菅打倒へ女性の怒りの大行動を 腐敗と利権、命切り捨ての東京五輪は即時中止しろ! 国際婦人デー闘争を闘い3・11福島へ

週刊『前進』04頁(3183号01面01)(2021/02/22)


菅打倒へ女性の怒りの大行動を
 腐敗と利権、命切り捨ての東京五輪は即時中止しろ!
 国際婦人デー闘争を闘い3・11福島へ


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 東京五輪組織委員会会長の森喜朗による女性蔑視の暴言とその後任人事をめぐる混乱は、コロナ禍でなおもオリンピック強行にしがみつく菅政権と日本帝国主義の腐り切った姿をさらけだした。こんな連中をこれ以上のさばらせてはならない! 3月8日は国際婦人デーだ。全国で女性の怒りの大行動に立とう。さらに3・11反原発福島行動を闘い、オリンピック中止、菅政権打倒へ突き進もう。

日帝の本質示した森発言

 森の女性蔑視・差別発言を絶対に許さない! 森を擁護した東京五輪組織委員会は即刻解散しろ! 腐敗と利権にまみれ、菅や東京都知事・小池らによる政治支配の手段に転落して腐臭を放つ東京オリンピックはもはや、直ちに中止以外にない! これが圧倒的な女性の声であり、全労働者民衆の声だ。
 〈コロナ×大恐慌〉情勢下で膨大な数の労働者人民が生きるか死ぬかの状況に置かれている中で、一切の矛盾をしわ寄せされて最大の犠牲を強いられてきた女性労働者・女性大衆の中から、根源的な怒りが噴き出している。当初は形だけの「謝罪」で居直りと居座りを決め込んでいた森を辞任に追い込んだのは、この激しい怒りの噴出だ。
 今や、森の後任人事をめぐって五輪組織委員会と菅政権、日帝支配階級全体が大混乱に陥り、絶望的な危機にのたうち回っている。森と菅が安倍や小池らとも共謀して次期会長に指名した川淵三郎も、「森は気の毒」「森を相談役に」との火に油を注ぐ発言で即座にふっとんだ。こうした醜態が国際的にも批判を浴びる中、元経団連会長の御手洗冨士夫を座長に、女性の抜擢(ばってき)による五輪委の組織再編という必死の取り繕い策動が展開されている。だがそれで事態の収拾など絶対にできない。
 森発言が示したものは、森と森を擁護する連中の個人的な腐敗と反動性にとどまらない。暴かれたのは、この国の支配階級である日帝ブルジョアジーそのものの腐りきった姿だ。なぜこんな差別発言が公然と横行するのか。日本の女性の社会的地位が「世界で最低レベル」とされているのはなぜなのか。後発帝国主義として世界に登場した日帝が、前近代的な天皇制・天皇制イデオロギーに頼る以外にその国家支配を形成・維持できなかったという、日帝のもつ根本的な脆弱(ぜいじゃく)性と凶暴性がその根幹にある。
 今日、資本主義・新自由主義のもとで膨大な数の女性が「安価で使い捨て可能な労働力」として労働現場に引き出され、徹底的に搾取されている。この搾取は同時に、家事・育児・介護などが無償労働として女性に差別的に強制されることを土台に成り立っている。これが資本主義における賃金奴隷制(労働者階級への階級支配)の基礎にある。
 この女性への搾取と抑圧を新自由主義が極限まで推し進める中で、このままでは死んでしまう、もう我慢できないという叫びと決起が全世界で始まっている。これを抑え込むために欧米などの帝国主義は、「ジェンダーフリー」「ダイバーシティ(多様性)」などと称して女性の一部を支配階級の側に積極的に取り込むことで乗り切ろうとしてきた。だが世界でも最悪の男尊女卑・家父長制イデオロギーを体現する天皇制をかつぐ日帝は、そうした方策を全面的にはとれない。むしろ安倍や菅、森らは逆に天皇制極右勢力の組織的支持に依拠して国家権力の中枢を握り、「日本は天皇を中心とする神の国」(森)などという天皇制賛美のイデオロギーをまき散らしてきたのである。これを根底から粉砕し打倒しつくさない限り問題の解決はない。
 森発言と森を擁護する者を断じて許さず、権力の座から一人残らずたたき落とそう。大多数の女性を一層の非正規職化と過労死、貧困、家庭崩壊の地獄に突き落としながら、一部のエリート女性を権力の一角に取り込むことで「女性活躍」と称するようなペテンはもう通用しない。日本の女性労働者・女性大衆こそが世界の最先頭で、社会の根底からの変革と全ての労働者階級人民の解放を求めて立ち上がろう。女性の怒りを今こそ行動に! 1917年ロシア2月革命の口火を切った3・8国際婦人デー(ロシア暦2月23日)の女性労働者のデモに学び、今年の国際婦人デー闘争を全女性の怒りの総決起の日として闘おう。

