イスラエル軍の空爆・虐殺を許すな 港湾労働者がパレスチナ連帯

週刊『前進』04頁(3199号04面03)(2021/06/21)


イスラエル軍の空爆・虐殺を許すな
 港湾労働者がパレスチナ連帯

(写真 ピケを越えない港湾労働者らの闘いが、イスラエル船からの荷下ろしを阻止した【6月4日 米カリフォルニア州オークランド港】)

 5月10日、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区への空爆を開始した。これにより、21日の停戦までに子どもを含めてパレスチナ人200人が死亡し、1900人が負傷した。
 この虐殺を弾劾し、不屈に闘いぬくパレスチナ人民との連帯闘争が、アメリカ、ヨーロッパ各国で展開された。ドイツ・ベルリンでは5月15日に抗議闘争が行われ、3500人が集まった。米ニューヨークには約2千人が結集した。同日と翌16日には、英ロンドンやフランスのパリ、オランダのアムステルダムでも闘うパレスチナ人民と連帯する集会が行われた。
 イタリアとアメリカでは港湾労働者が先頭に立った闘いが展開されている。

イタリア労働者が武器積み込み拒否

 5月14日には港湾労働者が、イタリア・トスカーナ州のリボルノ港でイスラエルに向けて輸送される武器、弾薬の積み込みを拒否する闘いを展開した。港湾労働者たちはさらに、数百台の装甲車がイスラエルに輸送される予定であるという情報も得て、これを阻止する闘いを展開した。
 さらに北部ラベンナ港の労働者も、6月3日に武器や弾薬など軍需品のイスラエル船への積み込みを拒否するストライキを計画した。船の所有者が輸送を断念したため、ストを行う前に勝利をかちとった。いずれも、労働者が職場で侵略戦争を阻止する闘いに決起したという点で極めて重要だ。

ILWUを先頭に米西海岸でもピケ

 さらに空爆が始まった5月10日から、アメリカ西海岸のカリフォルニア州サンフランシスコ、オークランドなどで港湾労働者や住民らがガザ空爆に抗議して、イスラエルのチャーター船のオークランド港への入港と荷扱いを拒否。パレスチナ人民との国際連帯の闘いを貫いた。
 5月21日にイスラエルとハマスなどとの停戦が宣言されてからも、この抗議闘争は継続されている。ピケットは毎日行われているわけではないが、オークランド港外に待機しすきを見て入港しようとしているイスラエルのチャーター船の動向を監視しつつ、必要と思われる時期を見計らってピケットが張られている。
 6月4日にはチャーター船の動きがあったため、数百人の地域の活動家がピケットを張り、動労千葉と強い国際連帯の絆をもつILWU(国際港湾倉庫労働組合)の労働者が(このピケットを尊重し、ピケットラインを越えないという形で)チャーター船の入港と荷扱い作業を阻止した。
 こうしたILWUと地域の労働者の闘いによってイスラエルは重大な経済的打撃を受け、毎日数百万㌦の損失を出していると言われている。
 ILWUは2010年と14年にも同じ船会社の所有する船がオークランド港に入港するのを阻止しており、それ以来この船会社はオークランド港を使用できないでいる。
 港湾労働者と地域の労働者の連携した組織的闘いこそがイスラエルに打撃を与え、パレスチナ人民に対する侵略戦争を阻止する巨大な力となっている。このような国際連帯の闘いを実現することこそ、侵略戦争を阻止する世界の労働者階級の重要な任務だ。
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