香港 国家安全法粉砕へ闘い続く 革命を恐れる中国スターリン主義 革共同は香港民衆と連帯し闘う

週刊『前進』02頁(3147号01面01)(2020/07/09)


香港 国家安全法粉砕へ闘い続く
 革命を恐れる中国スターリン主義
 革共同は香港民衆と連帯し闘う

(写真 「私たちは心から香港を愛している」と書かれた幕を持ってデモする労働者と学生【7月1日 香港】)

(写真 銅鑼湾に集まった民衆に胡椒スプレーを乱射する警察 【7月1日 香港】)


 6月30日、中国の全国人民代表大会常務委員会で「中華人民共和国香港特別行政区国家擁護安全法」(以下、国安法)が可決・成立し、同日夜11時に公布と同時に施行された。これは、香港の民主化運動、労働運動などを弾圧するための法律であり、「一国二制度」を破壊して中国スターリン主義が香港を直接支配する法律そのものである。この暴挙は断じて許せない。革共同は国安法成立を徹底弾劾し、香港の労働者民衆と連帯してともに勝利まで闘いぬく。

深夜まで不屈の抗議デモ

 香港ではこの間、国安法に反対して連日のように抗議運動が闘われてきた。特に施行翌日の7月1日、香港返還23周年には約370人の大量逮捕を出しながらも抗議デモが深夜まで不屈に闘われた。
 国安法は極めて凶暴な治安法であるが、逆にますます香港の労働者民衆の怒りと闘いを拡大させる。香港の闘いは中国国内の労働者民衆の闘いとも結びつき、中国スターリン主義打倒へと必ずやのぼりつめる。その展望がこの日、示された。
 7月1日の早朝から一部の民主派団体は無届けデモを行った。また午後3時のデモを前に、銅鑼(どら)湾を中心にあちこちで街頭宣伝が行われ、国安法反対が訴えられた。警察はこの街頭宣伝を次々と弾圧し、各地で衝突が起き、逮捕者も出始めた。国安法で最初に逮捕されたのは「香港独立」の旗を持っていた青年だった。
 こうした弾圧の嵐の中でも、続々とデモ参加者が出発点のビクトリアパークに集まってくる。このデモはコロナ対策を口実に申請が却下された無許可デモだ。だが国安法成立への怒りから、多くの労働者民衆が実力デモに必死の思いで駆けつけた。午後2時50分過ぎ、集まった労働者民衆はデモに出発し、全車道を占拠して進んだ。途中からも人々が次々と合流してくる。警察はあちこちで道路を封鎖し、集まる民衆に放水し、催涙スプレーを噴射し、軍事用でもある新型の拳銃発射式コショウ弾などを乱射した。デモ隊も各地で道路を封鎖し、バリケードを築き、警察と対決しながらデモを闘いぬいた。
 夕方になってからも、タイムズスクエアや波斯富街、天后など各地に民衆が結集し、警察と徹底激突しながら「五大要求貫徹」「国安法反対」を訴える行動に立ち上がった。あちこちで徹底抗議する民衆と、対応不能の警察。深夜まで不屈の激闘が続き、370人という大量逮捕に屈せずに闘い続けたのである。施行されたばかりの国安法は、その施行の直後に粉砕され、労働者民衆は勝利の展望を獲得した。

言論の自由を奪う極悪法

 国安法は極悪の治安法である。まずこの法律は「国家の分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託により、国家の安全を脅かす行為」を犯罪とし、これらを主張したこと自身が犯罪とされて言論の自由は奪われる。しかもこの法律は、香港の法律よりも優先されるとしている。
 また、香港政府が国家安全擁護委員会を設立するとともに、中央政府が(香港政府から独立した)国家擁護安全公署を設置し、中央政府が直接に香港の治安に介入することができ、「外国勢力の介入」や「重大な脅威が生じた場合」などにおいて事件に管轄権を直接行使できるとなっている。つまりこれらに該当するとされた事件では、被疑者は中国に送られて中国の法律で裁かれるのだ。香港の労働者民衆が昨年、いったん香港政府に「撤回」を宣言させた「逃亡犯条例」改悪案の復活である。
 さらに国家機密に触れるとされれば、非公開の裁判も認められている。また刑罰も重く、最高刑は終身刑だ。国安法が立法される以前の事案への遡及(そきゅう)は規定されていないが、「立法後の事件の裁判には、過去は当然参考になる」とされている。この暴法への香港の労働者民衆の怒りの決起は当然だ!
 米中対立の激化と世界恐慌の深化の中で、経済的にも政治的にも危機を深める中国スターリン主義にとって、香港の闘いは中国本土の労働者民衆の闘いを促進し、自己の体制崩壊に直結しかねない危険物だ。そこで中国政府は、香港返還時に約束された「一国二制度」をも破壊し、香港の民主化運動や労働運動を圧殺し、直接支配に転換しようとしているのである。
 だがこれは、現在の中国スターリン主義のすさまじい危機を示している。今や香港政府は「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ 今革命を)」は国安法違反だとまで言い出している。香港政府も中国政府も革命におびえているのだ。

全香港ゼネストへ労組の組織化進む

 「香港の意志は、国安法や何かの悪法によって封殺されることはない」(黄之鋒氏)。「力強く生き続けて行こう。......生きてさえいれば、必ず希望は見えてくる」(周庭氏)。不屈に闘い続けるならば、必ず中国政府も香港政府も倒すことができる。それを示したのが7月1日の闘いだ。
 6月20日に行われた国民投票は全香港ゼネストへの第一歩となり、労組の組織化は続いている。就任時の香港政府への忠誠宣誓義務化に対する公務員労働者の怒りも爆発している。また国安法は、「本法に規定された犯罪を犯した」海外の外国人にも適用するとしている。これは労働者の国際連帯への恐怖の叫びである。まさに全香港ゼネスト、そして国際連帯にこそ勝利の鍵がある。
 米・日帝国主義らはこの香港情勢を利用して、対中争闘戦を強めているが、これはあくまでも自国の帝国主義的利益のためである。
 香港の闘いは、今や世界を揺るがし、全世界の労働者階級の未来を決する闘いとなっている。国安法粉砕! 中国スターリン主義打倒、香港・林鄭政権打倒へ! この情勢を利用して、侵略戦争・世界戦争へと向かう米・日帝ら帝国主義打倒へ! 香港の労働者民衆と連帯し、反帝国主義・反スターリン主義、世界革命の勝利まで闘いぬこう!

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