職場からの通信 青年労働者と共に闘う 情報通信 福島

週刊『前進』04頁(3185号03面03)(2021/03/08)


職場からの通信
 青年労働者と共に闘う
 情報通信 福島


 菅政権はデジタル庁の設置と全省庁・地方自治体のデジタル化、携帯電話料金の引き下げを打ち出しました。そして2020年9月、NTTがNTTドコモを完全子会社化。5G(第5世代移動通信システム)のインフラ整備で中国のファーウェイが席巻する中、「世界でたたかえる体制づくり」を狙い、さらに「5Gの次世代となる6G技術で世界の主導権を奪回する」として「6G」を見据えた通信基盤を推進していくとしています。
■労働者なしに成り立たず
 19年4月、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天に5Gの免許が交付されました。楽天が新規事業者として名乗りを上げましたが、通信設備建設の経験がなく、楽天の基地局整備は遅れに遅れました。
 日本の情報通信関係の労働者は400万人といわれます。IT技術も5Gも基地局工事も現場の労働者の存在なしには成り立たないのです。
 基地局の工事の大半は「第2のNTT」と言われる通信建設大手3社が担っています。菅政権のデジタル化推進の下で、20年4月からのドコモの5G工事に加えて、21年9月からは楽天の工事をNTTの子会社であるNTT―MEなどが付帯工事や開通工事を行うことになりました。
■人員が不足し事故が頻発
 NTTがこれまで進めてきた分割・再編、50歳退職・再雇用、11万人首切り・子会社化の結果、熟練労働者が辞めていきました。現場は枯渇状態になり、少ない人員で毎日、「事故と隣り合わせの突貫工事」を行っているのが現状です。予期せぬ事態に呼び出されることが多い上、納期が短くされ低コストが求められて残業や休日出勤が非常に多くなっています。
 私の職場では世代交代で30代の青年が労組書記長や職場委員となって「慢性的な人手不足と時間外労働や休日出勤が多くなっている現状の実態調査」を始め、春闘に向けた職場集会が久しぶりに開催されました。携帯電話の基地局工事では全国的に青年労働者の落下死亡事故が頻発しており、人身事故の防止と労働条件の改善、「2%賃上げ要求と安全労働」が要求に挙げられています。
 連合やNTT労組中央は現場の闘いを裏切って抑制したり、圧力的指導が来るのは間違いありません。しかし現場から原則的闘いを積み上げて階級性を取り戻していくことはできる。青年労働者と一体で労働組合の闘う団結をよみがえらせ、階級的労働運動をつくり出すことが本当に求められています。3・11反原発福島行動の成功をかちとりましょう。
(渡辺馨)

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