三里塚第3誘導路裁判 「航空需要は回復しない」

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週刊『前進』04頁(3192号04面04)(2021/04/26)


三里塚第3誘導路裁判
 「航空需要は回復しない」

(写真 4月1日早朝、「空港会社立ち入り禁止」の看板を前に、市東さんの農地を守り抜く決意を表す【天神峰字南台】)

 4月16日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で、第3誘導路裁判が開かれた。
 この裁判では、三里塚芝山連合空港反対同盟が被告の国と成田空港会社(NAA)に対し、B'滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(2010年)という、二つの変更許可処分の違憲・違法性を追及し、B'滑走路の使用禁止、飛行の差し止めを求めている。
 今回、反対同盟顧問弁護団は、国とNAAの主張を徹底的に批判する準備書面を陳述した。
 国は「新型コロナ感染は本件処分後に発生したので、(本件処分が)違法かどうかを判断することには関係ない」と言う。だがそんな言い訳は通用しない。
 処分当初に「適法」「合理的」と思われたことが時間の経過とともに違法性、不合理が現れた時は、最新の状況に対応して許認可が見直されるべきなのだ。
 さらに被告NAAは「航空需要がなくなったのなら差止請求権の根拠もなくなる」と言う。
 まったく本末転倒だ。NAAは今も「航空需要回復に貢献するため」と称して第3滑走路建設を計画し、基本計画の2倍に敷地を拡張しようとし、見通しのない機能強化策に血道をあげ、周辺住民を犠牲にしようとしている。差し止めの必要性は継続している。
 以上のような弁護団の核心を突いた追及の前に、10人以上も並んだ国とNAAの代理人は一言もなく手元に視線を落とすだけだ。次回期日は7月16日。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。請求異議控訴審での反動判決によって、4月1日以降、市東孝雄さんの農地の明け渡し強制執行は、法手続き的には可能な状態になっている。決戦本部長の太郎良陽一さんは、4月1日に反対同盟と支援連で早朝行動に立ち上がったことを報告した。
 そして当面する方針として、5月26日の東京高裁での新やぐら裁判控訴審(霞が関デモと傍聴)への参加を熱烈に呼びかけた。
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