香港 国民投票とゼネストへ進撃 国家安全法阻止へ全土で決起

週刊『前進』04頁(3142号04面02)(2020/06/22)


香港
 国民投票とゼネストへ進撃
 国家安全法阻止へ全土で決起

(写真 銅鑼湾でデモをする労働者・学生【6月12日 香港】)

(写真 中高生による「人間の鎖」行動【6月12日 香港】)

中高生が「人間の鎖」行動

 昨年6月12日、「逃亡犯」条例改悪案に反対し、労働者民衆が立法会(国会)周辺に結集して道路封鎖などの実力闘争を闘った。警察の催涙弾発射の弾圧とも対峙(たいじ)しながら実際に議会での条例案の審議を阻止し、その後の闘いの勝利を切り開いたのである。それから1年を迎えた12日、香港各地で国家安全法制定に反対する労働者・学生の実力闘争が闘われた。
 この日午後1時から九龍湾で「あなたと一緒にランチ」行動が、午後1時30分からは中高生による「人間の鎖」行動が行われた。音楽の試験で、学生が昨年来の闘いのなかで歌われてきた曲「香港に栄光あれ」を歌うことを禁止しなかった教師が解雇されたことに抗議し、この教師を励ますための行動だ。
 午後6時30分、学生団体が昨年1年間の闘いのパネルなどの展示と街頭宣伝を開始。午後7時頃からは銅鑼(どら)湾、旺角(モンコック)など香港各地に労働者民衆が集まった。参加者は国家安全法の制定に抗議し、普通選挙などの「五大要求」実現を訴えるシュプレヒコールを上げて「香港に栄光あれ」を合唱した。また、昨年の香港デモで最初の抗議自殺者となった梁凌杰氏への黙禱(もくとう)も行った。
 警察は、これらの集会が新型コロナ対策を口実にした「9人以上集合禁止」令に違反するとして弾圧しようとし、無差別に身体捜索を行ったため、デモ隊と警察が各地で激突した。警察はトウガラシスプレーを乱射し区議会議員を含む43人を逮捕したが、この弾圧と対決して労働者民衆は実力でデモを勝ち取った。
 闘争を恐れた香港政府は、問答無用の弾圧を次々とかけてきた。「9人以上集合禁止」令を6月18日まで延長し、さらに今年の六四天安門集会を実現した李卓人氏ら13人の民主派人士を11日、12日に「非公認集会への参加を扇動した」罪で一斉起訴した。早くも23日には最初の裁判が行われようとしている。
 また香港政府は11日、今後制定される国家安全法に基づいて中国政府直轄の情報収集などを行う新たな治安部門を香港警察に設置することを発表した。さらに6月4日に強行採決された「国歌条例」を12日から施行し、脅しと弾圧に利用しようとしてきた。
 しかし、12日の香港全土での闘いは、こうした国家安全法の先取り的な大弾圧を打ち破って勝ち取られたのである。

「義士の遺志を忘れるな」

 国民投票と全香港ストライキ(ゼネスト)の勝利に向け、「200万人三ストライキ(労働者・学生・商店の三つのストライキ)労働組合連合陣線」に所属する各労働組合が連日、精力的に街頭宣伝を行っている。
 政府は公務員の新労組もこの運動に参加していることを批判しているが、労働者たちは弾圧と対決して6月20日の国民投票に上りつめようとしている。今年の春に5日間のストを闘った医療労働者の組合・医管局員工陣線もストに向けて街頭宣伝に立っている。
 そして16日には昨年の200万人デモを記念して学生団体である「学生動源」が「義士の遺志を忘れるな 五大要求を勝ち取る1周年デモ」を、19日には大規模集会が行われる。7月1日は香港返還23周年であり、例年大規模デモが行われる。
 6月18日から20日には中国で全国人民代表大会常務委員会が行われ、国家安全法制定に向けて攻撃が強まっている中で、香港の闘いは弾圧を打ち破り不屈にゼネストをも展望して進んでいる。

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