コンビニ8社に要請書 関連ユニオン 「独禁法違反やめろ」

週刊『前進』04頁(3172号02面03)(2020/11/30)


コンビニ8社に要請書
 関連ユニオン 「独禁法違反やめろ」

(写真 セブン本社前で提出行動。マイクを握る河野委員長【11月16日 東京・千代田区】)

(写真 要請書を提出 ファミリーマート本社【東京・港区】)

(写真 要請書を提出 ローソン本社【東京・品川区】)

 コンビニ関連ユニオンは11月16日、17日、セブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンなど大手コンビニ8社とJFA(日本フランチャイズチェーン協会)に対して8項目の要求を提出した。
 16日の提出行動にはセブン―イレブン東大阪南上小阪店の松本実敏オーナーも参加、約20人が集まった。セブン本社前では、コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長が「セブンはいまも時短をやらせないようにいろいろ圧力をかけている。独占禁止法違反はやめろ」と訴えた。松本オーナーは「セブンを潰そうとやっているのでない。共存共栄できるように改善を求めている」とアピールした。その後、ユニオン役員と松本オーナーが本社幹部に要請書を読み上げ手渡した。
 ファミリーマート本社前、ローソン本社前でも同様に情宣活動を展開し要請書を手渡した。その日は記者会見も行い、7社が集まった。
 ポプラとセイコーマートには広島と北海道の仲間がそれぞれ協力。全国の仲間の応援も得て、各社とも社前においてではあるが要請書を受け取った。

オーナーの声を代弁する要求

 要求は以下のとおり。
 (1)各社のフランチャイズ契約に、JFAフランチャイズガイドを基準とする契約締結前の情報提供義務および、その誠実な説明義務が本部にあること、ならびにこれを怠った場合の損害賠償義務があることを明示にすること
 (2)各社のフランチャイズ契約において、廃棄の負担を加盟店に押しつける「コンビニ会計」は廃止し、本部と加盟店が利益、コスト、リスクを公平に負担する会計システムにあらためること
 (3)各社のフランチャイズ契約において、加盟店に距離規制、人口規制などの排他的テリトリーをあたえる規定を明記すること、またドミナントによって不利な影響を受けた加盟店が損害賠償を請求する権利があることを明記すること
 (4)各社のフランチャイズ契約において、営業日や営業時間の裁量権を加盟店に付与する規定を明記すること
 (5)各社のフランチャイズ契約において話し合いをもって問題解決をはかる原則を明記し、かつ個人、団体を問わず加盟店オーナーはその代理人、補佐人とともに、「経済情勢の変化に対応した契約見直しのための協議」を求めることができること、ならびに本部はこれに誠実に対応する義務があり、オーナーは不誠実な対応に損害賠償請求ができる規定を明記すること
 (6)各社のフランチャイズ契約において、本部は、次のような正当な事由がある場合を除けば契約更新を拒絶してはならないことを明記すること。正当な事由とは、①契約に従う誠実な努力を怠り、容易に治癒もしくは支払いができないほど重大な違反行為によって本部と加盟店との信頼関係が大きく破壊された場合、②加盟店の投資が回収されていること、③加盟店の努力によって生み出された店舗価値が補償されていること、④契約更新の交渉を本部が誠実に行なったこと、⑤本部が他の加盟店と比して差別的取扱いをおこなっていないこと、の5つの要件を満たした場合であり、恣意的な判断であってはならない
 (7)ADR(裁判外紛争解決手続き)の枠組みを構築するにあたっては、実効性と公平性を確保するために、私たちも含めて加盟店側の代表の意見を聞く場を設けること
 (8)以上の詳細な内容は、相互の信頼関係を原則に話し合いをもって合意しその内容を明文化すること
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 コンビニ関連ユニオンは11月30日までに回答するよう求めている。回答内容を判断して、拒絶も含め不誠実なものであれば新たな公取委申告闘争を展開すると河野委員長は言う。
 9月2日に公正取引委員会が「24時間年中無休営業の強制は独占禁止法違反になりうる」などの報告書をまとめ、コンビニ各社に11月末までに自主的に是正することを求めた。これに関連して、要請書は機先を制するために全国各地のコンビニオーナーの声を代弁して、学者や弁護士の提言をも生かしてコンビニモデルの根本的変革のために必要な項目として提出したものだ。8社に提出したのは、かつてないことだ。
 8項目をのませコンビニモデルの大変革を実現するまで終わらない闘いが始まった。

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「独禁法違反なくそう」パンフ
 オーナーに大反響

 コンビニ関連ユニオンが9・2公正取引委員会報告を受けて作成した「なくしていこう!コンビニの独禁法違反」のパンフレットが全国のコンビニ店舗に配布され、反響を呼んでいる。「すごいパンフだ。経済法の勉強になる」「時短したいと言っても本部はダメだと言い張るので、公取委に申告するぞと言ったらやっと本部は時短を認めた」の声や、ユニオン活動家が「今日、本部に押し掛けてるんです」と言うとガッツポーズで応えてくれる人もいた。

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