団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3150号04面03)(2020/07/20)


団結ひろば 投稿コーナー

天皇訪問記念標柱撤去しろ
 全国農民会議岡山支部 内藤大一

 7月8日、改憲・戦争阻止!大行進岡山は、伊東香織倉敷市長に対し、前天皇の被災地訪問(2018年9月14日、倉敷市真備町)を記念する標柱の撤去を申し入れた。この標柱は、7月3日に倉敷市が真備町尾崎の小田川そばに建立したものだ。
 7月に入り、梅雨前線の活発な状態により、熊本・福岡を始め、全国各地の河川の氾濫(はんらん)などによる被害が連日報道されている。
 ちょうど2年前の真備の豪雨災害では50人以上の命が奪われ、家屋・田畑にも甚大な被害があった。被害は市町村合併・民営化・非正規職化による地方切り捨てによって拡大した。当時、豪雨災害は国の責任だと弾劾する声が高まっていた。政府が計画的な治水対策を怠り、労働者人民の血税を軍事費に投入してきたからだ。
 天皇の被災地訪問は政府・国家に対する労働者人民の怒りを押しつぶし、黙らせるために行われた。しかも、この訪問は地元に巨額の財政支出を強い、倉敷市の労働者にも警備など多大な負担を強いた。
 今日、安倍政権は、日米安保同盟の下、中国・アジア侵略に向け、改憲攻撃を激化させている。労働者人民を侵略戦争に動員するために再び「天皇のために死ぬことのできる」人間をつくろうとしている。
 天皇制とは国家による暴力支配だ。侵略戦争や差別・抑圧の元凶だ。二度と侵略戦争をくり返さないために、改憲・天皇制に反対して闘おう。

三里塚が与えてくれる希望
 首都圏・学生 早乙女存男

 7月12日に三里塚で開催された天神峰樫(かし)の木まつりに参加してきました。
 私は三里塚に行く度にその歴史の重みを強く感じます。この日は1969年に山梨大学に入学し、かつての「政治の季節」の学生運動を闘った方に連れられて三里塚を訪れました。
 道中で聞かされた佐藤訪米阻止闘争をはじめとする学生運動の話は、斎藤前全学連委員長が京大でビラまきをしただけで懲役6カ月・執行猶予2年の判決を食らうこの時代の大学でしか過ごしたことのない私にとって、もはや異世界の出来事です。
 学生自治会も自治寮もないのが当たり前、それが「この道しかない」現実であるかのような今の大学で感じる無力感は相当に深刻なものです。自分が学生運動をつくり上げていくんだという発想がそもそももてないのです。
 しかし、三里塚は、彼が山梨大学在学中の69年に先輩に連れられて現地闘争に参加した時と同じく、今の学生が農民・労働者と連帯して闘うことのできる場所として開かれています。そうした場を実際に目の当たりにすることで、社会の根底的変革に現実性を見い出せた時代は決して異世界などではない、我々が今から選び取る行動によってこの現実は変えられるんだ、という希望が湧いてくるはずです。
 萩原富夫さんのお話にあったように、成田空港を廃港にするということがコロナ危機によって一気に現実性を帯びてきました。学生は三里塚闘争に結集し、市東さんの農地を守るため共に闘いましょう!

破綻する「ふるさと納税」
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 6月に、「ふるさと納税」の報道が二つあった。
 一つは、泉佐野市が国を訴えた最高裁の判決。過剰な返礼品競争をした泉佐野市を勝訴させた。
 もう一つは、高知県奈半利(なはり)町でふるさと納税の担当職員が賄賂で再逮捕された事件。しかし単なる賄賂事件ではない。高知新聞が連載「虚(うつ)ろな税(ちから)」で暴露している。黒潮沿いの過疎の町で、とれるはずのない「カニ、ホタテもならんだ」。町職員が「返礼品のバイヤーと化した」。町長の後押しで担当職員が365日、深夜までネット更新を繰り返したという。つまり、労基法無視のブラック職場だ。そして、真の悪は菅義偉だ。制定当時の総務大臣である。「国民の義務」という「納税」にも、トラストバンク系「ふるさとチョイス」、ソフトバンク系「さとふる」、楽天系「楽天市場」を介入させ、手数料で億単位の金を巻き上げた。
 自治体職場からも怒りの声が上がっている。「本来、コロナ対策や福祉にまわったかもしれない金だ」「どうして住民税という限られたパイをめぐって、自治体間で職員同士が競争をしないといけないのか」「ふるさと納税は、私らまったく知らされていない」
 レーニンが『国家と革命』で「公的暴力を維持するための租税と国債」と暴いた税制度そのものが、安倍政権とともに大きく崩壊を始めている。

