ワンマン化と闘う動労千葉 安全と地域の破壊許すな

週刊『前進』04頁(3185号02面03)(2021/03/08)


ワンマン化と闘う動労千葉
 安全と地域の破壊許すな


 動労千葉はJRダイヤ改定時の3月13日、ストライキを含む闘いとして春闘第1波闘争を構えている。
 このダイヤ改定で、JR東日本は千葉支社管内では内房線、外房線、鹿島線にワンマン運転を導入する。動労千葉はワンマン運転導入阻止を掲げて、3月13日、館山市内で総決起集会を開く。
 車掌をなくして運転士1人に全責任を負わせるワンマン化は、鉄道の安全を徹底的に破壊する。事故や車両故障、災害時に、運転士1人で対応することは不可能だ。房総地域ではここ数年、鹿やイノシシなどと列車との衝突が格段に増えた。ワンマン化されれば、その処理も運転士が1人で行わなければならない。また、これらの事態が起きた時、状況を乗客に説明しなければならないが、列車の安全を確保しつつ、乗客と対応することは困難だ。

「交通権」奪う攻撃

 ワンマン化は地域の住民から「移動の自由」「交通権」を奪う。内房線は君津以南、外房線は上総一ノ宮以南がワンマン化される。そのため君津や上総一ノ宮で列車の運行は分断され、千葉への直通列車は大幅に減る。乗客は君津や上総一ノ宮で乗り換えなければならない。これは特に障害を持つ人には深刻な問題だ。
 動労千葉と連携してローカル線切り捨て反対の運動を続ける「内房線と地域を守る会」の勉強会報告集には、障害者やその家族の次のような悲痛な訴えが掲載されている。
 「駅の階段の上り下りができないので電車には乗らない」「乗り換え時間が少ない。駅員の介助で間に合ったが、ワンマン運転になったらどうなるか不安」「駅にエレベーターもエスカレーターもホームドアもない。知人の障害者は線路に転落してしまった」「ダイヤ改定で乗り換えが必要となり、一人で出かけることができなくなった」「列車が止まってアナウンスがあっても聴覚障害者には聞こえない。いつまで待てばいいのかも、どこで乗り換えたらいいのかも分からず置き去りにされる」
 こうした切実な訴えに、JR内の労働組合としてなんとしても応えようと、動労千葉は立ち上がろうとしている。それは、利潤優先で安全を解体する資本の攻撃を許さない反合理化・運転保安闘争でもある。

大合理化の突破口

 JRはワンマン化の理由を沿線自治体などには「乗務員が足りなくなるため」と説明している。これは大うそだ。
 2月1日、JR千葉支社は「ジョブローテーション」の名で運転士・車掌17人に異動を強いた。うち13人が駅への配転だ。乗務員が足りなければ、こんな配転をするはずがない。
 JRは昨年4月、運転士や車掌という職名を廃止した。そして、乗務員に戻れる当てのない配転を強制することで、労働者を資本の意のままにできる存在に変えようとしている。これは「労組なき社会」づくりの攻撃そのものだ。
 駅も次々と外注化されている。JRはいずれは、運転士や車掌を外注化された駅に配転し、そのまま外注先に転籍させることさえ狙っている。車掌の削減を伴うワンマン化は、JRが強行しようとたくらむ合理化の突破口に位置する。
 動労千葉はこれと全力で闘うことによって、こうした攻撃に職場から抗議の声を上げることができる状況をつくり出そうと必死に努力している。
 3月13日の館山での総決起集会に集まろう。

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3月ダイ改・ワンマン運転拡大反対!
 3・13動労千葉総決起集会
 3月13日(土)午後1時30分
 館山商工会議所ホール (千葉県館山市八幡821)

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