すべての青年労働者は5・1メーデーへ 今こそ労働組合の力を 私たちを使い捨てるな! 新自由主義の菅を倒そう

週刊『前進』04頁(3192号01面01)(2021/04/26)


すべての青年労働者は5・1メーデーへ
 今こそ労働組合の力を
 私たちを使い捨てるな!
 新自由主義の菅を倒そう

(写真 「非正規だけの社会にさせない」と闘う動労千葉。JR子会社・CTS本社前で春闘行動【4月8日 千葉市】)


 私たちはすべての青年労働者に訴えます。5月1日、メーデーは「労働者の日」です。私たち労働者が自分たちの生活と誇りを取り戻すために、「みんなで束になって声を上げる」日です。5・1メーデーの闘いに立ち上がり、一緒に声を上げよう。
マルクス主義青年労働者同盟

8時間労働制の実現へ!

 「8時間は労働のために、8時間は睡眠のために、残りの8時間はわれわれの自由に!」----メーデーの始まりとなった闘いのスローガンです。1日12〜14時間勤務が当たり前だった状況を変えるために、1886年5月1日、アメリカ・シカゴの労働者たちは統一ストライキに立ち上がりました。闘いは困難でしたが、最終的には8時間労働制の実現までたどり着きました。ここから労働者の闘いの日としてメーデーが世界に広がりました。
 この闘いの課題は決して過去の時代のものではありません。今日でも非正規職労働者は、「低賃金で長時間や夜間に働かなければ生活できない」「いつ都合よく解雇されてしまうのか」という状況に置かれています。正社員でも、人員削減や合理化で長時間労働を強いられ、「いつか過労死する」ような職場が当たり前のように広がってきました。その中でコロナ禍が襲い、多くの労働者が休業や失業を強制されて生きるすべさえ奪われると同時に、病院や保健所では感染の危険の中で激務を続けざるを得ない状況が生まれています。
 たしかに法律には、「1日に8時間を超えて労働させてはならない」と書き込まれています。しかし、さまざまな「例外」や「抜け道」が設けられています。たとえ違法行為であっても、職場に行けば「超勤も長時間労働も当たり前」「事実上、過労死するまで働かせていい」という現実が〝既成事実〟のように横行しています。
 誰がこの現実を変えるのでしょうか? 歴史は、私たち労働者自身が職場から声を上げ、行動に立ち上がることからすべてが始まることを教えてくれています。そして、実際に現状を変える力があるのも、職場で日々働いている私たち労働者です。なぜなら社会が成り立つのも、人間が生活していけるのも、企業が利益を上げていることも、すべて現場で働く労働者がつくり出しているからです。

コロナが暴き出した真実

 コロナ禍で、医療や介護、運送や交通、小売店、清掃などで働く人たちは、「エッセンシャルワーカー」とも呼ばれるようになりました。感染の危険があっても仕事を止めるわけにはいかず、職場に出て働き続ける労働者たちです。そういった労働者たちがどれほど大切な存在かをすべての人が実感し、「社会にとって必要不可欠な存在だ」と誰もが認めるようになりました。その多くは、これまで軽んじられ、劣悪な労働条件で働かされ、真っ当な扱いを受けてこなかった労働者たちです。
 ところが「必要不可欠」なはずの労働者の扱いが改善したわけではありません。2018年時点で全世界の超富裕層26人が持つ資産が世界人口の約半分、38億人の資産より多いと言われていました。その後、コロナ下で進んだことは、苦境にあった人がさらに追い詰められ、ほんの一握りの大金持ちだけがボロ儲け(もうけ)するという現実です。政府も企業も、「利益を上げ続けることがすべて」だからです。
 この凄まじい格差が可能になったのは、企業が現場の労働者を都合よく使うことが出来たからです。ある時は、低賃金で長時間、徹底的に働かせて生き血をすするように利益を上げる。そして搾れるだけ搾ったら使い捨てる。これが「新自由主義」と呼ばれる社会の姿です。私たち青年労働者は、生まれた時からこの新自由主義の中を生きてきました。「自分がいかに企業のためになるか」「利益を上げるのに役立つか」を必死に競い合わされてきました。正社員になれないのも、低賃金なのも、首を切られるのも、過労死するのも「自己責任」だとされてきました。
 そう言って偉そうにしてきた連中は何をやっているでしょうか? コロナ禍で叫ばれる「医療崩壊」は、「すべてを民営化して市場原理に委ねれば効率化されてうまくいく」と、社会のあらゆる公的部門を金儲けの道具にしてきた結果です。感染症対策のような「儲からない医療」は切り捨てられ、公立・公的病院は民営化、統合され、医師や看護師の人員は削減され続けてきました。だから日本は世界的にもベッド数が多いとされるにもかかわらず、医療崩壊に行き着いたのです。
 コロナ禍は新自由主義がいかに社会を破壊したかを明らかにしました。しかし菅政権は医療崩壊を招いた「仕組み」を見直そうともしません。コロナ下にもかかわらず全国440の公立・公的病院の統合・廃止が推進されています。責任を取るどころか逆にコロナに便乗してもっと新自由主義を進めるというのです。こんなことはもうたくさんだ!

