パラリンピック粉砕を 感染拡大と分断強化許すな 8・17都庁行動&新宿デモへ

週刊『前進』04頁(3206号02面01)(2021/08/16)


パラリンピック粉砕を
 感染拡大と分断強化許すな
 8・17都庁行動&新宿デモへ

(写真 五輪開会式が強行された7月23日、会場の新国立競技場前では全学連を先頭に警察権力と対峙して弾劾行動が闘いぬかれた)


 7・23東京五輪開会式粉砕闘争をはじめとする労働者人民の怒りの爆発は、五輪強行にかけた菅政権の国家主義の鼓吹と階級闘争圧殺の狙いを完全に吹っ飛ばした。追い詰められた菅政権は、労働者人民の闘いを恐れているからこそ、その圧殺を狙って五輪に続きパラリンピックを強行しようとしている(8月24日〜9月5日)。絶対に許すな。パラリンピック粉砕へ決起しよう。8・17都庁行動&新宿デモに立とう。

命と生活を奪うオリパラ

 「緊急事態宣言」下にオリンピックが強行された。これが引き金になって新型コロナ感染症が全国に爆発的に拡大している。労働者人民の生活と生命が日々破壊されている。
 大量の警察と自衛隊に守られて強行された東京五輪は何を示したか。帝国主義支配階級は、〈人民がどれほど感染症に苦しもうと、貧困と飢餓のどん底に落ち込もうと構わない。国家と資本家階級が生き延びるためには、どんな暴力でも使う。人の命も大量に奪う〉ということだ。これはもう戦争の論理だ。「五輪の号砲は戦争の号砲」(高山俊吉弁護士)だ。
 医療崩壊が進行し、多数の患者が「自宅放置」されて苦しんでいる。医療労働者の疲労は極限に達している。ところが菅政権は医師や看護師の増強、病院・病床の新増設などの必要な措置をとらず、多額の税金を使って、五輪に続きパラリンピックを強行しようとしている。到底許せない。
 これとともに菅政権はますます強権支配と労組弾圧、中国侵略戦争に突き進んでいる。「菅打倒! 日帝打倒!」は全人民の命と生活をかけた欲求となった。8月闘争と今秋闘争の爆発がいよいよ決定的だ。
 菅政権もろともパラリンピックを粉砕しよう。

戦傷兵出場させ軍隊鼓舞

 パラリンピックはオリンピックと同様、国家主義、勝利至上主義をあおり、資本家の金もうけの道具となっている。また人民の中、障害者の中に差別と分断を持ち込むものだ。帝国主義各国は国家予算を投じて一握りの選手を育成・強化するシステムをつくり、「国家の威信」をかけて相互に競争させている。障害者が障害を抱えながら「スポーツを楽しみたい」と思うことは当然だが、パラリンピックはそうした障害者の思いを悪用している。多くの障害者から「パラアスリートは遠い存在」「自分たちとは関係ない別世界の話」という声が上がっている。
 そもそもパラリンピックは帝国主義戦争の産物だ。1948年、イギリスの病院で、第2次世界大戦の負傷兵のためにアーチェリー競技会が行われた。それがパラリンピックの起源だ。
 現在も戦争と密接な関係がある。前回2016年のリオデジャネイロ大会には17カ国の現役兵士・元兵士が出場した。最多のアメリカは35人だ。アフガニスタン侵略戦争(2001年〜)・イラク侵略戦争(03年〜)に動員された米兵270万人のうち、実に97万人、3人に1人が心身に障害を受けて帰還した。米政府は補償額の増加を抑え、社会復帰を促すために障害者スポーツに力を入れた。種々の大会で好成績をあげた兵士には、パラスポーツに専念して生活できる環境が用意され、軍隊が専属選手として雇用し続ける体制もつくられた。米軍の担当者は「回復した兵士の姿を見せ、他の負傷兵を奮い立たせる」と語っている。パラリンピックが兵士を再び戦場に引き戻し、軍隊を奮い立たせ、侵略戦争を遂行するための道具にされているのだ。(NHK「クローズアップ現代+」16年9月放送「『戦場の悪夢』と金メダル〜兵士とパラリンピック〜」)
 ごく一部の選手が「障害を乗り越え、国家のために再び戦ったヒーロー」として称賛される対極で、侵略戦争の過酷な体験からPTSD(心的外傷後ストレス障害)や深刻なうつ病を発症した元兵士は取り残され、打ち捨てられている。ここでも「パラ五輪の号砲は戦争の号砲」だ。

差別と闘い障害者解放へ

 13年に「オリパラ東京開催」が決定され、16年の障害者差別解消法の施行をはじめ政府は「共生キャンペーン」を繰り広げた。だが障害者への差別や虐待は後を絶たず、16年7月、津久井やまゆり園で19人もの入所者が元職員によって虐殺される事件に行き着いた。
 コロナを理由に精神科病院内での患者放置や虐待が強まっている。駅ホームからの障害者の転落事故なども続発している。日本帝国主義の根深い障害者差別・隔離政策、優生思想をはびこらせた政策が、こうした事態を放置し拡大した。
 だが、今や差別の最大の推進軸となっているのは、民営化と医療・社会福祉の解体、労組破壊を強行してきた新自由主義とその絶望的な破綻だ。
 障害者総合支援法体制はむしろ、障害者雇用をはじめ労働者の奴隷的酷使を強め、最後は戦争に動員して使い捨てるものだ。その入り口がパラリンピックだ。
 今回の東京オリパラでも組織委会長・森喜朗の女性差別発言、女性の容姿を侮辱する開会式の演出案、障害ある同級生への虐待・暴行を自慢げに語る作曲家の起用、ナチスのユダヤ人大量虐殺を笑いのネタにする芸人の起用など、東京オリパラの差別的正体が次々とさらけ出された。オリパラ組織委員会は当事者をトカゲのしっぽのように切り捨て、五輪に続きパラリンピックを強行しようとしている。日本帝国主義と菅政権の極悪の差別主義、排外主義の本質を示すものだ。パラを「平和の祭典」「共生・共助社会の実現」などというのは戦争と差別の正体をおし隠す虚偽だ。
 階級的労働運動を進め労働者階級解放と障害者解放を一体で勝ち取ろう。差別の構造を根底から転覆しよう。パラリンピック粉砕の8・17都庁行動&新宿デモに立とう。(高村晋)

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パラリンピックやめろ! 命を守れ! 菅たおせ!
8・17都庁行動&新宿デモ
 8月17日(火)
 午後4時 都庁申し入れ/午後5時 都庁前アピール
 午後6時30分 新宿デモ
 主催/改憲・戦争阻止!大行進

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