獄中同志の新年メッセージ

週刊『前進』05頁(3176号04面04)(2021/01/01)


獄中同志の新年メッセージ

(写真 絵・星野文昭同志)


 2021年冒頭、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧で下獄を強いられた板垣宏同志、十亀弘史同志が獄中闘争に勝利し、それぞれ1月3日、13日に出獄する。71年安保・沖縄決戦を故・星野文昭同志と共に闘った大坂正明同志、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う須賀武敏同志の新年メッセージです。(編集局)

今こそ階級的労働運動を
 東京拘置所在監4年 大坂正明同志

 2020年は世界中でコロナが猛威を振るい、新自由主義の腐敗と破綻をあらわにさせました。世界中で極度の格差を推し進め、医療制度をはじめあらゆる福祉制度を破壊してきたために、貧しさを強いられた多くの労働者民衆の命が奪われています。さらに労働者には解雇や賃下げなどの攻撃が襲いかかっています。
 もちろん日本も例外ではありません。労働者民衆には苦難を強いつつ、政権とつながる企業には多額の税金を投入してもうけさせるという新自由主義の浅ましい姿を見せています。
 こうした新自由主義の不正や矛盾が渦まく社会を根底から覆し、新しい社会をつくり出さなければ、世界の労働者民衆は生きてはいけません。
 新しい社会とは、この社会を動かしている労働者民衆が名実ともに主人公となる社会です。
 労働者民衆が社会の圧倒的多数を占めながら、政治権力を資本家階級が握っているために、労働者民衆が社会を真に動かすことにはなっていません。多くの労働者民衆が、支配階級が振り回すイデオロギーにからめとられ、その支配の前に個々に分断されているのです。
 労働者はこの現実を覆すために労働者階級として自分たちを組織することが必要です。階級として団結し、一致した行動をとることが社会を変革する巨大な力となります。
 支配階級は「階級」を否定しますし、同様に体制内労働運動を牛耳る労働代官たちも「階級」の存在を否定します。そして誰もが平等であり、何にでも挑戦するチャンスがあると喧伝(けんでん)します。
 しかしそれがデタラメであることは労働者民衆は分かっています。たとえ理論的に階級ということを理解していなくても、日々労働をとおして体感しているのですから、何らかのきっかけがあれば、たちどころに理解し、自覚することができます。
 階級的労働運動は、労働者の階級意識を呼び起こし、階級として組織する、徹底して労働者の利害に立った運動です。労働者を覚醒し、社会をつくり変える道は階級的労働運動しかありません。
 現下の課題は、この階級的労働運動を再生することです。政権と資本に対する怒りは社会に充満しています。この怒りを集約し、結合し、団結した運動に発展させることが21年の私たちの闘いです。
 不屈に粘り強く闘いぬきましょう。
 71年11・14渋谷暴動闘争戦士。殺人罪をでっち上げられ指名手配46年の上、2017年5月18日に不当逮捕された。71歳。

21年を革命の起点に!
 横浜刑務所在監3年 須賀武敏同志

 新自由主義を終わらせる時が来た。
 この1年余りで、全世界で新型コロナウイルス感染者が7740万人、死者が170万人を超えた。感染拡大の第3波で医療崩壊が切迫・進行しているのに、各国の政府も医療経営者も患者や医療労働者の命と健康よりも金もうけを優先している。富める者の命は救っても、貧しい人びとが医療を受ける機会を奪い、見殺しにする「命の選択」が、国策の名のもとに強行されているのだ。
 この現実こそ新自由主義の正体だと自覚した労働者民衆の中から、もう我慢できないという声が沸騰し、数百万、数千万人規模の怒りの決起、ゼネスト、実力闘争が全世界でまきおこっている。
 「革命の歴史は、最も優れた政党が、また最も進んだ階級の最も自覚した前衛が頭に描いているよりも、いつでも内容が豊かで、多様で、多面的で、生き生きとしており、油断ができないものである。......なぜなら、どんなに優れた前衛でも、何万人かの意識、意志、情熱、空想を表すだけであるのに、革命は、最も激しい階級闘争でかき立てられる何千万人もの意識、意志、情熱、空想によって人間のあらゆる能力が特別に高まり、緊張する時機に実現されるものだからである」。このレーニンの言葉をかみしめる情勢が到来したのだ。
 新型コロナ危機で数百万数千万の労働者とその家族の命と生活が危機にさらされているこの時、彼らの命と生活を守るために命がけの闘いに決起する時だ。困難を希望に変える小さな挑戦・小さな勝利を失敗を恐れず積み重ね、最後は数百万数千万の意識、意志、情熱を一つに束ねて職場・学園・地域を揺り動かす大闘争をつくり出そう。
 アメリカでの大衆的実力闘争に匹敵する闘いを首都東京で、沖縄で、福島で、日本全土で実現し、2021年をプロレタリア革命への起点となる年にしよう。私も獄中で闘いぬく決意です。ともに元気で頑張りぬきましょう。
 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧裁判で懲役11年、18年2月下獄。76歳。

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