束になって声を上げよう

 そもそも、こんな社会のあり方は「当たり前」でも、「仕方がないこと」でもありません。鍵を握っているのは労働組合です。
 この40年ほどの間に世界を席巻してきた新自由主義は、「企業の金儲けの自由」のために国家ぐるみの暴力的な攻撃によって推し進められました。その最大の焦点は、労働組合の力をいかに解体するかでした。現場を握っている労働者が団結して、自分と仲間のために声を上げて闘う----それが、「金儲けの自由」にとって最も障害になるからです。
 日本において新自由主義が本格的に開始される出発点となったのは、1987年の国鉄分割・民営化でした。国有鉄道は7分割して民営化され、JR各社が発足しました。国鉄分割・民営化を行った当時の首相・中曽根は「これは国家改造計画だ」「国労を潰して総評・社会党を解体する」と語りました。当時の労働運動全体の〝屋台骨〟だった国労を攻撃して、日本の労働運動全体を解体しようという攻撃でした。
 これを機に、日本の労働運動は後退し続けていきました。社会的な力関係は大きく転換し、2千万人を超える非正規職労働者が生み出されました。私たち青年労働者が、「競争に勝てないお前が悪い」「自己責任だ」と言われる現状も、この中から生まれたのです。だからこそ、この現実をひっくり返す力も労働組合にあります。
 JRの職場では、言葉の上で「正規と非正規では期待される職務や責任が違う」という形式を作って、格差を正当化・固定化する就業規則改悪が狙われています。実際には非正規職が全ての責任を負って仕事をしなければ回らない職場にもかかわらずです。また、これまで莫大(ばくだい)な利益を上げ続けてきたJR東日本は初めて正社員の定期昇給をカットしました。正社員解体―事実上の総非正規職化に向けて「定期昇給などなくせ」という財界の意向の先頭を走る攻撃です。これが安倍―菅政権のいう「同一労働同一賃金」の正体です。
 コロナ禍で多くの労働者が苦しい状況に追い込まれています。しかしこの惨事を招いた張本人たちは、これに便乗してもっと労働者の権利を破壊しようと狙っています。今ほど労働組合の闘いが求められている時はありません。
 闘いは始まっています。民営化・外注化、非正規職化と闘い続け、JRや外注先の労働者の団結を拡大し、地域にも運動を広げている国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)の闘い。戦後最大の労働運動弾圧と不屈に対決し支援陣形を全国に拡大して、改憲・戦争と労働組合つぶしの攻撃を最前線ではね返している全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の闘い。コロナ禍でいっそう進む医療崩壊に「医療は社会保障だ」を掲げた労働組合のストライキも闘われています。労働組合の闘いが新自由主義に風穴をあけ、労働者の未来を切り開こうとしています。ここに肉薄し続こう。
 メーデーは「労働者の日」です。職場や社会の理不尽に我慢を強いられてきた労働者が束になって声を上げる日です。労働者が誇りと団結を取り戻し、労働組合が闘う力を取り戻すための日です。私たちを使い捨てるな! 分断・競争を打ち破り、生きていけるだけの賃金を! 新自由主義を進める菅政権を倒そう。5・1メーデーに集まろう。

生き抜くために闘おう
MAY DAY
5月1日メーデーは労働者の日、世界共通の行動日
オリンピックやめろ!都立病院つぶすな!
民営化反対!コロナ解雇ゆるすな!スガをたおそう!
■5月1日(土)午後2時 
    【デモ出発】午後3時45分
■東京・すみだ産業会館サンライズホール(JR錦糸町駅南口すぐ、墨田区・丸井共同開発ビル8階)資料代500円
 主催:生き抜くために闘おう2021メーデー実行委員会
 連絡先:東京労組交流センター、合同・一般労働組合全国協議会

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