階級的労働運動路線推進し 新自由主義の破綻を革命へ 改憲・戦争阻止!7月国鉄全国集会の成功を

週刊『前進』04頁(3193号02面01)(2021/05/03)


階級的労働運動路線推進し
 新自由主義の破綻を革命へ
 改憲・戦争阻止!7月国鉄全国集会の成功を


 革共同は今年2月、第27回全国委員会総会を開催した。第1報告(総括)、第2報告(情勢)、第3報告(方針)の三つの政治局報告を中心に、2019年9月の26全総以降の闘いを総括し、時代認識と階級的労働運動路線での全党の再武装と団結の形成へ熱烈な討論が行われた。その討論を主導したのは、コロナ禍のもとで「新自由主義と対決し、資本主義を打倒する階級的労働運動は可能だ!」ということを実証してきた、医療福祉産別をはじめとする全国の労働者党員、青年・学生・女性党員である。
 討論をへて、三つの政治局報告と「前進」3181号掲載の「マルクスの階級的労働運動論」(岩谷芳之論文)、昨年5月の中央労働者組織委員会提起「党の再団結のために」が27全総決定文書として採択された。このうち政治局報告と岩谷論文は「共産主義者」208号に掲載されている。全党的な学習と討議を訴えます。また「前進」読者、支持者のみなさんにも学習、検討をお願いします。
 この27全総を土台に、今こそ階級的労働運動路線を全面的に推進し、新自由主義の破綻をプロレタリア革命に転化する闘いをやりぬこう。7月国鉄集会への総結集と関生弾圧粉砕をその突破口としてかちとり、菅政権打倒から改憲・戦争阻止!日帝打倒へ攻め上ろう。

Ⅰ階級的労働運動復権に向けた全党の格闘と27全総の到達点

 27全総の最大の確認は、「資本主義の終わり」というべき革命的情勢の本格的到来に際して、階級的労働運動を通して日本革命と反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命への道を切り開くという、革共同の基本路線を確定したことである。
 「日々深まる革命的情勢を現実の革命に転化する道は、階級的労働運動をとおして労働者階級を自己解放の主体、プロレタリア革命の主体として組織することだ。そこにおける党の目的意識性、マルクス主義の思想・路線の鮮明化と実践こそが問われている」(第1報告)。これは革共同が、カクマル黒田・松崎らと決別し、反スターリン主義を単なる教条ではなく職場生産点において実践的に貫き、日本共産党や社民のもとに置かれている労働者を実際に獲得し、職場細胞を基礎とする地区党建設を本格的に開始した1962年3全総の基本的な考え方である。
 革共同は結党以来60年に及ぶ闘いにおいて、様々な闘いをやり、試行錯誤も繰り返したが、労働者階級自己解放の思想としてのマルクス主義、反スターリン主義・革命的共産主義を絶対に守りぬき、この3全総の原点を国鉄決戦を軸に貫き通してきた。その先頭に立ってきたのが動労千葉細胞だ。
 資本とその御用労組、スターリン主義、社民が支配する職場生産点から労働者階級をプロレタリア革命に向かって組織する闘いは、最も困難な闘いだ。しかしこの困難な闘いをやりぬく以外にプロレタリア革命への道は決して開かれない。そして困難であるからこそあらゆる諸党派はその闘いをあきらめ、労資協調へ、市民運動的なものへ、あるいは小ブル急進主義的なものへと逃げ込む。革共同もその困難さから「血債主義」(労働者階級に対するマルクス主義的信頼の揺らぎ)的傾向を生んだ。しかし、動労千葉の闘い、国鉄決戦において貫かれてきた3全総の原点的思想・路線・実践、その根本にある労働者階級への絶対的信頼が、革共同を絶えずマルクス主義の党、反スターリン主義の党へと引き戻してきた。
 1980年代の国鉄分割・民営化阻止決戦、89年総評解散・連合結成に対する全国労組交流センター運動の挑戦、90年4月国鉄1047名解雇撤回闘争の開始、これらの動労千葉を先頭とした階級的決起を受けて、90年天皇決戦を打ちぬいた革共同は91年5月テーゼ転換を行い、血債主義を打倒した2006年の「党の革命」にいたる労働者党への大変革を進めた。だが、08年リーマンショック・世界金融恐慌以降の新自由主義の崩壊と革命的情勢の加速、一方での10年4・9政治和解による国鉄闘争解体―階級的労働運動絶滅と改憲・戦争攻撃の激化という情勢にあって、党はさらにこれまでにない変革と飛躍を求められた。
 ここで生じたのが15年第7回全国大会的な空論主義であった。それは革命的情勢の切迫ゆえに強まる反動をのりこえ、階級的労働運動を具体的現実的に貫いていくことの困難さからの逃げであった。いかにして4・9政治和解攻撃をのりこえ、国鉄闘争を継続し、日本労働運動再生の道を開いていくべきか。外注化がどんどん進められていくJR職場で、いかにして反合理化・運転保安闘争路線を貫き、外注化阻止闘争をつくりだすのか。こうした実践的課題に真正面から取り組むのではなく、「党の労働組合としての動労総連合1千名建設でゼネスト」というような安易で空論主義的な方針を出し、実際には党が動労千葉を先頭とする階級的労働運動の前進を妨害することになってしまったのだ。
 この空論主義の非実践性、マルクス主義からの逸脱・後退が、党規律の崩壊(女性差別事件)と官僚主義的指導を生んだ。それはまさに革命情勢の到来を前にして起きた「党の危機」であった。この危機を労働者党員を先頭に主体的にのりこえ、階級的労働運動路線を現実に貫くとはどういうことなのかをもう一度自覚的・意識的にすえ直したのが、26全総である。

