五輪粉砕、菅打倒を 改憲国民投票法を絶対阻止しよう 6・6新宿 怒りの大デモへ

週刊『前進』04頁(3196号01面01)(2021/05/31)


五輪粉砕、菅打倒を
 改憲国民投票法を絶対阻止しよう
 6・6新宿 怒りの大デモへ


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 新型コロナウイルスはより感染力の強い新たな変異株を生み出しながら世界中で猛威を振るい、各国の保健当局が把握しただけで連日50万人もの新規感染者、1万人近くの死者が記録されている。世界保健機関(WHO)は5月21日、実際の死者数は公式統計の2〜3倍に上る可能性があると発表。医療・介護従事者は少なくとも11万5千人が死亡したと明かした。24日にはアメリカ国務省が日本への渡航警戒レベルを最高の「渡航中止・退避勧告」(レベル4)に引き上げるに至った。この状況下で東京五輪・パラリンピックを強行し、それと一体で改憲・戦争国家化を進めようと狙う菅政権を絶対に許すことはできない。今こそ五輪粉砕・菅打倒へ、渦巻く怒りの声を6・6新宿大行進―都庁デモに総結集しよう!

入管法阻止が情勢変えた

 五輪を最優先してコロナ感染を拡大し、社会の崩壊を一層加速させながら、なおも五輪開催に固執する菅政権への怒りは日本中で沸点を超えている。毎日新聞が22日に行った世論調査では、菅政権の支持率は1カ月間で9㌽急落し31%(政権発足後最低)、不支持は59%となった。東京新聞などが都内に限って22~23日に行った世論調査では支持率は16・1%まで落ち、不支持率は64・4%に達した。今こそ労働者民衆の怒りの実力決起で東京五輪を粉砕し、改憲・戦争の菅政権を打倒する時だ。
 情勢を大きく変えたのは、入管法改悪を阻止した勝利だ。本紙前号で既報の通り、入管法改悪をめぐっては、若者を先頭に連日の国会闘争が粘り強く闘われ、入管当局による被収容者への虐待や法改悪の中身が全社会的に暴かれる中で、ついに自民党が法案を取り下げるという異例の展開となった。これに続いて改憲国民投票法改定や土地調査規制法案(関連記事2面)をめぐっても、国会前や官邸前で連日の抗議行動が続き、菅政権に怒る世論のうねりと一体で与野党を揺さぶっている。
 そもそも今回の入管法改悪やこの間の入管当局による外国人への取り締まりの強化、長期収容と強制退去の動きは、東京五輪の強行と一体で改憲・戦争に向けた治安弾圧の強化を図るものとして進められてきた。2016年4月には「東京五輪・パラリンピックの年までに社会に不安を与える外国人を大幅に縮減する」と記した内部通達が、入国管理局(現・出入国在留管理庁)の局長名で出された。この過程で長期収容が急増、被収容者への虐待も深刻化し、今年3月には名古屋入管でスリランカ人女性ウィシュマさんが最低限の医療措置を受ける機会も奪われて無残な死に追い込まれたのだ。
 5月1日に来日したウィシュマさんの2人の妹は、入管当局に対して真相究明と監視カメラのビデオ映像の開示を求め、21日から滞在期間を90日間延長して「すべてが明らかにされるまで闘い続ける」と不退転の決意を語っている。この思いに応え、入管体制解体・被収容者の全員解放まで徹底的に闘おう。五輪に乗じて治安弾圧の強化と改憲を狙う菅を今すぐ倒そう!

