9・27三里塚全国集会に結集を 市東さんの農地守り空港廃港へ

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週刊『前進』04頁(3160号03面01)(2020/09/07)


9・27三里塚全国集会に結集を
 市東さんの農地守り空港廃港へ


 三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける9・27全国総決起集会に大結集しよう。戦争・改憲、労組破壊、生活破壊の攻撃を推し進めてきた安倍政権が、労働者・農民・人民の怒りに包囲され、ついに打倒された。コロナ危機を契機に「空港廃港」は現実の課題となった。だが危機に立つ成田空港会社(NAA)は、農地強奪と空港拡張の凶暴な攻撃を断念していない。市東孝雄さんに対する農地取り上げ攻撃と空港機能強化策を、労農学連帯の力で粉砕しよう。半世紀を超す不屈の闘いを貫く反対同盟と共に立ち上がろう。

コロナで航空需要が激減

 新型コロナパンデミックによって航空需要が全世界的に蒸発し、成田空港の破滅的な業績悪化が現在も進行中だ。
 4月12日から約100日間もB滑走路を閉鎖せざるを得ず、空港は待機旅客機が翼を連ねたまま動かない単なる駐機場と化した。
 5月の航空旅客総数は前年同月比でわずか2%に激減し、収益の柱となる空港内店舗も軒並み休業。6月の発着回数は6940回で、その過半が貨物便だ。7月22日の「Go Toトラベル」キャンペーンの開始に合わせて夏季増便を図るも、計画倒れとなった。9月から各航空会社は再び減便せざるを得ない状況で、地域航空会社アイベックスエアラインズは成田から事実上撤退した。
 NAAの被った損失は一時的なものではなく、より根底的要因に根差しており、回復不能なものだ。
 ①世界的航空需要の収縮と航空バブルの終わりは、航空産業における新自由主義政策の破産の結果である。国際航空運送協会(IATA)は「需要の回復は24年になる」と言うが、それすら願望に過ぎない。
 そもそも航空業界の拡大は1974〜75年世界恐慌後、米カーター政権(77〜81年)が行った規制撤廃などの新自由主義政策を機に始まったもので、激しい労働条件の引き下げと安全対策費用の削減などで格安航空会社(LCC)が登場し、その野放図な拡大がバブルを生み、今や限界に達したのだ。
 ②安倍政権のインバウンド(外国観光客誘致)政策は完全に破産した。5月の訪日旅客はわずかに1700人。観光立国政策として打ち出した「年間4千万人」の目標は机上の空論としてついえた。
 政府系シンクタンクが来年の年間旅客数を予測しているが、仮に東京五輪が開かれたとしても年間330万人程度とされている。

第3滑走路建設を許すな

 NAAの収益低下はあまりにも激しい。
 20年3月期決算では、成田開港以来の減収減益となった(収益が前期より約120億円減少、経常利益も14億円以上減少)。今期21年3月期予想は非開示。田村明比古NAA社長は、「数百億円の損失」と言っているが、それにとどまらない。民間会社ならとっくに倒産の危機だ。
 国交省は首都圏空港の年間発着を「30年には100万回に近づく」と予測していたが、この数字が空港拡張を進めるための幼稚な願望だったことは、今日誰の目にも明らかとなった。
 しかし、田村社長は8月27日の記者会見で、「機能強化は国の政策の一翼を担う事業でもあり、着実に進める」と発言した。これほどの破綻を突き付けられても、芝山町の広大な集落・田畑・山林・水系を破壊し住民を追い出して3500㍍の第3滑走路を建設し、空港敷地を2倍化し、昼夜を分かたず周辺一帯に殺人的騒音をまき散らすというのだ。
 これは、公共事業をやめない官僚的詭弁(きべん)であると同時に、成田拡大の本質が採算を度外視した国策として巨大軍事空港の建設であることを自ら暴露している。
 この田村発言を徹底的に弾劾しなければならない。「安倍政治の継承」を叫び改憲・戦争の道を進む自民党政権を打倒しよう。

強制執行阻止へ総決起を

 9月2日、東京高裁第4民事部(菅野雅之裁判長)で請求異議控訴審が開かれ、市東さんの本人尋問などが行われた(詳報次号)。この裁判では、10月22日結審、年内反動判決が狙われている。「農地を奪う強制執行許すな」の要望書を集め、10・22に高裁を包囲しよう。
 三里塚現地闘争本部は、この重大情勢を迎え撃つために「強制執行阻止」の現地闘争体制を早急に構築することを訴える。「今こそ『絶対反対』『実力闘争』を貫いてきたその真価を発揮して反転攻勢の闘いに立ち上がる」(9・27集会招請状)との反対同盟の決意に断固応えよう。三里塚を闘ってきた同志が一人でも多くの仲間を連れて、9・27集会はもとより、援農、現地調査に参加し、市東さんの闘いを支えよう。
 市東さんの農地は単なる「土地」ではなく、祖父から3代100年をかけて汗と涙を流して耕し豊かな土を作ってきた、市東さんの命そのものである。「1億8千万円」の補償金で代替できるものではない。強制執行は、市東さんの人生を奪うものだ。
 今再び1971年の大木よねさんへの強制代執行を思い出してほしい。よねさんは、成田市取香部落で狭い田畑を耕作し、近くの農家の手伝いでわずかな現金収入を得て、自給自足に近い生活を送っていた。貧困の中でも誇りをもって生きていた。国は機動隊の暴力を使ってよねさんの家、畑などあらゆる生活条件を強奪し破壊し、人間としての尊厳を踏みにじり、ついには命を奪ったのだ。
 市東さんにかけられている攻撃も、戦後農地制度の極限的な解体攻撃であり、改憲攻撃の一環であり、農民の生活を根こそぎ破壊しようとする国家犯罪だ。
 日本の労働者階級は、不屈に闘う農民を支え、労農同盟的団結を強固につくり上げ三里塚闘争に勝利する責務を負っている。
 すべての闘う労農学人民は、71年代執行阻止闘争の再現として敢然と決戦に突入しよう。「倒産会社であるNAAが農地を奪うことなど許せるか」という反対同盟の怒りを共有しよう。各々の職場・学園・地域での闘いを貫きつつ、9・27成田市赤坂公園に全力で結集し、市東さんの農地を守り抜こう。

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三里塚裁判日程
◎耕作権裁判 千葉地裁
 9月14日(月)午前10時30分開廷
 9時に千葉市中央公園集合、市内デモ

市東さんの農地を守ろう! 空港機能強化粉砕!改憲阻止・安倍政権打倒!
9・27三里塚全国総決起集会
 9月27日(日)正午
 成田市赤坂公園(成田ニュータウン内)
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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