階級的労働運動の実践内容をつかみきる

 階級的労働運動とは何か。それはマルクス「労働組合、過去・現在・未来」や中野洋著『甦(よみがえ)る労働組合』などで繰り返し確認されてきた通り、「資本家階級と労働者階級の非和解性を明確にし、資本家的支配の打倒をめざして闘われる労働運動」であり、「労働者階級の完全な解放(賃金奴隷制の廃止)をめざして闘われる労働運動」である。だがもちろんそれは、「資本家と労働者は非和解だ」「資本主義を打倒しない限り労働者の解放はない」ということを、現実の労働者が置かれている状況、その意識や感情を無視して教条的に空叫びするような運動ではない。それでは労働者階級と結びつくことはできない。
 階級的労働運動は、労働者階級の完全な解放に向かって、日常的な賃金や労働条件をめぐる闘争、職場闘争の中で、労働者がもつ力を引き出し、自己解放の主体としての階級的自覚と団結をつくりあげることに徹底的にこだわりぬく労働運動だ。今日的には新自由主義の民営化・外注化との闘いを軸にすえた運動だ。26全総は7回大会的空論主義を総括し、この階級的労働運動を職場生産点から現実につくりだしていくことを強力に確認した。
 だが、「資本主義を打倒する階級的労働運動は、7回大会の『党の労働組合』という考え方を復活させるものではないのか」「今日の日本における労働運動の後退、困難な現実においては、職場労働条件の改善しかできないのではないか」という意見が党内の一部から出てきた。それは「二度と7回大会的な空論主義に戻ってはならない」という真剣な総括から出たものだと思うが、やはりそこには階級的労働運動を実践することの困難性から生じた空論主義と裏返しの「屈服」があると言わざるをえない。27全総の核心は階級的労働運動路線で本当の一致をかちとるための提起と白熱的討論にあった。
 階級的労働運動と改良闘争はそもそも対立するものではない。階級的労働運動の基礎中の基礎は職場生産点における資本との闘争、職場闘争である。それは資本の合理化攻撃、賃金や労働条件の改悪、権利侵害、不当労働行為などに反対し「職場労働条件改善」を求める具体的な闘いだ。われわれは誰よりもそうした闘いを真剣に取り組む。そしてどんなに小さな闘いの中にも階級的な視点(労働者階級と資本との非和解的対立)を貫き、労働者階級全体の利益、階級闘争全体の前進を実現する立場と意識性を貫こうと努力する。
 「プロレタリアートの完全な解放をめざすという、この規定性ときりはなしたところで、自立、独立した経済闘争を設定すれば、これは明らかに改良主義に転落する」(本多延嘉著作選第7巻101㌻)。これはマルクス主義者であるわれわれの根本的な立場だ。
 プロレタリア革命をめざす党は、労働者階級の組織化の基軸中の基軸をなす階級的労働運動の最も意識的な推進者でなければならない。そのために党は労働組合との緊密な関係をつくり、現場労働者との日常的な関係を深め、その鋭い意見に学び、ときには厳しい議論もする。こうした実践の中で党は自らの階級性を鮮明にし、マルクス主義を生きた実践的理論としてみがきあげる。その正しさは階級・大衆によって不断に検証されなければならない。こうした階級的労働運動路線の内容とその実践的立場について、26全総とその後のコロナ禍のもとでの実践、そして27全総での討議をへて改めてしっかりと打ち立て直したのである。

