東京五輪は今すぐ中止 すべての予算を医療と補償に

週刊『前進』02頁(3158号01面03)(2020/08/27)


東京五輪は今すぐ中止
 すべての予算を医療と補償に

福島圧殺こそが最大の招致目的

 新型コロナウイルスの感染拡大により1年延期された2020年東京オリンピック・パラリンピック。コロナによる死者は全世界ですでに80万人を超え、膨大な数の労働者が解雇されて路頭に放り出されている。今や来年の開催など問題にもならないことは明らかであるにもかかわらず、政府と組織委員会はあくまでも開催を主張している。
 これまでにつぎ込まれた予算は3兆円を超え、延期に伴う追加予算は数千億円規模と推測されている。東京五輪は今すぐ中止し、費用をすべて医療体制の充実と労働者への補償に充てさせなければならない。
 この五輪はそもそも、2011年の福島第一原発事故による環境汚染・放射能被害と今日まで続く被災地の人々の苦しみを覆い隠し、「復興」を演出するために、安倍が先頭に立って招致したものだ。安倍は13年に行われたIOC(国際オリンピック委員会)総会での招致演説で恥知らずにも、(福島第一原発をめぐる)「状況は統御されている(アンダーコントロール)」「健康問題については、今までも現在も将来も、まったく問題ない」などとウソを並べた。

五輪強行で感染爆発の可能性も

 さらに安倍は「20年新憲法施行」を掲げ、五輪開催を契機に改憲・戦争国家化を進めると公言。自らの延命のために五輪を最大限利用しようとしてきた。だからこそ新型コロナが全世界に広がるなかでも予定通りの開催に固執し、PCR検査の件数を抑え、感染者数を極力少なく見せようとしてきたのだ。
 3月にはギリシャ・アテネでの採火式と日本への聖火輸送を強行。選手たちからも「開催は無神経で無責任」などと怒りの声が続々と上がるなか、聖火リレー出発予定日のわずか2日前に延期が決定した。
 延期が決まるや安倍は、「人類が新型コロナに打ち勝った証しとして完全な形で開催する」などと言い出した。しかし、ワクチンや治療薬の開発はいまだ途上であり、「打ち勝つ」などという無内容な精神論は通用しない。世界中から選手や観客が集まる五輪でひとたびクラスターが発生すれば、首都東京での医療崩壊をはじめ取り返しのつかない事態が引き起こされることは明らかだ。

選手とスポーツ踏みにじる五輪

 この期に及んでも五輪中止が決定されないのには理由がある。五輪が実際には、選手のためのものでもスポーツを愛する人々のためのものでもなく、それがIOCと大企業に巨大な利権をもたらす「世界最大の商業イベント」だからだ。
 この間IOCの収入は増え続け、年間平均は1500億円超(13~16年)にも上る。一方で選手は、IOCから受け取る資金は1円もなく、4年に一度の五輪から逆算した人生設計を求められ、国の代表として強烈なプレッシャーのもとでのプレーを余儀なくされる。五輪が選手たちを商品にし、政治の道具にして踏みにじっているのだ。そもそも、コロナ情勢下で多くの選手は十分な練習もままならない状況にある。いったいどこが「アスリート・ファースト」なのか!
 五輪中止・廃止を求める声は全国・全世界で強まっている。東京都営交通では、大会開催に伴う増便や終電延長が一方的に決められたことに対して東交(東京交通労組)組合員から怒りが噴出している。
 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部の医師らは「東京2020―放射能オリンピック」キャンペーンを展開し、福島市での競技や聖火リレー中止を求める国際署名運動を進めている。
 24年の開催予定地パリでも、コロナ情勢下、予算を医療や教育、住宅や公共部門に予算を振り向けるよう求める五輪反対署名運動が始まった。
 8月15、16日に全国で行われた意識調査でも、来年夏の東京五輪・パラリンピックを「中止すべき」との回答が4割を超えた。福島の怒りと連帯して今こそ五輪を中止に追い込むとともに、安倍の改憲・戦争攻撃を打ち砕こう!
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