「業務融合化」と全面対決 動労千葉が定期委で方針確立

週刊『前進』04頁(3200号02面01)(2021/06/28)


「業務融合化」と全面対決
 動労千葉が定期委で方針確立

(写真 関道利委員長はあいさつで、職場代表選を土台に過半数労組を目指す闘いに立ち、外注化を粉砕すると表明した【6月20日 DC会館))

 動労千葉は6月20日、DC会館で第84回定期委員会を開いた。JR東日本は5月26日、「現業機関における柔軟な働き方の実現について」という提案を出し、業務の全面的な分社化に乗り出してきた。総非正規職化に向けて新たな労働者支配のモデルをつくろうとするものだ。国鉄分割・民営化に匹敵する大攻撃が始まった。動労千葉は定期委員会で、これと総力で対決する闘争体制を確立した。

分社化粉砕の決戦

 5・26提案は、駅業務や乗務、店舗業務や企画業務を「融合化」し、1人の労働者に掛け持ちさせると言う。現業部門では職種や職務を表す職名もなくす。すでに大幅に外注化が進んでいる駅業務と乗務を「融合化」して、運転業務も外注化することがその狙いだ。
 6月2日にはJR高崎支社で籠原駅、高崎駅、籠原運輸区、高崎運輸区の助役を集めた「You Go プロジェクト」なるものが立ち上げられた。5・26提案を具体化するための作業が始まったのだ。
 グループ会社での副業を解禁(事実上は強制)する提案が出され、本社勤務社員の一時帰休も始まった。ワンマン運転の一層の拡大も狙われている。3月ダイヤ改定で強行された内房線、外房線、鹿島線のワンマン化のために造られた新型車両が、相模線、宇都宮線、日光線にも投入される。JRはこれらの線区で3〜4両編成の列車のワンマン化を企てている。
 労働者の雇用も鉄道の安全も破壊するこれらの攻撃に対し、動労千葉は総力で立ち向かう決戦に入った。

過半数労組めざし

 あいさつに立った関道利委員長は、直近に行われたCTS(千葉鉄道サービス)幕張事業所の職場代表選挙で自身が4選を勝ち取ったことを報告した。同津田沼事業所、千葉事業所でも組合員が職場代表に立候補し、いずれも昨年より得票を伸ばした。津田沼事業所では1票差で次点となったが、相手候補も過半数は取れず、信任投票に持ち込んでいる。関委員長は、この闘いを土台に過半数労組を目指すと宣言した。
 5・26提案の中身とその意図を詳細に暴いた関委員長は、「攻撃の核心は労働者に際限のない競争をあおり、出向・転籍に追いやることにある。労働組合に団結して競争をやめればこれに立ち向かえる。団結さえ崩さなければ必ず展望は生まれる」と力説した。そして、すべてを組織拡大に集約して「労組なき社会」を狙うJRと対決しようと訴え、国鉄闘争全国運動の7・4全国集会への総結集を呼びかけた。
 当面する取り組みを提案した川崎昌浩書記長は、5・26提案を「労働者が培ってきた各系統の業務の専門性や社会的意味を価値のないものと否定している」と弾劾し、外注化阻止闘争と反合理化・運転保安闘争の再構築を柱とした運動方針を打ち出した。
 検修・構内業務の外注先のCTSでは、プロパー(直雇い)社員が次々に退職し、技術継承が断たれ、業務が回らなくなっている。今後はエルダー(定年後の再雇用)社員の退職も増える。ところがJRとCTSは65歳以降も継続して働くことを希望した動労千葉組合員の再雇用を拒否している。要員は明らかに不足しているのにだ。この矛盾を突き、70歳まで働ける労働条件の確立を求め闘うことも、外注化阻止闘争の重要な一環だ。川崎書記長はこうした方針を明らかにし「まなじりを決して組織拡大に立とう」と訴えた。

安全崩壊に危機感

 討論では、運転職場の委員がワンマン運転への怒りを示し、検修職場の委員は「このままでは大事故が起きると危惧する」と深刻な危機感を表した。エルダーとして働く委員は、「体はきついが組織拡大のため70歳までもうひと踏ん張りする」と決意を明かした。
 総括答弁に立った関委員長は、「労組なき社会をつくらせない」と改めて強調し、国鉄分割・民営化に匹敵する新たな攻撃に全力で立ち向かおうと訴えた。
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