労組交流センターの大発展を闘いとろう

 こうして27全総は、革命的情勢の本格的到来に対して、革共同を階級的労働運動路線で強固に再武装、再団結させ、革命情勢を革命そのものへ転化していく全面的実践の決定的ばねとなった。
 2〜4月、春闘から再度の緊急事態宣言下での闘いとなった5・1メーデーにいたる過程において、JR体制の崩壊と分割・民営化以来の大攻撃に立ち向かい21春闘を闘いぬいている動労千葉、コロナ禍のもとでの賃下げ攻撃にストで闘い、都立病院独立行政法人化阻止へ職場・地域の怒りを組織する医療福祉労働者を先頭に、自治体、郵政、教労、民間、合同労組、全国各地の様々な職場生産点からの闘いが前進している。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を粉砕する闘いが、武建一委員長に対する「求刑8年」の実刑攻撃に怒りを燃やし、「本物の労働組合」をつくる運動として広がろうとしている。
 この階級的労働運動が牽引(けんいん)車となって、3・8国際婦人デー行動、3・11福島第一原発事故から10年の反原発福島行動、3・21改憲・戦争阻止!大行進集会・デモ、3・28三里塚闘争(芝山デモ)をはじめとする菅政権打倒の3月総行動の高揚がかちとられた。さらに入管法改悪阻止の闘い、軍独裁との決死の闘いを続けるミャンマー人民との連帯闘争、米中激突情勢下での反戦反基地闘争などが新たな大衆的決起と結びついて闘われてきた。その中で明らかにこれまでとは違う激しい怒りの声が職場・地域に満ち始め、労働者人民、とりわけ青年・学生、そして女性の意識が根底的な変革を求めて大きく動き出している。
 いま何よりも求められていることは、この労働者階級人民の意識の巨大な革命的流動と決起の開始を組織化することである。ここにおいて、2月に動労千葉、関生、港合同の3労組による共同代表体制を確立した全国労組交流センターは、階級的労働運動の決定的な結集軸としてある。この労組交流センターの新体制は、23年にわたる3労組共闘の継続と発展が生みだしたものであり、コロナ下での分割・民営化以来の大攻撃、「労組なき社会」化攻撃、関生弾圧との闘い、現在の情勢との必死の格闘の中から生まれたものだ。
 国鉄分割・民営化―総評解散という日本における新自由主義攻撃の本格的開始に立ち向かおうと結成されたのが全国労組交流センターであった。その新自由主義が音を立てて崩れ始めた今、3労組共同代表体制をもって新たな出発を開始した交流センターは、日本労働運動再生の可能性を内に秘めている。この交流センター運動の発展のために党は総力を結集しなければならない。
 さらにもうひとつの決定的な運動体として、3・21集会で新たな出発点を築いた改憲・戦争阻止!大行進運動がある。〈コロナ×大恐慌〉情勢は階級間の対立を先鋭化させるとともに、米中対決を軸に国家間の対立と争闘を非和解的・本格的に激化させている。4・16日米首脳会談はこれを決定的に促進し、今や中国スターリン主義との軍事的対決・戦争=侵略戦争を構えた日米安保同盟の原理的転換、米軍と自衛隊の一体化が進められ、基地強化・演習激化が沖縄―日本全土で進んでいる。その中でデジタル監視法案など戦争体制づくりへ向けた国家大改造を狙う攻撃が矢継ぎ早にしかけられ、国民投票法の改悪が策動され、改憲攻撃も本格化する。これとの闘いぬきに階級的労働運動は成立しない。
 〈労組交流センター〉〈大行進運動〉を二つの戦略的柱にすえて、職場・地域から闘いを組織しよう。
 7回大会の誤りを正し、階級的労働運動路線を深化し再確立した26全総と27全総をへたわれわれは、次のように言うことができる。「われわれはいまでは自分の任務を、昨日よりはるかに明白に、具体的に、はっきりと知っている。われわれは自分の誤りを訂正するために、それを公然と指摘することをおそれない。われわれはいまや、党のよりよい組織化のために、党の活動の質と内容を高めるために、大衆とのいっそう緊密な結びつきを打ちたてるために、労働者階級のよりいっそう正しい、堅実な戦術と戦略をつくりあげるために、全力をそそぐであろう」(レーニン「ドイツ共産主義者への手紙」1921年8月、全集32巻)

