民主活動家に実刑判決 香港 大弾圧に不屈の闘い続く

週刊『前進』04頁(3174号04面02)(2020/12/14)


民主活動家に実刑判決
 香港 大弾圧に不屈の闘い続く

(写真 収監される直前の3氏。左から林朗彦氏、黄之鋒氏、周庭氏【11月23日 香港】)

 12月2日、昨年6月21日の警察本部包囲デモに関して扇動と不法集合組織化と参加の容疑で起訴・収監されていた青年民主活動家の黄之鋒氏、周庭氏、林朗彦氏の3人に対して、香港の西九龍裁判所は実刑判決を下した。黄氏に禁錮1年1カ月半、周氏に禁錮10カ月、林氏に禁錮7カ月であり、保釈も却下された。翌3日には、民主派新聞「リンゴ日報」の創業者であり、民主活動家である黎智英氏も詐欺罪で起訴され収監された。
 一連の中国政府と香港政府による民主活動家への弾圧を絶対に許すことはできない。徹底的に弾劾する。
 だがこのような国家安全維持法(国安法)下での弾圧と対決し、香港の労働者民衆は不屈の闘いに立ち上がっている。有罪判決を聞いた黄氏は「苦難であることは分かっているが、耐え抜いてみせる」と叫び、傍聴席からは「頑張れ!」という声が飛んだ。また黎氏も、「自分の裁判で香港の司法の現状を明らかにする」と、闘志を明らかにしている。

マスコミ労働者も抗議の集団辞職に

 今年6月30日に国安法が成立・施行されて以降、香港では普通選挙などを求めて闘う民主活動家への弾圧が激化している。国安法ですでに40人が逮捕されている(12月7日現在)。8月には台湾に亡命しようと密航を試みた活動家12人が中国政府によって逮捕され、中国で拘束されている。
 マスコミへの規制と抑圧も強まっている。8月に黎氏は国安法違反などで逮捕されたが、同時にリンゴ日報社への家宅捜索も強行された。11月3日には、昨年7月の香港デモへの襲撃事件を追及したテレビ番組制作者が逮捕・起訴される事件も起きている。
 12月1日には、香港有線テレビが100人以上にのぼる労働者のリストラを発表した。これにより「新聞刺針」というドキュメンタリー番組所属の記者が全員解雇されようとしている。この番組は「六四天安門事件」などを取り上げていた。明らかな政治的リストラだ。この暴挙に対して、同社の中国取材班は抗議の集団辞職に立った。抗議辞職は各部局にも拡大し、残った労働者は会社との全面対決に入っている。国安法下でマスコミ労働者の新たな決起も開始されているのだ。

反帝・反スターリン主義の国際連帯を

 労働組合が香港の闘いを根底から支えている。闘いの中で新たな労働組合が次々と結成され、大弾圧に対する永続的な闘いの道を開いている。
 香港では、帝国主義資本に労働者が極限的に搾取され、一方で中国スターリン主義の独裁支配が強化されている。反帝国主義・反スターリン主義、世界革命の思想が重要だ。帝国主義もスターリン主義も労働者の国際連帯で打倒しよう。ここにこそ香港の闘いの勝利の展望がある。香港の労働者民衆と共に闘おう。
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