「医療現場」特集に注文殺到
 東京 伊集院 勉

 「コロナ危機と医療福祉の現場」を特集した7月刊「国際労働運動」(発行・出版最前線)が読まれています。追加注文が殺到して、アマゾンでも品切れ状態が続いています。
 新型コロナウイルスの感染拡大との闘いは、医療や社会保障を破壊し続けてきた新自由主義との闘いであり、すべての人びとの命のかかった闘いとして、労働組合が本来の力を発揮すべきものです。今回の特集は、マスコミでもあまり報じられることのない医療や介護・福祉施設、保健所、保育所・児童館など最前線で闘う労働者・労働組合の現状報告です。だから注目を集めているのだと思います。
 現場を一番よく知る労働者が激務の中、労働組合などで議論し、職場の団結を固めて、経営者や当局の側から職場支配権を取り戻していく経過と教訓が生き生きと語られていきます。
 さらに欧米やアジア、ブラジルの労働組合が新自由主義による医療崩壊に対して、万国共通の闘いを繰り広げていることに焦点が当てられています。イタリアなどで、少数派だけれども闘う路線を掲げる労働組合が職場全体、医療産別全体の労働者を獲得してゼネストを実現していく闘いの報告は、日本における労働組合運動再生の手本ともなるものです。
 新自由主義への批判と労働組合の闘いの展望を示すものとして、この冊子がコロナ危機と大恐慌に立ち向かう全ての産別・職場の闘いの武器となると確信します。ぜひ手に入れてご活用ください。

マルクス主義映像化、大満足
 群馬 白川はるな

 私の家の星野カレンダーには毎日の「前進チャンネル登録数」が書き込んであります。6500登録達成おめでとうございます。
 「前進チャンネルスタディーズ3周年企画」と銘うった「共産党宣言第1回」、とても良かったです。なんといってもキャスターのウキウキした表情ゆたかなリズムあるしゃべり。見ている方までにっこりしてしまいます。
 説明に高校の世界史教科書を使って『共産党宣言』を深めているのがすごく良かったと思います。
 教科書は「国民共通」とも言える、みんなが信頼している書物である一方、文科省検定をクリアーした、安倍首相も文句を言えない資料。世界史教科書に、「人類の歴史は階級闘争の歴史」であることがあふれています。
 私も「前進」を購読してほしい方に、高校の教科書を見せて話す時があります。短い文ですが、レーニンの死後、トロツキーが引き継いだ世界革命と、スターリンの一国社会主義がよく解説されています。「日本共産党が選挙で政権とったらよい社会にしてあげますよ、というのは、中国や北朝鮮を含めたスターリン主義の一国社会主義です」と話しますと、皆さん、「そうですね」と言ってくれます。
 「前進チャンネル」がそういう「どうわかりやすく、かつ、信頼感をもって伝えるか」を、努力して、本当のマルクス主義を明るく短く映像化してくれていて、私は大満足です。
 みんなに「前進チャンネル見てね」と言っています。スタディーズに期待しています。

朝鮮戦争勃発時、私は高1
 川武信夫

 「前進」第3145号の「朝鮮南北分断の歴史と真実」を読みました。朝鮮戦争が勃発した1950年6月25日は私の忘れられない日付けです。自分自身にとっても、日本の労働運動にとっても、戦後の世界の展開にとっても、決定的な転回点だったと思い返しています。
 私は当時、福島の高校1年、新聞会で活動していました。朝鮮戦争の勃発に際し、侵略戦争反対という見出しの号を発行したところ、校長が真っ青(あるいは真っ赤)になって部室に駆け込んできました。そして、「何ということを書いてくれたんだ。これで君たちも俺自身も、アメリカ占領軍の軍事法廷に呼び出されるぞ!」「編集長は首だ!」と叫んだのです。結果は編集長の更迭だけですみましたが、そういう時代でした。
 前年の49年8月に、福島―郡山間の国鉄路線で列車が脱線・転覆する松川事件が起こり、国労と東芝労組の活動家二十数人が不当逮捕されました。戦後革命のなかでの福島県の3大拠点(電産=東北電力猪苗代発電所、国労=福島・郡山、炭労=常磐炭鉱)の一つを狙った攻撃でした。
 この年10月の中国革命を前にした緊迫情勢のなかでのことでした。1963年までかかった裁判で全員無罪の判決が下され、事件がフレームアップ(でっち上げ)だったことが明らかになりました。
 朝鮮戦争のさなかの50年7月、総評が結成され、産別会議に代わって労働運動の主流の位置にすわります。共産党指導下の産別会議は47年2・1ストを「米占領軍=『解放軍』の命令」を理由に中止し、破産していました。総評は「国連軍(実体は米軍)支持」方針を出します。この方針は、翌年の2回大会で職場からの反対にあって破棄され、「再軍備反対・中立堅持・軍事基地反対・全面講和へ(平和四原則)」に転換します。
 既成指導部に抗して戦争反対を貫く労働者階級の姿が、その後の私自身の進むべき道を示してくれました。

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