Ⅱコロナ危機・米中激突情勢と反帝反スタ世界革命の現実性

⑴2年目に入り深刻化する<コロナ×大恐慌>情勢

 4・16日米首脳会談を挟んだこの3〜4月、国内外の情勢は激しく進んでおり、革命的情勢はますます成熟しつつある。
 コロナ・パンデミックによって全世界的に生産は急激に縮小し、株価は大暴落した。それは、08年リーマンショックからの10年間に危機と矛盾を蓄積していた世界経済に決定的打撃を与え、大恐慌爆発の引き金となった。この恐るべき現実に震え上がった各国政府は、リーマンショック時を数倍する巨額の財政支出(昨年12月末で総額13兆8750億㌦)と大規模な金融緩和を実施した。なかでも米帝は昨年までに4兆130億㌦、今年のバイデン政権発足後は各家庭への現金給付を柱とする1・9兆㌦の経済対策を発動した。さらに第2弾として、今後8年でインフラ整備や研究開発に総額2・3兆㌦を投じる「米国雇用計画」を発表した。バイデンは「第2次世界大戦以来最大の投資」とまで言っている。
 昨年来の世界戦争級の国家財政支出と、FRB(連邦準備制度理事会)による巨額の国債購入、金融市場への湯水のような資金供給をてこに株価は急回復した。ワクチン開発と早期のコロナ収束への期待と願望、AI(人工知能)やEV(電気自動車)などの新技術・新産業への投機熱の高まりもある。買収だけを目的に上場し、事業を営まない「空箱会社」と呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)が投機を助長している。ダウ平均株価は3万㌦を大きく超えて3万4千㌦台まで急伸し、ハイテク株を中心とするナスダック総合指数も2000年ネットバブル絶頂の5千㌽を倍する1万㌽台で推移している。
 だが、経済の実体が1年前と何か大きく変わったわけではない。慢性的な過剰資本・過剰生産力状態にあっては、どんなに資金を流し込んでも設備投資や生産拡大には向かわず、従って雇用が増え賃金も上がるというような「景気回復」の流れは起きない。コロナ禍も依然として終息の見通しもたたない中ではなおさらである。結局、大量にばらまかれた資金の行き場は株式市場くらいしかなく、しかも株の売買をまかせられているAIは「買うから上がる、上がるから買う」という単純な仕組みでバブルを暴走させているのだ。
 この資本主義史上最大最後と言うべきバブル、政府・中央銀行によるバブルのもとで現実に進んできたことは、ブルジョアジーへの富の一層の集中と労働者階級人民総体の貧困化、極限的な格差の拡大であり、階級矛盾・階級対立の爆発だ。
 アメリカでは「最も裕福な1%」が株式の半分以上を保有して株高の恩恵を受け、「上位50人」が国全体の富の半分を独占している。その一方で、労働者階級人民はコロナ禍のもとで失業・半失業と低賃金労働を強いられ続けている。バイデン政権下でも黒人に対する差別と貧困の現実は何一つ変わることなく、またしても引き起こされた警官による射殺事件に対し、全米でBLM運動の怒りの闘いが燃え上がっている。
 米国のコロナ感染による死者は、第1次大戦での戦死者11万人、第2次大戦での戦死者40万人、ベトナム戦争での戦死者5万8千人を全て合わせた数にも匹敵する57万人に達した。犠牲者は圧倒的に労働者階級、黒人などの貧困層に集中している。パンデミックから1年の今年4月時点で、3600人以上の医療労働者が死亡していることも明らかになっている。この事実を報道したメディアは、マスクや手袋、防護服などの装備があればその犠牲は回避できたと報告している。
 2001年9・11の米「同時多発テロ」=反米ゲリラで死亡した人数は2996人。これへの報復として米帝は20年に及ぶアフガニスタン・イラク侵略戦争を行い、アフガニスタンへの直接の戦費だけで2兆㌦をかけ、数十万人ものアフガニスタンとイラクの人民の命を奪い、自国の兵士・人の命も犠牲にした。そして今日、コロナ感染症と医療現場で必死に格闘する医療労働者にはろくな装備も賃金も与えず、3600人以上も犠牲にして平然としているのだ。その一方でブルジョアジーらは毎日ぬれ手にあわのマネーゲームに興じている。ここにアメリカ帝国主義の、そして国際帝国主義の「普遍的価値」「人権」「正義」なるものの正体が赤裸々に示されている。
 だが、アメリカをはじめとする帝国主義ブルジョアジーが労働者階級人民の犠牲の上に永遠に宴(うたげ)に興じ続けることなど決してできない。空前の財政拡張と金融緩和・投機全開によるなりふり構わない資本主義延命の方策自身が、より巨大な矛盾と危機を生みだし、ブルジョアジー自身に襲いかかることは必至である。3月の米財政赤字は前年同月比で5倍超に悪化し、連邦政府債務残高は28・5兆㌦(約3千兆円)を超え、さらに増え続けようとしている。このままいけばどこかでパンクするのは明らかだ。
 決定的なことは、米帝をはじめ帝国主義各国のブルジョアジーは、リーマン以後の恐慌対策の積み上げの上に、さらにけたはずれの財政・金融政策を出しつくしてしまったということだ。この「大恐慌対策」による副作用、国債信用の低下、金利の急上昇、あるいはコロナ再拡大、その他の危機の爆発をきっかけとする次のショックが襲った時には、本当に打つ手は残されていない。
 支配階級にもこのことが見えていないわけではない。コロナであからさまになった「資本主義の終わり」、新自由主義が生んだ耐え難い現実への労働者階級の怒りの反乱が革命の炎となり、体制崩壊の危機をもたらす現実性におびえている。そこから保護主義、国家主義、排外主義への動きを、そして国家による労働者人民への治安弾圧、監視支配、情報統制を強めつつ、軍拡と戦争への道を一斉に走り始めている。
 大恐慌―国家間対立・保護主義・争闘戦―ブロック化―戦争という、1930年代以来の世界革命の大テーマに真正面から立ち向かうべき時がいよいよ来ている。

