデーの一斉街頭宣伝を行う職工会連盟と新労働組合〈下〉「みんなで一緒に歌おう」行動に集まり、警察の弾圧と対決して抗議する人々【5月1日 香港】)


 香港では政府の「5人以上集合禁止」を打ち破り、5月1日にメーデー闘争が全域で勝ち取られた。

五大要求を掲げ

 香港職工会連盟は5月1日のデモを行うことを発表したが、政府は新型コロナウイルス対策を理由にした「5人以上の公共の場での集合禁止」によって、これを認めなかった。明らかなメーデー圧殺の攻撃だ。
 職工会連盟はこの弾圧を許さず、昨年秋以来結成された新組合と共同で、全香港60カ所以上で「五大要求」(昨年以来の逃亡犯条例改悪反対運動で打ち出されている、①改悪案の完全撤回、②反対運動の「暴動」規定の撤回、③デモ逮捕者の釈放、④警察の暴行を調査する独立調査委員会の設置、⑤普通選挙の実施の5つの要求)貫徹と労働組合への加盟を訴える街頭宣伝に立ち上がった。
 そして「五大要求は一つも欠けてはならない」と、メーデー(香港では「五一国際労働節」)と一体で、この5月1日の午後5時1分、労働者と学生は香港全土で「五大要求貫徹」「香港を取り戻せ! 今、革命を!」などのシュプレヒコールを一斉に上げた。この瞬間、全香港に闘いの決意の声が響き渡った。
 新組合である香港ホテル労働組合の執行部の一人は「メーデーはアメリカ労働者の闘いの歴史の記念日だが、今年はメーデーと『五大要求』のスローガンが、図らずも同じになった。このシュプレヒコールはみんなに初心を想起させ、メーデーに新たな意義を与えた」と語っている。
 香港ではさらにインターネットで学生・市民らに行動が呼びかけられ、労働組合と一体で、各地で闘争が燃え上がった。夕方、沙田の新城市広場に労働者学生が集まり、「一緒に歌おう」行動が、警察の弾圧と対峙(たいじ)しつつ行われた。追いつめられた警察は新城市広場を封鎖して3人を逮捕し、11人を罰金処分とした。
 また職工会連盟へのデモ禁止を許さず、林鄭月娥行政長官の新型コロナ対策、解雇と失業に抗議する「請願」デモも、海富センターから行われた。警察は、身分証提示をあくまで拒否した区議会議員1人を不当逮捕した。

弾圧体制を粉砕

 このようにこれらの行動に対して香港政府は全土厳戒態勢で警察を布陣し、徹底的な弾圧体制、メーデー圧殺体制をとった。だが、「5人集合禁止」を口実にしたこの大弾圧体制は、勇躍と街頭に飛び出した労働者大衆の迫力の前に粉砕され、香港全土でメーデーが勝ち取られたのである。
 この間、新型コロナが次第に鎮静化しつつある中で、再び香港では街頭での闘いが活発化している。4月末から「あなたと一緒にランチ」行動も復活した。6月4日には1989年6月4日の天安門虐殺に抗議するデモが予定され、6月16日には20万人の学生デモが予定されている。さらに香港返還から23周年となる7月1日の大規模デモも打ち出されている。「5人以上集合禁止」は、すでにボロボロになりつつある。
 昨年秋からの新組合結成運動、そして新型コロナウイルス情勢下での労組を中心とした必死の闘いを経て、今、香港での昨年来の闘いはさらに力強く前進しようとしている。この香港の闘いに学び、日本でも新型コロナウイルス情勢下での闘いに勝利し、それを糧として労働運動の組織化と大衆運動の発展を勝ち取っていこう!

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