動労水戸支援共闘が総会 地元を軸に被曝と闘う運動に

週刊『前進』04頁(3165号03面02)(2020/10/12)


動労水戸支援共闘が総会
 地元を軸に被曝と闘う運動に


 動労水戸支援共闘は10月3日、茨城県内で第5回総会を開いた。
 今年3月のダイヤ改定で、JR東日本は常磐線の全線開通を強行した。これにより、労働者と乗客を被曝させ、避難者に放射能汚染地域への帰還を強いるJRとの闘いは、新段階に入った。だが、コロナ感染が広がる中で、支援共闘の運動も制約を余儀なくされてきた。今回の総会は、万全のコロナ感染防止対策を施して開かれ、動労水戸と連帯して闘う支援共闘の態勢を改めて打ち固めた。
 菅は初閣議で決定した基本方針に東日本大震災や福島原発事故についての記載がなかったことを批判され、9月28日、福島を訪問して取り戻しを図った。だが、福島第一原発の汚染水を早期に海洋投棄しようとたくらむ菅が福島に乗り込むこと自体、福島の怒りを圧殺する行為に他ならない。東日本大震災と福島原発事故から10年を迎える来年3・11を前に、決戦は煮詰まりつつある。
 また、JR東日本はコロナに便乗して大リストラをたくらみ、JR水戸支社は来年3月のダイヤ改定で水戸線の全列車をワンマン運転にしようとしている。動労水戸の存在と闘いは、ますます重要になっている。
 総会では、支援共闘呼びかけ人代表の小玉忠憲さんがあいさつに立ち、10年目の3・11を前に、避難者の住宅からの追い出しなど、原発事故をなかったことにする攻撃が強まっていることを弾劾した。また、被曝労働の問題について、動労水戸を支援するだけではなく、自らの闘いとして捉え直すことが必要だと訴えた。(写真
 動労水戸の木村郁夫委員長は、常磐線全線開通やワンマン運転に対し、職場の青年労働者が「おかしい」と声を上げることのできる状況をつくり出すことの重要性を強調した。
 支援共闘の斎藤貴広事務局長が経過報告を行い、15年3月に結成されて以来5年の支援共闘の闘いを振り返った。また、今後は地元の茨城を中心に事務局体制を拡充し、地域に根差した運動を積み上げていく方針を打ち出した。

富岡―浪江間で現調

 動労水戸と茨城県労組交流センターが7月に行った富岡―浪江駅間の現地調査の状況が上映された。福島原発に最も近い大野駅―双葉駅間では、特急列車内でさえ空間放射線が毎時約0・32㍃シーベルト(機器校正後の数値は0・43)になり、常磐線と並行する国道6号線の路肩では20㍃シーベルトを超えて線量計の針が振り切れている。大野駅は駅前とそれにつながる道路のわずかな区間だけが避難指示解除されているが、その大野駅に特急が停まる不条理な状況も、動画は映し出している。
 石井真一副委員長は、昨年9月22日、「高線量地帯に列車を走らせるな・水戸集会」を、常磐線全線開通阻止と東海第二原発再稼働阻止を掲げて開催して以降、この集会に参加した県内の反原発や環境問題に取り組む団体が、JRに対して独自に常磐線全線開通への抗議申し入れをしたり、9月26日には牛久市で集会を開催するなどの動きが広がっていると報告した。
 討論では、支援共闘として恒常的な情報発信を求める意見などが出された。「動労水戸の闘いの原動力は何か」という質問に、動労水戸の各組合員が「怒りを忘れずあきらめないことが大事」「仲間を守りたいという一心でやってきた」と答える場面もあった。
 動労千葉の中村仁書記次長は、開始されたJR大リストラに対し、11・1労働者集会を結節点に、動労水戸と動労千葉がきょうだい組合としてともに反撃に立つことを訴えた。
 10年目の3・11に向けて、動労水戸支援共闘はこの総会で新たな出発点を築いた。

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