⑵中国侵略戦争に決定的にふみこんだ日米首脳会談

 米帝・バイデン政権は3月3日、「国家安全保障戦略指針」を発表し、中国を「経済力、外交力、軍事力、技術力を組み合わせて、安定的で開かれた国際システムに持続的に挑戦することができる唯一の競争相手」とした。同月26日にバイデンが初めて行った公式の大統領記者会見では、「民主主義と専制主義」との対決と言い切って中国との本格的対決に踏み出した。
 4月8日の米上院外交委員会には超党派で280㌻に及ぶ中国対抗措置法案・「戦略的競争法」が提出された。それには「日韓の防衛能力向上」「尖閣諸島への日米安保第5条適用」「台湾との関係強化」「ウイグル強制労働にかかわった中国当局者に制裁」という内容が書かれている。同委員会のメネンデス委員長は「中国による挑戦に対抗するためあらゆる手段を動員する」と述べている。すでに米帝はトランプ政権のもとで中国政策の決定的な転換を開始していたが、バイデン政権はより本格的・全面的に、米帝支配階級とその国家の総力を結集して中国との対決政策を貫こうとしているのだ。
 まず経済面においてバイデン政権は、2月24日の大統領令で、①半導体②電気自動車(EV)などに使う高容量電池③医薬品④レアアース(希土類)を含む重要鉱物の重点4品目のサプライチェーン(供給網)を100日以内に見直すよう指示した。バイデンは「われわれの国益や価値を共有しない外国に(重要部材の供給を)依存するわけにはいかない」と述べた。防衛やIT(情報技術)、公衆衛生、運輸など6分野についても1年以内に戦略をまとめることになっている。
 しかし、没落と寄生性を深めてきた米帝には、もはやこれらの供給網の再構築を自国のみで行える力はなく、「同盟国やパートナーと緊密な連携」で取り組むとしている。半導体や電池は台湾や日本、韓国などアジア各国・地域を全面的に取り込み、レアアースではオーストラリアと共同で供給増を目指している。これは中国抜きの「アメリカ経済圏」を形成しようというものであり、日帝をはじめとする「同盟国」にも中国との関係見直しを迫るものだ。米帝による世界経済の大再編である。
 これまで新自由主義のグローバル化推進のもと、相互に依存し合ってきたアメリカと中国という世界経済1位と2位の大国が、基軸的・戦略的な産業、資源の分野において保護主義的に関係を断ち切り、米中の間で世界経済を引き裂き、その他の国にどちらに属するかを迫っていくということは、世界経済を後戻りできない分裂化・ブロック化の渦に引きずり込むことになる。これは世界市場の収縮をもたらし、米中のみならず全世界でバブル崩壊、〈コロナ×大恐慌〉情勢を底なしにしていく「危険」をはらんでいる。
 だがそれでも米帝は、このまま中国の経済大国化、軍事大国化を許すならば数年のうちに経済面でも軍事面でも米帝の絶対的優位を脅かし、「米中逆転」のような事態に至ることへの恐怖から、中国との対決政策を推進していかざるをえない。コロナ危機がこれらを促進したという点でやはり世界史的事態である。

「台湾有事」をにらみ日帝の軍事力を動員

 4月16日には日米首脳会談が行われ、共同宣言が出された。それは米帝と日帝による、台湾問題にも踏み込んだ対中国の対決政策=侵略戦争政策の大エスカレーションである。
 日米共同声明では、「日本は自らの防衛力を強化する」「米国による核を含むあらゆる種類の能力を用いた日本の防衛」「日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用」「辺野古基地建設」などとともに、「インド太平洋地域及び世界の平和と繁栄に対する中国の行動」についての「懸念」や「反対」が具体的に列挙され、とりわけ「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記された。
 この声明の内容は、中国を「インド太平洋地域」並びに世界の国際秩序に対する「挑戦者」「破壊者」としてあからさまに断定し、これを核を含むあらゆる米帝の軍事力と日帝の軍事力強化、沖縄・本土における基地強化によって封じ込めるという宣言である。決定的なのは「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調し、台湾の安全が脅かされた場合は米日が事実上の「集団的自衛権」行使に踏み切るとしたことである。
 米帝は台湾をめぐる中国との軍事衝突はきわめて切迫していると認識しており、インド太平洋軍のデービッドソン司令官は3月の上院軍事委員会で「6年以内に台湾に対して武力行使する危険が高まっている」と証言し、米太平洋艦隊のアキリーノ司令官は「台湾有事は想定より近い」と述べている。この認識のもとに米帝は菅をワシントンに呼び寄せ、これまでよりさらに踏み込んで、台湾有事の際の日帝の安保・戦争法の発動、集団的自衛権行使について確認したことはまちがいない。
 米帝にはもはや単独では、経済的・軍事的大国として台頭した中国と対決できる力はない。とくにアジア地域においては日帝の軍事力・経済力を最大限に動員することなしに、中国との対決、戦争を構えることなどおよそ不可能なのである。

