労働組合こそ社会を変える力だ 動労千葉48時間ストに続き、21春闘勝利・菅政権打倒を ミャンマー人民と連帯しよう

週刊『前進』04頁(3187号01面01)(2021/03/22)


労働組合こそ社会を変える力だ
 動労千葉48時間ストに続き、21春闘勝利・菅政権打倒を
 ミャンマー人民と連帯しよう


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 国軍クーデターに対するミャンマー人民、労働者階級の命がけの闘いが続いている。ともに闘おう。一握りの人間のために圧倒的多数の人民が犠牲にされる現実は日本も同じだ。コロナ禍で女性の失業や自殺が急増している。政府は、東京五輪に3兆円もの税金を投入しながら、十分な補償もせずに緊急事態宣言を繰り返し、労働者を苦しめている。一体この国のどこに民主主義があるというのか! この腐りきった社会を変えるためには、労働運動の現実を変えることだ。労働者は資本との日常的な闘いを通して自らの持つ力に目覚め、職場や地域をこえて団結し、社会を変えるための主体的な力を形成することができる存在だ。

燃え上がる労働者の怒り

 菅首相の長男が勤める放送事業会社が総務省幹部に高額な接待を行っていたことに続き、NTTが当時総務相であった野田聖子自民党幹事長代行や高市早苗衆院議員、現職の武田良太総務相らを接待していたことが明らかとなった。菅が進める「デジタル社会」の先頭に立っているのが総務省とNTTだ。「デジタル化」とは全産業での徹底した合理化と、全個人情報の国家・資本による一元的管理の推進であり、労働者の低賃金化・非正規職化をいま以上に進めるものだ。労働者を犠牲にして生まれる膨大な利益に群がっているのが菅政権であり、彼らが守っているのも一握りの資本家の利益ではないか!
 日本の労働者も女性たちも、もう黙ってはいない! 3月8日に大阪府高槻市で、高槻医療福祉労働組合の看護師たちが待遇改善を求めてストライキを決行した。コロナによる経営難を理由に一時金が削減され離職者が相次いでいることに対し、同労組は「地域医療を守ることと医療労働者を守ることは一つだ」と訴えている。また、首都圏の自治体では、人員不足によって保健師たちが深夜に及ぶ長時間労働を強いられていることに対し、職員の有志によって「保健師を休ませろ」との市長への申し入れが闘われた。さらに、首都圏の特養老人ホームで働く看護師は、職場で署名を集め、コロナで休業となった職員全員が労災申請を行うことを法人に認めさせ、100%の賃金補償を勝ち取っている。
 ハローワークの相談員である非正規労働者たちが、3月末で大量に雇い止めされることに反対して立ち上がったことも報道された。コロナによる倒産、廃業に伴う解雇、非正規職の雇い止めなど、特に女性労働者の失業は、単なる業績低迷や経営不振に伴う一般的現象ではない。公的部門の民営化や業務の外注化、それに伴う非正規職化を核心とする新自由主義の攻撃と、何よりも攻撃に立ち向かうことができないでいる労働組合運動の後退によって生じている問題だ。

地域と結合する労働運動

 アメリカのBLM運動、韓国の「ろうそく革命」、香港やミャンマーでの圧制と闘い民主主義を求める闘いなど、社会の根底的変革をめざす闘いの発展には労働組合の存在と闘いが大きく関与している。資本主義社会に対抗する労働者の大衆的な力として労働組合が存在していることを世界の闘いは示している。
 しかし、これほど社会に激しい階級対立が存在しているにもかかわらず、日本では労働組合が労働者にとって最も大切なよりどころだということ自体も見えなくされている。
 この現実を根底から変えることだ。職場から声を上げ、闘いを開始すること、この中から日本の労働運動をよみがえらせることは絶対にできる。
 3月12〜14日、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は48時間のストライキに立ち上がった。13日のダイヤ改定でJR千葉支社が内房線、外房線、鹿島線でワンマン運転を強行したことに反対するストライキだ。ワンマン化は運転士一人にすべての責任を押し付け、労働強化を強い、鉄道の安全を破壊する攻撃である。それと同時にワンマン化は、将来、廃線にすることをも見据えた地方切り捨ての攻撃でもある。内房線沿線住民、特に体に障害を持つ人たちから、ワンマン運転が引き起こす様々な問題に深刻な意見が相次いで出され、「ワンマン運転導入の中止を求める署名」が館山市や鴨川市、南房総市など地域を挙げて取り組まれてきた。今回の動労千葉のストライキは、こうした地域住民の怒りと広く、深く結びつく形で闘われた。
 動労千葉は、国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き、今もJRの責任を追及して闘い続け、駅の無人化につながるJR業務の外注化にも約10年にわたって絶対反対で闘ってきた。動労千葉は新自由主義攻撃の核心をなす民営化や外注化と闘うことを通して、地域や社会の課題を自らの課題として闘っている。
 また、船橋二和病院労組や東京の一陽会労組、高槻医療福祉労組などコロナ下に闘われたストライキは、「もうける医療」による現場への合理化を許さないことと、行政によって切り捨てられてきた医療を社会保障として取り戻すことを一つの課題にして闘い、職場の労働者だけでなく、患者や地域住民からも多くの支持を得た。労働組合が自らの労働条件の問題だけでなく、社会全体が直面する課題を自らの闘いとした時、階級的な役割を現に果たすことができる。新自由主義が社会を崩壊させ、コロナによってその現実が暴かれた今、動労千葉や医療・介護労働者の闘いは、日本の労働運動が進むべき普遍的道筋を示している。

関生支部への弾圧粉砕を

 いまひとつ、関西生コン支部への弾圧を打ち破る闘いは日本の労働運動の再生をかけた重大な闘いだ。昨年の秋以降、大阪地裁や京都地裁で「事件」に対する反動判決が次々に出されている。組合のストライキが「威力業務妨害」とされ、非正規労働者の正社員化要求や保育園に提出するための就労証明を会社に求めたことが「強要」の実行行為だとされて、関西生コン支部の組合員に懲役刑が言い渡されている。憲法や労組法という形で勝ち取られてきた労働組合活動を刑事弾圧によって否定し、「労働組合のない社会」をつくり出そうとする極反動の判決だ。全国に支援運動をつくり、反撃を組織しよう。
 何よりも職場から闘いに立ち上がることだ。3月は36協定締結などで職場代表選挙が行われる職場も多い。職場代表選は職場の不満や怒りを組織する契機にもなる。また、4月からは「同一労働・同一賃金」が中小企業にも適用される。職場代表選などをきっかけに、春闘の取り組みを労働組合として提起し、職場の声をまとめて要求し、団体交渉を行い、非正規労働者の賃上げや労働条件の改善を求めるなど、闘いをつくり出していくチャンスだ。
 2月に開催された全国労働組合交流センターの定期総会で、関西生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組から共同代表が新たに選出され、11月労働者集会が呼びかけた「闘う労働組合の全国ネットワーク」づくりが本格的に始まった。この過程で革共同は第27回全国委員会総会を開催し、3労組の闘いに学び、コロナ下での職場・地域における必死の格闘を総括する中から、左翼空論主義を乗り越え、「新自由主義と対決し、資本主義を打倒する階級的労働運動をつくり出すことは可能だ」という確信をつかみ取ることができた。
 新たな時代を切り開き、新しい社会をつくることができるのは労働者の団結した力だ。21春闘から5・1メーデーへ! 階級的労働運動を力強くよみがえらせ、菅政権を打倒しよう。

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