五輪強行にしがみつく菅

 菅政権と日帝ブルジョアジーは、この期に及んでオリンピック強行になおも血眼になっている。コロナ感染対策の破産と医療崩壊の恐るべき進行、労働者人民の命と生活が危機にさらされている現実は無視したまま、五輪には最優先で多額の追加国家資金を投下するとしている。しかも五輪実施のために、医療労働者を1万人規模で医療現場から引きはがして動員する計画さえ立てている。菅は「コロナに打ち勝った証しとして五輪を開催する」とまでほざいている! これ自体があまりに犯罪的だ。この一点をもってしても、オリンピックは直ちに中止、菅政権は打倒以外にない。
 菅政権はなぜここまで五輪にしがみつくのか。五輪に伴う巨額の利権で彼ら支配階級が私腹を肥やすことも一つの理由だ。だがそれだけではない。安倍前政権も菅政権も、東京五輪を改憲・戦争攻撃への労働者人民の国家主義的動員の手段として位置づけ、最大限に利用してきた。その狙いは何よりも「復興五輪」の名のもとに、2011年に起きた3・11東日本大震災と福島第一原発のメルトダウンという空前の核惨事を「全て終わったこと」にしてしまうことにある。そして原発再稼働と日帝自身の核武装を含む大軍拡に必死に突き進もうとしているのだ。
 実際に、高濃度汚染地域への住民の帰還の強制や、福島第一原発の直近を走る常磐線の全線開通が五輪開催を最大の口実にして強行された。だが今、2月13日の深夜に福島と宮城を震度6で直撃した大地震が再び発生し、原発事故は終わっていないどころか新たな核惨事の発生や放射能汚染の一層の拡大につながる危険が依然として続いていることが突きつけられた。
 菅政権の語る「復興」は完全なまやかしであり、今なお命を守る苦闘の真っただ中にある福島県民を丸ごと切り捨てる攻撃だ。徹底的に断罪し、菅を打倒しよう。3・11反原発福島行動の呼びかけに応え、原発事故から10年目を迎える福島現地の渦巻く怒りと結合する闘いをやりぬこう。

医療労働者先頭に闘おう

 国際婦人デー闘争と3・11福島行動の成功を新たな起点に、菅打倒の3月総行動に立とう。3・21「スガ倒せ!いのち守れ!」を掲げた改憲・戦争阻止!大行進集会と銀座デモ(要項4面)に総結集しよう。3・28三里塚・芝山現地闘争を闘おう。
 この3月行動は、コロナ下での大量解雇と賃下げ、総非正規職化の攻撃に真っ向から立ち向かう21春闘への決起と完全に一体だ。核心はあらゆる職場に労働組合の闘いをよみがえらせること、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりだすことだ。そしてこの労働組合の団結を軸にあらゆる人々の「生きさせろ!」の闘いを一つにつなぎ、日帝ブルジョアジーの政治支配を実際に覆す巨大な力へと発展させていくことだ。
 医療労働者を先頭とする女性労働者の根源的な決起の開始はその突破口をすでに開き、全労働者の心を揺さぶり、勇気と希望を与えている。新自由主義のもとで徹底的に抑圧されてきた女性が変革の主体となって立つ時、山は動き、情勢は一気に変わることがそこに示されている。日本の労働運動と階級闘争全体の未来をかけて、圧倒的な女性労働者、非正規職労働者の新たな決起をかちとり、女性の総反乱をつくりだそう。
 3月行動の爆発でオリンピック強行に最後のとどめを刺し、菅を退陣に追い込もう。3兆円のオリンピック予算は全て医療現場と労働者の失業・貧困対策に回せ!
 全世界での闘いに続き、日本の地からプロレタリア世界革命への新たな前進を切り開こう。

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