ゼネストへ進むタイ 王制のりこえる闘いが拡大

週刊『前進』04頁(3165号04面03)(2020/10/12)


ゼネストへ進むタイ
 王制のりこえる闘いが拡大

(写真 王宮前広場に集まった抗議行動参加者【9月19日 バンコク】)

 首相退陣や議会解散、新憲法制定などを求めて闘われているタイの反政府デモは新たな段階に入った。
 首都バンコクの王宮前広場とタマサート大学では9月19~20日、王室の権力と予算の抑制を訴える徹夜の行動が闘われ、5万人以上が参加した。この闘いには世代を問わず、初めてデモに参加する人々が続々と合流している。
 広場には解放感があふれ、前大統領パククネを打倒したろうそく革命の際の韓国のように、軍による権力の掌握、LGBTQへの差別、社会福祉、女性の権利、コロナによる経済への影響など、さまざまなテーマをめぐって議論が開始されている。政府は参加者への刑事罰適用を狙うとともに「デモでコロナ感染が拡大すれば経済が壊滅的被害を受ける」などと叫ぶが、始まった流れを止めることは不可能だ。
 重要なのは、9月20日の抗議行動で学生のリーダーが参加者に、1973年の学生蜂起の記念日である10月14日のゼネスト決行を訴えたことだ。
 タイには、民営化を狙う政府と対決する国営企業の労働組合が存在する。2014年には、7人の死者を出した脱線事故問題をめぐって国鉄労組がストに立った。当該の運転士は1カ月に休日が1日という超過勤務を余儀なくされ、緊急列車停止装置も作動しなかった。予算削減による慢性的な人員不足と設備投資の遅れが最大の原因だった。
 このため国鉄労組は安全闘争を宣言し、組合員は運行に危険を伴う乗務を拒否。報復解雇にもひるまず闘争団を結成し、物販闘争などを行って団結を守り抜いた。最終的に解雇者全員が復職をかちとった。
 鍵を握るのは労働組合の闘いだ。王制を乗り越えて新たな社会をつくるために立ち上がるタイの労働者・学生と連帯して闘おう。
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