三里塚請求異議判決裁判へ 12・17東京高裁包囲し強制執行阻もう

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週刊『前進』04頁(3172号02面01)(2020/11/30)


三里塚請求異議判決裁判へ
 12・17東京高裁包囲し強制執行阻もう

(写真 市東孝雄さん)


 12月17日、市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議控訴審は東京高裁第4民事部で判決を迎える。菅野雅之裁判長が反動判決を下すことを、絶対に許してはならない。三里塚芝山連合空港反対同盟は、裁判所を労農学人民の大隊列で重包囲するデモに立ち上がることを呼びかけている。「農地強奪阻止! 成田を廃港に!」の叫びを霞が関一帯にとどろかせよう。

成田存亡の危機

 今や成田空港は、文字通りの存亡の危機に陥っている。農民の農地を国家暴力で奪い、欠陥空港として無理やり開港して運用し続けてきた成田は、さらに無謀極まりない敷地2倍拡張=第3滑走路建設を進めようとした矢先、激烈なコロナショックに見舞われた。かりそめのにぎわいを誇っていた国際空港が機能停止した過剰設備へと一変した。
 東京五輪をあてにした安倍前政権の観光立国政策、インバウンド(外国人観光客)誘致は根本から破産した。航空業界は軒並み大幅赤字、大再編の嵐の中にたたき込まれ、労働者の生活が犠牲にされている。成田からの航空会社撤退、路線廃止が止まらない。空港をあてにした千葉県、成田市、芝山町の地域経済も壊滅的打撃を被っている。
 回復はもはやあり得ない。国策としての成田空港建設が根本から破産を突き付けられたのだ。
 ところがNAA(成田空港会社)はこの期に及んで市東さんに対し、「農地を明け渡し、農業をやめて出ていけ」と迫り続けている。B滑走路自体がすでに無用の長物と化している以上、「誘導路の直線化」などまったくの無意味。しかし、田村明比古社長は何の展望もないまま、「機能強化は予定通り進める」と言い張る。
 こんな連中に、市東さんのかけがえのない農地を奪われてなるものか! NAAを徹底的に追い詰め、倒産にまで追い込もう。

市東さんの決意

 10月22日の控訴審最終弁論で反対同盟顧問弁護団は、NAAが卑劣な土地強奪策動に血道を上げてきたことを全面的に暴き、強制執行が許しがたい違法であることを証明した。
 市東さんは自らの信条を「うそをつかないこと」と述べ、「小作農にも耕し続ける権利がある」「天神峰の畑を耕し続ける」との決意を語り、菅野裁判長に「強制執行を許可するな」と迫った(「週刊三里塚」1052号参照)。
 NAA代理人は沈黙に終始。どちらの側に正義があるか一目瞭然だ。
 市東さんという一農家の耕す権利を守ることが、戦争と軍事空港を阻止し、全国・全世界の労働者・農民の闘いに勇気と確信を与える。12・17判決に全力で駆け付け、市東さんの農地を実力で守り抜こう。

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