団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3160号04面04)(2020/09/07)


団結ひろば 投稿コーナー

いま「物ダメ」ストの息吹を
 元全逓東京・支部執行委員 本郷四郎

 私は郵政職場を退職し、現在は地区のユニオンに所属して、闘う労働組合の創造のために闘っています。ユニオンは結成して6年ほど経ちますが、拡大―強化がなかなか進みません。時には現状へのいらだちからか、良くないとは思いつつも執行部どうしで批判し合ったりしてしまいます。情勢が要求するもののあまりの大きさに、現状の小ささからどうしても身をかがめてしまいます。
 しかし、現実を見ると支配階級の腐敗ぶりは目を覆うばかりです。郵政で言えば、日本郵政社長の増田寛也は元郵政民営化担当大臣であり、郵政民営化の責任者の一人です。その増田が、かんぽ不正問題の責任をすべて現場労働者に押し付けているのは決して許されません。2015年に巨費を投じて買収したオーストラリアの物流会社トール社も赤字で、売却の検討に入っていますが、責任は郵政資本にあります。
 07年の郵政民営化は、国鉄分割・民営化に続く、闘う労働組合運動の一掃攻撃でした。それに対し05年10月21日、東京・渋谷の宮下公園で行われた「郵政民営化絶対反対」集会で全逓労働者が壇上に勢ぞろいして決意表明し、闘いの狼煙(のろし)を上げました。
 そして民営化以降、全国の職場で資本との激闘が続いています。目の前の困難はありますが、郵政労働者の闘う魂は不滅だと思います。全逓の1978〜79年の年末年始の「物ダメ」ストは全国の郵便局で業務をストップさせ、郵袋(ゆうたい)の山を築きました。この闘いは労働者階級の団結した力を示し、資本家階級を震撼(しんかん)させました。この全逓労働者の熱い息吹はこれからの時代に必ず光を解き放つと確信しています。
 郵政での後輩たちの闘いと連帯し、自分の場で力を尽くしたいと思います。

ALS嘱託殺人事件に思う
 東京 櫛渕秀人

 京都の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんが医師の手で命を絶たれた事件から1カ月が過ぎた。SNSの世界では医師の行為に賛意を示す投稿が少なからずあるという。副総理にある人物が「ナチスの手口に学べ」という時代だ。「障害」当事者が危機の叫びをあげているこの時、革命を訴える人たちが沈黙していていいのか。
 ALS患者さんに限らず、生きていく上で個体が困難さを抱えている人たちがいるという現実がある。だが個体としての困難の上に、今の新自由主義社会は経済合理性の思想と政策の下、命より金優位の価値観で社会が支配されている。労働者は不合理な競争社会に投げ込まれ、労働現場では徹底した人減らしの中で目標達成に向かって走らされる。このレールに乗らないと社会の敗北者として虐げられ、レールに乗れば果てしない過労死の地獄が待っている。
 この競争社会の現実が優生思想を全面に押し上げてくる。最も非人間的社会のプロセスではないか。個体として生きていくことの困難性を抱えている人であればあるほど絶望ではなく希望を求めているのではないのか。
 何が希望か。生命の綱があること、一緒に時を過ごす時間の中でこそ互いに知り合えること、苦悩を、悲しみを、そして怒りを、喜びを、知り合える存在としての他者がいること。この関係性の中に社会と共同体があること。今の社会はこの関係性を奪い破壊している。新自由主義社会はこうして成り立っているのではないか。だから変えよう。誰もが人間らしく生きられる新しい社会をこの手でつくりましょう。

星野詩画展で「獄友」上映会
 香川連帯ユニオン A

 8月21~23日の3日間、香川県観音寺市の働く婦人の家で「星野文昭、暁子詩画展」を行いました。観音寺市は、日教組香川三観地区教職員組合の地元でもあります。猛暑とコロナ情勢下でしたが、3日間で100人近くの来場がありました。
 最終日には、冤罪被害者の交流を描いた金聖雄監督のドキュメンタリー映画「獄友(ごくとも)」の上映会も同時開催しました。
 やってもいないのに殺人犯として警察や検察にでっち上げられ、不屈の精神で闘っている彼らの交流は強い絆で結ばれとても明るいと思いました。
 その反面、48年も獄にとらわれ、死刑執行の恐怖と対峙していた袴田巌さんの釈放後の姿を見ると、胸をしめつけられるものがあり、あらためて国家権力への怒りがあふれました。
 昨年の星野さんの獄死はあまりにも理不尽です。これを許さず、星野精神を継承し、「一人ひとりが星野となって」、あらゆる冤罪事件=国家犯罪を許さず、大坂正明さんとともに再審と国賠の勝利をかちとりたいと決意しました。

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