焦点 核兵器禁止条約発効 真の核廃絶かちとる力は労働者に

週刊『前進』04頁(3181号03面04)(2021/02/08)


焦点
 核兵器禁止条約発効
 真の核廃絶かちとる力は労働者に


 核兵器禁止条約の批准国が50カ国に達し、核兵器禁止条約が1月22日に発効した。これは、ヒロシマ・ナガサキの被爆者を先頭とする全世界の労働者民衆の核兵器への怒りと不屈の闘いが生み出した成果である。

被爆者に敵対深める菅

 ヒロシマ・ナガサキの被爆者、全世界の労働者民衆の核兵器への怒りが核保有国を追いつめている。しかし「条約」で核兵器は廃絶できない。なぜなら戦争と核軍拡の原因は、崩壊的な危機を深める帝国主義とスターリン主義の体制そのものにあり、その延命をかけた経済的、軍事的な争闘と対立にあるからだ。今の帝国主義とスターリン主義の支配が続く限り、世界戦争・核戦争は不可避だ。
 そして実際にも今、戦後世界体制が崩壊を深め、米中対立をはじめとする争闘戦、国家間対立が激化し、戦争の危機が日々深まっている。米中の経済、政治、軍事にまで至る激突は、米中の核兵器をはじめとする軍事力をますます増大させている。軍備増強の動きはロシアもEU(欧州連合)も日帝も同じだ。こうした情勢下で核兵器禁止条約は発効したが、米帝(バイデン新政権)や英・仏・中・ロ・北朝鮮・イスラエルなどの核兵器保有国はこの条約に参加しようとしないし、絶対に核を放棄しない。
 日帝・菅政権は「唯一の被爆国」と称しながら、この条約に参加しないどころか、改憲を強行し、敵基地攻撃能力保有から核武装もたくらんでいる。被爆者の怒りと闘いに最も敵対している者こそ菅政権だ。
 全世界の労働者民衆の団結で帝国主義とスターリン主義を打倒した時、初めて核も戦争もない社会をつくりだすことができる。

核も原発も共に廃止を

 しかし発効した核兵器禁止条約には大きな問題がある。
 この条約は前文で「この条約の規定は、無差別に平和的目的のための原子力の研究、生産及び利用を発展させることについての契約国の奪い得ない権利に影響を及ぼすものと解してはならない」とあり、被曝を拡大する原発開発を全面的に容認しているのだ。
 原発開発と核兵器開発は完全に一体である。そもそも原発は、平時において核開発を継続し、その製造能力を保有するものとして歴史的にも開発されてきた。福島第一原発事故という史上空前の原発事故を起こしながら、菅政権が内部被曝を認めず、「グリーン」などと称して原発を維持し、再稼働から新設までしようとしているのも、核武装を策動しているからだ。核兵器廃絶闘争と反原発闘争は、完全に一つである。核兵器の廃絶のためにも、福島原発事故への怒りを新たに反原発闘争を闘っていくことが求められている。
 コロナ感染が拡大し、世界経済が崩壊を深め、失業と貧困、戦争への動きが広がる中で、全世界の労働者民衆が1930年代の階級闘争を想起するような新たな決起を各地で開始している。そうした新たな時代の激動の中で、全ての核と原発をなくす闘いへと進んでいこう。闘いはこれからだ!
 今こそ核兵器も原発もなくすための新たな運動を全力で闘っていこう。ヒロシマ・ナガサキ・チェルノブイリ・フクシマをくり返すな! 全世界の労働者民衆は団結して闘おう! 改憲と核武装を狙う菅政権を倒そう! 福島原発事故から10年目の3・11反原発福島行動に全国から集まろう。
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