改憲・戦争に日帝の唯一の延命かける菅

 米帝の対中国戦略への日帝の動員は、米帝の日帝に対する争闘戦であり、米帝の利益のために日帝の力を利用し従わせるものでもある。だが日帝も米帝にただ従属しているのではない。凋落(ちょうらく)したとはいえ日帝も米中に次ぐ世界3位の経済規模をもつ一個の帝国主義であり、破綻と危機を深めているがゆえにこそ、米中激突のはざまであえぎつつも必死に日米同盟にしがみつき、米帝の動員に全力で応じることで独自の利益の確保と帝国主義としての延命の道を探ろうとしている。
 外務省が「今や中国は最大の貿易相手国であり、日系企業の海外拠点数で中国は第1位である」と述べる通り、日帝にとって中国との決定的対立は自らの存続をも危うくする。コロナ禍にあえぎ続けている日帝経済にとって中国との関係は実際にはますます死活的になっている。日帝は中国との経済的関係を何とか維持しつつ、米帝の対中対決政策にも全面協力していくというきわめて危機的で矛盾に満ちた政策を取り続けるしかない。日帝はぎりぎりまでこの政策を続けながら、しかし最後は日米同盟にかけ、対中国侵略戦争に参戦するという選択をしているのだ。
 また、もともと中国、インド、アジア諸国を植民地化し宗主国として支配していたイギリス、フランス、さらにドイツなども、対米対抗的に空母や艦艇をアジアに送り込み、この米中激突情勢に独自の帝国主義的利害と延命をかけてかみこもうとしている。
 中国、インド、アジアは人口、市場、生産力においてますます世界の圧倒的な部分になっている。帝国主義は、戦後世界体制が崩壊していった1990年代以降、過剰資本・過剰生産力の矛盾を国内階級戦争による外注化・民営化の全面的推進によって打開しようとしてきた。同時に残存スターリン主義の大国である中国とその周辺の台湾、東南アジア諸国を巨大な資本輸出市場、安い労働力・土地・資源をもつ生産基地として、自国経済と不可分一体のサプライチェーンとして深々と取り込む「グローバル化」を推進してきた。
 この新自由主義的延命を30年、40年と続けた結果が14億の人口を持つ中国の経済的・軍事的大国化であり、世界経済の重心の中国・アジアへの移動である。米帝、日帝も欧州帝国主義各国も、この中国・アジアとの関係を抜きにしては成り立たない。そしてスターリン主義国家としての中国が、経済・通商、生産力・技術力、金融・通貨、軍事・政治においてアジア、世界の主導権を握るような事態を許すこともできない。
 帝国主義の世界支配の基軸国であり続けた米帝の中国への対決政策と日帝および英仏独帝などの延命をかけた必死の対応は、中国・台湾・アジアをめぐる激動と戦争情勢をますます加速していかざるをえない。しかしそれは同時に、帝国主義とスターリン主義の世界支配を打倒する革命の諸条件がアジアにおいてこそ成熟していくということだ。

⑶世界革命に敵対する中国スターリン主義の犯罪性

 この情勢において、中国を、中国スターリン主義を、労働者階級はどのようにとらえるべきかが決定的に重要である。
 米帝や日帝は中国を、1930年代のナチス・ドイツのような「国際秩序の破壊者」あるいは独裁国家、侵略国家として描き、米中対立の原因を中国の「覇権主義」に求めている。米日など帝国主義の側の軍事力強化は「地域の安定のため」で、中国のそれは「威圧」「秩序破壊」という。こんな都合のいい話はない。帝国主義の強盗どもが自分たちの延命のために準備し行おうとしている戦争に、労働者階級人民を協力させ動員するための大ペテンだ。
 革共同は、帝国主義の侵略と戦争を合理化・正当化するための中国脅威論を階級的に批判し粉砕するとともに、反帝国主義・反スターリン主義世界革命をやりぬく立場から中国スターリン主義の反労働者性、反人民性をも徹底的に暴露・弾劾し、これを打倒する闘いを呼びかける。
 1949年の中国革命は、半植民地国の農民を中心とする人民が、民族解放・革命戦争(抗日戦争と国民党との内戦の勝利)によって帝国主義の支配を打ち破った世界史的大事件であった。それは米帝とソ連スターリン主義によるヤルタ体制(戦後世界の分割支配体制)を突き崩すものであり、日本の戦後革命的情勢や朝鮮、アジア、全世界の民族解放闘争と結合して、世界革命に向かって発展する可能性を秘めていた。
 だが中国共産党・毛沢東指導部にはマルクス主義のプロレタリア世界革命の思想と路線はなく、スターリンの一国社会主義路線が農業国・中国に適用された。それは労働者階級自己解放なき生産力主義であり、党と国家の実権を握るスターリン主義官僚が労働者や農民の犠牲の上に自らの地位と利害を確保していく路線だった。1950年代後半には「大躍進政策」として強制的な国有化・集団化による官僚主義的な生産ノルマを極限的に遂行した。それは農業においても工業においても壊滅的・破滅的結果をもたらし、数千万人の餓死者が出たとされる。
 この失敗で支配体制の危機に直面した毛沢東による権力奪回闘争が1966〜76年の「文化大革命」である。それは毛沢東に反対するあらゆる勢力を、青少年を動員した「紅衛兵」を使って「修正主義」「反革命」として打倒する事実上の内乱だった。文革は毛沢東の死によってようやく終わる。その後1978年から鄧小平による改革・開放路線へ移行し、東欧・ソ連スターリン主義崩壊とも連動した「民主化運動」を徹底弾圧した1989年の天安門事件をへて、新自由主義のグローバル資本を全面的に取り込んだ「社会主義市場経済」という名の経済大国化への道を猛進して今日に至る。
 大躍進、文化大革命、改革・開放路線への転換、天安門事件、そして新自由主義資本と結託した市場経済の全面導入と、これだけ極端から極端へと移りながらその全てを「社会主義のため」として正当化し、70年以上一貫して権力を維持してきたのが中国共産党である。その権力の源は「抗日戦争と中国革命の勝利」にあり、この勝利を導いた党の権威をふりかざして国内の労働者人民を抑圧し支配してきたのだ。
 この中国共産党が支配するスターリン主義国家・中国は、ソ連スターリン主義と同じく世界革命を否定し完全に放棄したところから出発している。それは本質的に革命的激動を恐怖し、帝国主義との「平和共存」(相互不干渉)を望み、一国社会主義体制と共産党官僚支配の維持を自己目的として、世界革命の完遂に向けた労働者階級人民のあらゆる闘いを暴力的に圧殺する反革命である。中国スターリン主義は今、ミャンマー人民を虐殺し続けている軍事政権を支えている。この中国スターリン主義が追求するものは、資本主義のような利潤や市場の獲得ではない。全てはスターリン主義支配体制の維持と防衛にある。そのためなら人民の闘いも圧殺し弾圧するのだ。
 中国は40年にも満たない短期間で圧倒的に遅れた農業国からGDP(国内総生産)で米の7割に達するまでに急激に経済大国化した。その国内経済・社会のひずみは大きく、巨大な貧富の差、都市と地方・農村の激しい格差、労働者と抑圧されたウイグル、チベットなど少数民族の怒りや不満の蓄積など、いったん火がつくと抑えられないような矛盾と危機があふれている。米日欧の帝国主義がこの危機を利用し、中国の分裂と弱体化を狙っていることも事実だ。だからこそ中国共産党は、ますます経済成長を追求し、中華ナショナリズム的なものをあおって国内の不満の爆発を抑え込み、「一つの中国」を分裂させる動きを封じ込めようと必死になっている。
 香港の民主派を徹底的に弾圧し、台湾に軍事的圧力をかけ、南中国海や釣魚島(尖閣諸島)をめぐる米日帝や周辺国との争闘戦で一歩も退かず、軍事的・戦争的緊張のエスカレートも辞さないのはそのためだ。
 しかしそれは中国が自国の「固有の領土・領海」と主張する枠内ではある。対する米帝はこれに対抗すると称して、アメリカから遠く離れた中国・台湾近海に空母などの軍艦や戦闘機を展開させ、沖縄米軍基地を前線基地として強化し、さらに日帝・自衛隊も加えて圧力をかけるというのであるから、どちらが侵略的かは客観的にみれば明らかだ。
 労働者階級は、反帝・反スターリン主義世界革命とプロレタリア国際主義の立場に立ち、世界の労働者人民を搾取し収奪してきた新自由主義ブルジョアジーらの支配と延命のためのどんな戦争にも反対する。帝国主義者の掲げる「普遍的価値」「民主主義」「自由」の名に隠された支配階級の私的な利害・目的を暴き、祖国防衛主義と排外主義に反対し、米日帝国主義の中国に対する侵略戦争に絶対反対する。日本の労働者階級は何よりも、憎むべき日帝・菅政権による日米同盟強化、対中国戦争の一切の準備に反対し、自国政府の打倒と労働者階級自身の政治権力樹立のために闘う。そして中国の労働者階級と被抑圧民族人民に、中国スターリン主義体制を打倒する革命への決起を呼びかける。
 いま現に決死の闘いを続けるミャンマー人民や香港人民をはじめ、中国、日本、南北朝鮮、全アジアの労働者階級人民の団結こそが、資本主義を終わらせる世界革命の成否を決める。その闘いに、全力で立ち上がる時が来ているのだ。

