11・1集会 コロナと闘う労働組合の力示す 新自由主義倒す団結ここに 国鉄・関生、医療先頭に決起

週刊『前進』04頁(3169号01面01)(2020/11/09)


11・1集会 コロナと闘う労働組合の力示す
 新自由主義倒す団結ここに
 国鉄・関生、医療先頭に決起

(写真 全国から集まった2050人が団結ガンバロー【11月1日 東京・日比谷野音】)
(写真 会場全体で「コロナ解雇許すな」のボードを掲げた)


 11・1全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人行進が11月1日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、全国から2050人が結集した。集会では、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉がそれぞれ、原点に返り闘う労働運動の再生を、と訴えた。
 新自由主義の攻撃に屈せず団結と闘いを守ってきた3労組が呼びかける11月集会は、今年で23回目だ。一貫して掲げられた「闘う労働組合の全国ネットワークを」のスローガンは今こそ説得力を持っている。
 コロナにより渡航が制限される中、集会には世界からかつてない数の賛同メッセージが寄せられた。共通の課題に直面する世界の労働者は、国際連帯をさらに強めている。
 コロナに便乗した解雇と賃下げ、関西生コン支部への弾圧やJRの「労組なき社会」の策動が示すように、労組つぶしの攻撃が激化している。菅政権は「行政改革」を掲げて新自由主義に一層のめりこみ、改憲・戦争の攻撃を強めている。だが、その凶暴さは、労働者の反乱におびえる支配階級の危機と一体だ。
 集会に結集した一人一人が、コロナによる苦難の中で、労働者の怒りを行動に転じるための努力を続けてきた。時代に通用するあり方を真剣に模索し、構えを根本から変えれば、その努力は必ず実を結ぶ。同日の住民投票で大阪都構想が否決された事態は、この集会と並びその展望を示した。
 集会後、参加者は銀座から東京駅に向かうデモに出た。右翼の妨害に乗じた公安警察は一人の青年労働者を不当逮捕した。許せない。だが、デモ隊は、労働者の団結に社会を変える希望があるとアピールして、力強く都心を進んだ。

3労組が方針提起

 集会の冒頭、国鉄闘争全国運動呼びかけ人の金元重さんが開会あいさつで、この集会の原点は新自由主義と闘う階級的労働運動の構築にあると確認し、その目標が未達成ならどこを改めるべきかを真剣に議論して次に進もうと強調した。
 関西生コン支部、港合同、動労千葉の各代表が登壇した。港合同の木下浩平執行委員は、大阪都構想の核心は大阪市の公務員労働組合の解体にあると指摘し、官民の労働組合の連帯を軸に地域住民とも結んで闘い、菅政権と維新の会を打倒すると宣言した。
 関西生コン支部の武谷新吾書記次長は「弾圧への最終的な決着は組織拡大と大衆行動でつける」と述べ、「ストライキをはじめ労働組合の行動で菅政権を倒そう」と呼びかけた。
 動労千葉の関道利委員長は、新自由主義の攻撃に対し勝ちぬいてきたのが3労組だと総括し、「日本でも山が動く時は必ず来る」と、労働者の反乱が迫っていることを明らかにした。そして、「闘う労働組合の全国ネットワーク」をこの1年の実践で具体的な形にすること、関生弾圧粉砕、国鉄闘争勝利、改憲・戦争阻止!大行進運動の発展、国際連帯闘争の強化などの具体的課題を提起した。固い握手を交わす3労組に盛んな拍手が送られた。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一弁護士が連帯あいさつで、新自由主義は司法改革としても貫かれ、これとの対抗軸は団結にあり、弁護士は労働者と力を合わせ闘うと述べた。
 東京・過労死を考える家族の会の中原のり子さんが連帯あいさつで、小児科医の夫を過労自殺で失った苦しみを語り、「過労死をなくすためには労働組合の組織率をアップさせ職場での基本的人権を尊重させることが必要」と呼びかけた。

関生弾圧を許すな

 関生弾圧を打ち破るため全国各地で結成された支援組織が登壇した。「関西生コン労働組合への弾圧を許さない東京の会」共同代表の木下武男さんは、産業別労働組合運動を展開する関生支部は突出した労働条件を勝ちとってきたと述べ、「関西生コンを孤立させず、関西生コンのような労働組合をあらゆる業種でつくることが弾圧への根本的な反撃だ」と訴えた。
 「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」が、労働者と市民の連帯で闘おうと呼びかけた。
 「関生弾圧を考える神奈川の会」の品川孝司さんは、関生のようにストのできる労組をつくり、その力で神奈川県内の米軍・自衛隊基地への闘いを強化して改憲を阻む決意を語った。

●開会あいさつ 

原点に返り労働者の団結とり戻そう
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人/韓国労働運動研究者 金元重さん

 本集会の実行委員会で、原点に立ち返るという議論と提起がありました。
 一つは、国鉄闘争の新たな陣形をつくるために3労組の必死の反撃から築かれた11月労働者集会ですが、この23年間の反新自由主義闘争、階級的労働運動を守る闘いは所期の目的を達成しているのか。道半ばだとすれば、どう改めるべきか。もう一度考える契機にしたいということでした。
 もう一つは、今の日本では労働組合の存在意義が忘れられている、あるいは知られていない。憲法28条の労働基本権、すなわち団結権、団体交渉権、団体行動権を、労働者が人間らしく生き、働き、労働者の尊厳を守る武器に、砦(とりで)にしていくことを強く訴えようという主張でした。まったく同感です。今日一日、頑張りましょう。

