市東さんの農地を奪うな 新カラーリーフを活用し「最高裁署名」を集めよう

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週刊『前進』04頁(3182号03面03)(2021/02/15)


市東さんの農地を奪うな
 新カラーリーフを活用し「最高裁署名」を集めよう


 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんに対する農地取り上げ強制執行を阻む請求異議裁判は、いよいよ最高裁での闘いに入った。この決戦を闘いぬき農地を守るための、「最高裁署名」と「担保保証金カンパ」を提起する反対同盟のカラーリーフレットが完成した(写真)。
 成田空港会社(NAA)が奪おうとする市東さんの畑は1万3000平方㍍で、耕作地の73%に及ぶ。3代100年耕し続ける農地は市東さんの「命」に等しい。市東さんは完全無農薬有機農業で安全・安心な野菜を栽培し、消費者に産地直送で届けることに誇りを持ち、日々額に汗して働いている。
 昨年12月の控訴審不当判決に対し市東さんは、「日本農民の耕す権利がかかっています。天神峰で畑を耕し続ける気持ちは変わりません」と決意を表した。
 「農地を奪うな!」とこれまでに集めた署名や要望書は、延べ10万筆を優に超える。裁判所はその声に耳を傾けることなくNAAの違法を不問に付し、「公共性」を振りかざし国策に追随してきた。こんなデタラメは通用しない。
 安倍政権の観光立国政策のもと、「2030年に外国人観光客数6千万人」という途方もない目標が掲げられ、航空需要が右肩上がりで増えると宣伝されてきた。だが新型コロナであっという間にバブルが弾け飛んだ。航空需要は元には戻らない。商業誌の「空港廃港危険度ランキング」で、成田空港が第2位に挙げられている(1月23日付週刊ダイヤモンド。1位は関西国際空港)。
 「市東さんの畑をすぐにでも取り上げ、への字に曲がった誘導路を直線化する」とのNAAの主張は、「緊急性」も「正当性」も完全に失われた。
 だがNAAの田村明比古社長は、年頭のあいさつで「空港機能強化を最優先課題として取り組む」と言い張った。農地強奪に突き進むNAAは、「命よりカネ」が支配する新自由主義社会の象徴だ。成田に田村の思い描く未来などない。市東さんの農地を守る署名運動は、新自由主義にノーを突きつけ、社会を変えていく最先端の闘いだ。
 三里塚55年の不屈の闘いは、敵権力を追いつめている。「戦争反対、軍事空港阻止」を掲げ、労農連帯・国際連帯を貫き、沖縄や福島とともに「国策」と対決してきた三里塚闘争の勝利は、戦争と改憲に突き進む菅政権を打倒する道だ。
 全力で最高裁署名を集め、強制執行阻止の大運動を巻き起こそう。上告審闘争中に強制執行をさせないため、担保保証金カンパを全力で集め、あらためて最高裁での停止決定をかちとろう。
 周辺住民とともに空港機能強化粉砕・第3滑走路建設阻止を訴える3・28芝山現地闘争に集まろう。

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