菅政権の暴挙を許さない 福島の農民が怒りのアピール

週刊『前進』04頁(3191号04面03)(2021/04/19)


菅政権の暴挙を許さない
 福島の農民が怒りのアピール


 4月13日、菅政権は福島第一原発の汚染水海洋放出の決定を、多くの反対の声を踏みにじって強行した。ずっと以前から漁民をはじめ福島県民、全国の人々、さらに韓国・中国など海外からも反対と抗議の声が高まっていたにもかかわらずである。この暴挙を断じて許すわけにはいかない。
 菅は「専門家の意見による結論」などと言うが、ふざけるな。「専門家」による会合では海洋放出以外の方法はろくに検討されて来なかったことが暴露されている。「トリチウムは安全」も全くのデタラメだ。トリチウムの危険性は多くの学者から指摘されている。トリチウム以外の放射性核種も除去できず残っていることも明らかとなっている。
 そもそも10年前の原発事故の時もそうだが、その後の10年間を見ても政府・東京電力の言う「安全」など全く信用ならない。ごく最近でも福島第一原発では地震計が壊れたままであったり、放射性廃棄物が入ったコンテナ4千個の中身が分からないことが判明した。
 何より漁民はこの10年、試験操業で苦闘し、本格全面操業に向けこの4月に大きく踏み出したところだ。その矢先にこんなひどい話があるだろうか。私たち農民もこの10年、田畑・果樹などの除染、検査など大変な苦労を積み重ねてきた。こうした努力をすべてないがしろにする今回の暴挙に怒らずにはいられない。
 三里塚では市東孝雄さんの農地を奪おうとし、沖縄では辺野古の軍事基地の建設を強行している。人々の反対の声を踏みにじり、力ずくで政府・資本家たちの利益を追求する姿勢は全く同じだ。
 今、ミャンマーの人々は国軍による銃撃に対してもひるむことなく命がけの闘いを連日闘い抜いている。圧政を許さず権力者に抗議する闘いは今や全世界で闘われている。時代は大きく動いている。勇気と希望をもってこうした闘う世界の人々とともに、福島そして全国で怒りと抗議の声を上げ闘っていこう。
 原発汚染水の海洋放出決定強行許すな!
(福島 農民・柳沢幹男)
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