労組破壊の都構想に地域共闘で反撃
 全国金属機械労組港合同執行委員 木下浩平さん

 この間、大阪都構想反対で中村委員長を先頭に港合同も取り組んできたところです。公務員労働組合つぶしを許さないという強い思いで闘ってきました。
 2011年年末、橋下市長が登場し、公務員労組へのバッシングを開始しました。しかし私たちは、地域で官民の闘う組織と運動を守り、現場で決起する公務員労働者と連帯して大阪市役所から橋下市長をたたき出しました。
 大阪市でも民営化が進んでいます。しかし、労働組合はつぶされていない。団結をさらに強め、必ず菅と維新を打倒していきたい。
 今回、地域の多くの方々が都構想反対の声を上げました。労働組合として闘うばかりではなく地域の闘いと結びつくことが、全世界で巻き起こるゼネストや政権打倒を組織していく道です。その意味で「改憲・戦争阻止!大行進」は無限の可能性をもっています。さらに拡大しましょう。
 私たちは官民連帯、地域共闘、この看板をもって様々な困難を乗り越えてきました。労働者は団結を崩さず執念をもって闘えば必ず勝利する。この闘いを共に前進させましょう。

弾圧うち砕くのはストと大衆的行動
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 関西生コン支部への権力弾圧に対する闘いへのご支援に心からお礼を申し上げます。私たちは無罪判決をかちとるために全力を尽くすと共に、組織拡大と大衆行動で決着をつけます。
 関西生コン支部は産業別の賃金、雇用、福祉を集団交渉で協定化し、生コン業界で働く全ての労働者に適用させました。中小企業と協力する一面共闘では大企業の収奪と闘う体制を確立しました。これらの成果は背景資本との闘い、現場ではストライキを中心とした行動を展開したことで得たものです。18年7月から始まった弾圧は、関生型産業別労働運動が全国に広がることを恐れた攻撃です。
 菅首相は独裁を強め、戦争への道を突き進んでいます。弾圧も継続するでしょう。しかし敵は新たな階級対立をつくり、新たな団結と闘いの条件をつくってくれているのです。私たちは全国の闘う労働組合、仲間と団結することで闘いに勝利する法則をつかむことが求められています。他方、原理原則で闘う労働組合のストライキや現場の闘争が多くの成果を挙げています。今こそチャンスです。権力者は大衆の団結と怒りの行動を恐れています。闘う労働組合が先頭に立ち、現場の行動を展開することで菅政権は打倒できます。共に闘いましょう。

闘う労組のネット作る本格的実践へ
 国鉄千葉動力車労働組合委員長 関道利さん

 私たち3労組は、中曽根政権による新自由主義攻撃に勝ちぬいた労働組合です。日本の労働運動の限界をのりこえる階級的労働運動の新たな姿を示しました。労働者階級全体の利益、労働運動全体の前進という観点を忘れなかったこと、資本・権力と妥協なく闘いぬいてきたことが私たちを結び付けました。
 新自由主義攻撃がどれほど社会をむしばみ続けているのか、コロナ感染症はその闇を明るみに引き出しました。私たちが命がけで守りぬいてきたものが歴史を動かす時代が来たのです。
 第一に訴えたいことは、皆さんの中にその力があるということです。コロナ危機は労働者が階級として歴史の前面に登場する条件を生み出しています。エッセンシャルワーカーへの社会的注目と侮辱され続けてきた現実の落差を、これほど多くの労働者が自覚したことはありません。その深い怒りが社会的力となって登場するまでもう一歩です。解雇、大リストラ、倒産の嵐が吹き荒れようとしています。職場、地域、産別で闘いを開始しよう。
 第二に、闘う労働組合の全国ネットワークを具体的な姿形にしようということです。新たな運動は頭の中では広がりません。実践こそ創造の母です。
 第三に、関生弾圧粉砕の支援組織と運動をすべての労働者の未来と労働運動の再生をかけた重要な戦略的闘いとして全国各地に組織することを訴えます。第四に、国鉄闘争へのご支援をお願いいたします。整理解雇を掲げた国鉄分割・民営化型の大攻撃に、動労千葉は断固として立ち向かいます。第五に、改憲・戦争阻止!大行進運動を全力で取り組むことを訴えます。
 最後に、本集会には世界各地から賛同が寄せられています。来年はそのすべての仲間を招くことができるよう、私たちの組織的力量を高めることを訴えます。

●連帯あいさつ

弁護士は労働者と団結して闘いぬく
 憲法と人権の日弁連をめざす会 武内更一さん

 私たちは改憲と司法改革に絶対反対でこの20年あまり闘い、日弁連の翼賛化を抑え込んできました。
 新自由主義の攻撃パターンは人々を分断することです。われわれの対抗軸は結びつくこと、団結すること、塊になることです。その先に私たちの手にする社会があるはずです。
 私たち弁護士もバラバラにされずに、11月集会に参加する人々と手を携えて改憲攻撃、新自由主義攻撃に対して闘う決意です。
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