汚染水海洋放出を許すな 漁民と連帯し3・11福島行動へ

週刊『前進』04頁(3181号03面02)(2021/02/08)


汚染水海洋放出を許すな
 漁民と連帯し3・11福島行動へ

(写真 1966年、団長・中曽根康弘の視察団が漁船に取り囲まれて立ち往生。視察断念を報じる伊勢新聞)

 3・11東日本大震災と福島第一原子力発電所の大事故から10年、放射能汚染で避難を余儀なくされている人々、放射能の恐怖の中で生活せざるを得ない人々が多数存在する。福島第一原発事故はいまだ進行中だ。にもかかわらず菅政権は今年の3・11で福島原発事故を終わったことにする攻撃をかけている。その最大の焦点の一つが汚染水海洋放出の企てだ。漁民の絶対反対の怒りと結合し、海洋放出を必ず阻止しよう。

「福島の海が無くなる」

 汚染水の海洋放出反対闘争は粘り強く闘い抜かれてきた。2018年8月に経産省の小委員会が開催した公聴会は「福島の海が無くなる」という漁民の怒りの声を先頭に批判が続出し、海洋放出策動はいったん粉砕された。
 菅首相は政権発足直後、福島第一原発を訪れ、「今後できるだけ早く政府として責任を持って(汚染水の)処分方針を決めたい」などと述べ、安倍のやれなかった海洋放出攻撃に踏み切ってきた。そして10月下旬には海洋放出の決定を強行しようとした。
 だが10月中旬、全漁連(全国漁業協同組合連合会)の岸宏会長と野崎哲福島県漁連会長が汚染水海洋放出絶対反対を表明。16日には、いわき市漁協が「海洋放出に反対の姿勢を貫いていく」ことを確認した。
 これら漁民の怒りの声と日本学術会議での任命拒否に反対する闘い、さらにはコロナ感染拡大の中での内閣支持率急落に追い詰められた菅はいったん海洋放出の断念に追い込まれた。
 だが2月1日、運転開始40年超の福井県高浜原発1、2号機の再稼働に高浜町が同意するなど原発攻撃は激化している。コロナ危機でグラグラの菅政権を打倒し、汚染水海洋放出を絶対に阻止しよう。日本の漁民は、戦後一貫して反原発・反核闘争を闘い抜いてきた輝かしい伝統を有している。

漁民の実力闘争の伝統

 漁民が反対闘争の中心的役割を果たしたので有名なのが三重県紀勢町(現大紀町)と南島町(現南伊勢町)にまたがる芦浜原発反対闘争である。1966年には自民党の中曽根康弘議員を団長とする視察団が現地に向かったが、漁民による実力阻止で25人の逮捕者を出すという闘いが起こった。その結果、2度にわたる中部電力の芦浜原発設置の攻撃は粉砕された。
 山口県の豊北原発反対闘争では地元住民の闘いに電産中国の山口県支部が自治労山口県本部傘下の労組とも協力して反対闘争に積極的に参加、原発推進派を地域や漁協の役員から降ろして、町長も替え中国電力の策動を粉砕した。さらに、福島県浪江・小高原発、高知県窪川原発、新潟県巻原発、和歌山県熊野原発、宮崎県串間原発など多くの原発計画を阻止してきた。
 建設が強行されたとは言え、宮城県の女川原発反対闘争では1978年8月、女川町漁協の漁業権放棄に対する闘いは、女川原発反対同盟の漁民を先頭に宮城の青年労働者たちが漁協総会開催を阻止するピケットを張り座り込むなどした。新潟県柏崎刈羽原発反対闘争も青年労働者はともに闘った。
 日本初の原子力船「むつ」の母港(青森県むつ市・大湊港)出港を地元漁船が取り囲むなどして原子力船政策を断念に追い込んだ闘い、漁民を先頭にした青森県六ケ所村の再処理工場反対の闘いも重要だ。
 三里塚軍事空港実力阻止、農地死守を闘う三里塚農民との労農同盟の地平を基礎として漁民の闘いから学び、労働者・農民・漁民の連帯を打ち固め、全原発の廃炉へ闘おう。

国と東電に積もる怒り

 トリチウムは有害だ。沸騰水型よりトリチウム放出量が多い加圧水型の九州電力玄海原発直近では白血病死が多発している。桁違いのトリチウムを放出しているフランスのラアーグ、イギリスのセラフィールド両再処理施設周辺でのがんの増加が問題になっている。
 福島第一原発の2号機と3号機で、原子炉格納容器の上ぶたが極めて高濃度に汚染されていることが新たに判明した。人が1時間ほどとどまれば確実に死亡するレベルだという。これで廃炉計画は全面的な見直しを余儀なくされた。このように福島第一原発事故は終わるどころかまさに現在進行形なのだ。
 汚染水海洋放出に反対する漁民や福島県民の怒りに通底するものは何か。それは「基準を守りさえすればいい」と言い張り、問答無用で海洋放出を進めようとする国と東電の姿勢への根本的な批判である。
 そもそも人類史上未曽有の大事故を起こし、政府が認めただけでも広島原爆約168発分のセシウム137(実際はこれをはるかに上回る)などを大量に放出し、福島と全世界の人民に取り返しのつかない多大な被害をもたらしておきながら、それへの反省もなしに大量の放射性物質を放出しようという無責任な姿勢への根源的な怒りである。
 たとえ微量であってもこれ以上放射性物質を環境にばらまくことは許されない。国家、資本の論理ではなく、労働者の自主管理によってしか被曝を最小限に抑え、全原発廃炉を実現していくことはできない。
 実行委員会の呼びかけに応えて3・11反原発福島行動に総決起しよう。
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