排外主義と祖国防衛主義叫ぶ日本共産党

 戦争の危機が深まる中で、今こそ「労働者に祖国はない」「万国の労働者団結せよ」というマルクス主義の階級的・国際主義的原則を高く掲げて闘うことが求められている。だがその時に、自国の帝国主義政府と一体となって国益主義、祖国防衛主義、排外主義をふりまく先兵となっているのが日本共産党である。昨年の日本共産党大会で委員長の志位和夫は、「尖閣諸島」を「日本が実効支配している地域」と言いなし、これに対する中国側の「力によって現状変更を迫る」「覇権主義的行動」を弾劾せよと訴えた。これこそ労働者階級を分断し、世界革命に敵対するスターリン主義の本性である。絶対に許してはならない。

⑷日帝の改憲・戦争攻撃と全面対決し菅政権打倒へ

 日帝・菅政権は4・16日米共同声明を画期として、改めて帝国主義としての死活をかけて9条改憲に突っ込んでいる。コロナへの対応、東京オリンピックへの固執、衆議院選挙の準備など危機的な要素に振り回されつつも、だからこそ改憲・戦争策動に一切をかけるしかない。
 すでに国会では9条改憲のための国民投票法改悪案の採決強行が策動されている。さらに入管法改悪案やデジタル監視法案をはじめ、治安弾圧強化・戦争体制づくりと直結した諸法案を一気に押し通すことが狙われている。米軍の対中国軍事訓練が激化し、沖縄をはじめ全国各地で輸送機や戦闘機の超低空飛行訓練が目撃されている。米軍と自衛隊の一体化、共同演習のエスカレートが進み、辺野古新基地建設があくまで強行されている。
 とりわけ日米安保体制の犠牲と矛盾が集中する沖縄では、全米軍基地撤去を求めて闘われた1971年の沖縄ゼネストから50年、96年の「普天間返還」の日米合意から25年、今なお続く基地強化と戦争への耐え難い怒りと、新たな階級的な覚醒、闘いが始まっている。これと結合し、沖縄と本土を貫く5・15闘争に立ち上がろう。
 日帝は帝国主義として破綻し最弱となっているからこそ、どんなことをやっても延命しようとする。革命的情勢はますます成熟していく。この世界史の巨大な転換、分岐点に立ち向かい、日本階級闘争の一大飛躍を闘いとろう。