医療関係者の動員やめろ

 開催予定日まで2カ月をきった東京五輪に対し、世界中で「中止しろ!」の声が巻き起こっている。もはや日本と世界の労働者階級人民は、誰一人として五輪開催など望んではいない。そればかりか五輪関連のニュースが流れるたび、職場でも街頭でもSNS上でも激しい怒りと怨嗟(えんさ)の声があふれかえる状況だ。IOC(国際オリンピック委員会)副会長・コーツの「緊急事態宣言下でも大会を開催する」との発言は、怒りの炎にますます油を注いでいる。
 こうした中、菅は自らの政権延命と改憲・戦争に向けた国威発揚、そして一握りの大企業の金もうけのために、あくまでも五輪を強行しようとあがいている。コロナ前に策定された、東京都内の公立小・中・高校生ら約81万人を大会観戦に動員する計画(事業費41億円)も変更はなく、動員を拒否した生徒は「欠席」扱いにされる。子どもの感染リスクなど一切配慮せず、「戦時動員」の予行演習をやろうとしているのだ。
 また、東京都内の1日あたりのPCR検査件数は現状で5~6千件程度であるにもかかわらず、大会期間中は選手1万5千人と大会関係者8万人に毎日検査を実施する。さらに選手村には24時間運営の発熱外来・検査機関を置き、30カ所の大会指定病院を整備、オリ・パラ両大会で延べ7千人の医療労働者を動員するという。一体どこにそんな医療体制の余剰があるのか。5月上旬の時点でコロナ陽性でも入院できない人が4万人近くに達し、医療現場は崩壊している。警察が昨年3月以来「変死」とみなした遺体からコロナウイルスが検出された例は400件を超える。
 まともな医療さえ受けられず命を失う人が日本中にどれほどいるのか。この状況で五輪を強行することがどれほど感染を拡大し、医療現場の崩壊を促進することになるか。東京大会はもはや「殺人オリンピック」だ。絶対に許せない!
 6・6新宿大行進―オリンピックやめろ!都庁デモに結集し、民衆の実力決起で五輪を粉砕しよう。

7・4国鉄集会の成功へ

 4月の日米首脳会談を転換点として、中国との戦争を想定した米日の戦争策動が一気に進んでいる。九州の霧島演習場(宮崎県、鹿児島県)などで5月11~17日に行われた国内初の日米仏共同訓練に続き、22日からは陸上自衛隊の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が東富士演習場(静岡県)で行われた。緊急事態宣言の再延長で多くの人々がさらなる困窮を強いられる一方、米軍や自衛隊の訓練はコロナ禍でも平然と行われ、辺野古では新基地建設工事が続行されている。
 他方、菅はコロナワクチンの大規模接種を防衛省・自衛隊に担当させた結果、予約システムの不備などから大混乱を引き起こした。それでも菅が自衛隊動員にこだわるのは、「未曽有の『有事』に官民共同で対処する経験は、自衛隊にとって資産となる」(産経新聞5月17日付)からだ。新自由主義による医療崩壊を放置しながら、危機に乗じて「戦時医療」への転換を進めようとしているのだ。
 こうした戦争策動と一体で、日本会議などの極右勢力が戦前と見まごうばかりの国家主義・排外主義を扇動し、20日の自民党の会合ではLGBT(性的少数者)に対して「道徳的に認められない」「種の保存に背く」などと許しがたい差別暴言が相次いだ。
 ところが、このような超重大局面において、最大野党の立憲民主党は連合幹部や保守勢力の顔色を伺い、菅政権に助け舟を出す形で改憲国民投票法改定案に賛成した。その立憲民主党を不問に付して「野党共闘」の維持に身をやつしているのが日本共産党だ。こんな野党勢力に改憲を止める力も、政治や社会を変える力もないことは明白だ。
 今、何よりも必要なのは労働者民衆の実力決起であり、アメリカのBLM運動や香港、ミャンマーの闘いように巨万のストライキと街頭デモで自国政府・資本と徹底的に闘うことだ。資本の先兵となって現場労働者を押さえつける連合幹部を打倒し、闘う労働組合をよみがえらせよう。この時代に本当に通用する階級的労働運動を登場させよう。国鉄闘争全国運動が主催する7・3~4集会はそのための総決起集会だ。6・6新宿大行進をぶち抜き、7・3~4集会に全国から大結集をかちとろう!

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