Ⅲ国鉄と関生を軸に全労働者の怒りを組織しぬく党の建設を

 今や、この革命的情勢を本物の革命に転化することができる主体の形成に、階級的労働運動の大発展を通しての労働者階級の組織化に、党としてそのもてる全ての力を投入しなければならない。

関生弾圧うち破ろう

 めざすべきことは、全国の職場生産点における闘いと組織化を画然と進めつつ、それをひとつに結集し、労働者階級総体の力としてブルジョアジーに対抗しうる陣形にまで発展させていくことである。そうした階級的陣形をつくりだす結集軸こそ、国鉄分割・民営化以来の大反動を三十数年にわたる闘いで打ち破り、「勝利まであと一歩!」と言えるところまできた国鉄闘争であり、戦後最大の労組弾圧である関生弾圧を粉砕する闘いである。
 コロナ危機として爆発した新自由主義の崩壊の深化、支配の危機は、日帝ブルジョアジーを労働者階級に対するむきだしの階級戦争にますます極限的に駆り立てている。JR資本による「労組なき社会」化攻撃と関生弾圧はその突破口だ。だがそれは同時に、新たな闘いの条件をつくりだしている。職場支配権の奪還へ向け正規・非正規の団結を強化し、外注化阻止闘争の再構築と組織拡大に挑戦する動労千葉に続こう。
 当面する戦略的闘争目標は、労働運動の再生をかけた7月国鉄全国集会の成功をかちとることだ。それぞれの職場の闘いと国鉄・関生決戦を軸とする日本労働運動全体の再生の闘いとが結合することで、階級的な力と陣形が生まれてくる。そこに勝利の展望が開けてくる。7月国鉄集会は、7月13日判決予定の関生支部・武委員長への実刑攻撃を粉砕する闘いでもある。関生弾圧に怒りをもつ全ての労働者を組織しよう。

マルクス主義の復権

 27全総は第3報告で、階級闘争の三つの闘争形態(理論闘争・政治闘争・経済闘争)について再確認している。新自由主義は、階級的な組織と運動から思想・価値観に至るまで徹底的に一掃する攻撃であり、これとの闘いにおいてマルクス主義を復権させる理論闘争は特別に重要だ。
 コロナ禍のもとで資本主義の歴史的限界性が今日ほど明らかになった時はなく、「マルクス」「資本論」への注目がかつてなく高まっている。マルクス主義は「資本主義の薬」ではない。資本主義の墓掘り人・プロレタリアートの階級闘争の武器だ。マルクス主義を労働者階級自己解放の理論、階級闘争の理論と実践として復権させることこそ、革命的共産主義者の党の決定的な役割である。理論闘争は実践と結合してのみ勝利する。理論闘争と政治・経済闘争を一体のものとして意識的に結合して闘っていくことが重要だ。
 26全総以降の党の変革と実践とともに進んできた機関紙「前進」・機関誌「共産主義者」の改革と充実をさらに進めよう。機関紙・誌こそ全国単一の党建設の基礎であり、党と階級との緊密な結合をつくりだす。「前進チャンネル」などオンラインでのマルクス主義学習会が青年・学生と党との接点を広げている。中央党学校が党の理論闘争を前進させ、各地の党学校や労働学校も意欲的に開催されている。マルクス主義で武装された党の指導部、階級的労働運動の活動家を、とりわけ未来を担う青年・学生層につくりだそう。
 27全総は全国の地区党建設の前進とともに、中央指導部建設においても大きな前進をかちとった。8回大会への道は大きく開かれた。

反弾圧闘争の勝利を

 星野文昭同志の獄死からまもなく2年を迎える。星野同志を虐殺した日帝国家権力を絶対に許さない。権力の責任を徹底追及する国賠闘争と再審闘争を貫徹しよう。星野闘争と一体の闘いとして大坂正明同志の無罪・奪還を必ずかちとろう。
 星野・大坂同志ら日本の青年・学生が命がけで闘った70年安保・沖縄闘争をひきつぎ、新たな戦争切迫情勢下での反戦反基地闘争、沖縄・辺野古闘争を闘いぬこう。軍政打倒へ命がけの決起を貫くミャンマー人民の闘いと連帯しよう。社会の根底的変革を求める労働者・学生・人民が世界で、自らの生き死にをかけて立ち上がっている姿に学び、今こそ日本の地に実力闘争の思想と実践をよみがえらせなければならない。
 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧との34年に及ぶ闘いは、新自由主義の暴力的な治安弾圧攻撃との最先端の闘いだ。板垣宏同志、十亀弘史同志奪還の勝利に続き、須賀武敏同志の獄中医療確保と奪還へ闘おう。
 革命的情勢の切迫と改憲・戦争攻撃の激化は、階級的労働運動・労働組合と革命党解体の弾圧との闘いを不可避とする。日帝権力による治安弾圧攻撃の質的転換・エスカレートを許さず、階級的労働運動の力と半世紀におよぶ非合法・非公然の闘いの経験と蓄積を生かして、この時代に国家権力と闘って勝利する党の本格的建設をかちとろう。

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