パラ強行・学校観戦断じて許すな 感染爆発と医療崩壊・戦争­破局に向かう新自由主義倒せ 9・12革共同集会に結集を

週刊『前進』04頁(3207号01面01)(2021/08/23)


パラ強行・学校観戦断じて許すな
 感染爆発と医療崩壊・戦争­破局に向かう新自由主義倒せ
 9・12革共同集会に結集を

(写真 パラリンピックやめろ!新宿をデモ 【8月17日 記事2面】)


 8月17日、「パラリンピックやめろ!命を守れ!菅たおせ!」の都庁行動と新宿デモが戦闘的に闘われた。五輪強行が招いたコロナ感染爆発と医療崩壊、それを何一つ省みずにパラリンピックと改憲・戦争に突き進む菅首相と小池都知事に、労働者人民の怒りが沸騰している。「パラリンピック中止! 菅・小池たおせ」は、医療現場はもちろん全労働者階級が生き抜くためのスローガンだ。自らの職場でこの闘いを必死に闘う中で、新自由主義を打倒する階級的労働運動を再生し、11月労働者集会にその力を大結集させよう。

医療崩壊の元凶は菅・小池

 東京五輪はコロナ感染を爆発的に拡大させた。五輪直前に全国で1日あたり約2千人だった新規感染者数は2万人を突破した。重症者数も急増し、過去最多を更新し続けている。
 医療崩壊も破局的段階に突入した。感染しても入院できない「自宅療養者」は全国7万人、東京だけで2万人に達している。東京では感染者の10人に1人も入院できていない。医療現場や保健所はさながら戦場のようになっている。
 都も国も「感染爆発は制御不能。災害レベルの非常事態」「医療提供体制は深刻な機能不全」(都のモニタリング会議での専門家の発言)などと、崩壊状況をさらけ出している。
 ところが菅は、基本的な感染防止策も検査・医療の拡充も拒否し、「重症患者や重症リスクの高い方以外は自宅で療養」(ペテン的に修正されたが)なる入院制限や、医療現場で濃厚接触者の規制を緩和するなど、人民を見殺しにする姿勢をむき出しにしている。
 菅は17日夜の記者会見で「(緊急事態宣言の解除は)医療提供体制の確保が前提」と述べた。ふざけるのもいい加減にしろ! この1年以上、コロナ専門病院・病床の抜本的な増強など国が当然やるべき施策を全然やらず、GoToや五輪強行で感染を爆発させ、医療提供体制を崩壊させたのは菅自身ではないか!
 そして小池都知事も自らの責任を省みることなく「災害級の危機」「自宅を病床に」などと言っている。断じて許せない。
 加えて菅や小池は「帰省や外出を控えろ」と言いながら、パラリンピック開催を宣言した。さらに無観客でも「学校連携観戦」を実施することを決めた。まさに常軌を逸した暴挙だ。
 そもそもパラリンピックは、新自由主義が障害者を差別し排除し、階級分断と搾取強化のために利用している現実を隠蔽し、障害者と労働者階級を国家主義的に取り込み、暴力的に支配していくものとしてある。戦争のための国家総動員イベントだからこそ、菅も小池も、教育労働者、児童・生徒、地域を必死に動員しようとしているのだ。
 だが、あまりに矛盾的、破綻的なやり方に教育現場からは怒りの声が上がっている。なにより、過酷な現場に身を置く病院や保健所の労働者は、「災害ではなく人災。全休ストが必要」「人命を考えるならパラリンピックは一刻も早く中止を」「2人とも(菅と小池)至急お辞めになった方がいい」と怒りの声をあげている。現場からの実力決起でパラリンピックを粉砕しよう。

決定的危機深める菅政権

 日帝支配階級は、今まさに「8・15敗戦」過程と同じ状況にある。「パンデミック・緊急事態宣言下での五輪開催」という、科学的・合理的・常識的に判断すれば、あまりにも矛盾的で「無謀な戦い」を止めることもできず、ついに破局的事態に立ち至った。
 なぜここまできたのか。第一に、彼らが今日のコロナ危機を生み出した日帝・新自由主義の延命を一切の目的にしているからである。コロナは新自由主義が生み出したウイルスであり、新自由主義を続ける限り増殖し続ける。新自由主義・巨大独占医療資本の利潤となる「ワクチン開発・接種」には一定の資金をつぎ込むが、資本の利潤を「浸食する」医療体制の拡充はやらないどころか、一層の医療費削減、民営化、規制緩和を推進する。「自宅療養」と称する人民見殺し政策は、国は一切責任を取らないという新自由主義医療の本質であり末路だ。
 第二に、彼らが何よりも恐れているものは、コロナ感染の拡大ではなくて自らの政治支配・階級支配の崩壊であり、階級闘争の爆発、革命であるからだ。
 五輪を中止することは、安倍政権以来、「復興五輪」「ウイルスに打ち勝った証」「完全な開催」などとウソ八百を並べてやってきたこれまでの全政策の失敗、破産を突き出し、責任問題を爆発させる。それは政権崩壊に直結する。だから菅は、何が何でも五輪を開催しなければならなかった。だが、その結果はより破滅的な事態を招いた。
 第三に、日帝は、この破局的事態を自らつくり出しながら、逆にこれを「非常事態」として階級闘争を解体し、国家主義・排外主義、改憲・戦争のテコとして使おうとしている。
 菅政権は、2019年度〜23年度「中期防衛力整備計画」を前倒しで改定し、GDP1%枠を突破する大軍拡に踏み切ろうとしている。4月の日米首脳会談の共同声明に盛り込んだ「日本の防衛力強化への決意」を実行に移し、「台湾有事」での集団的自衛権の発動=中国侵略戦争を想定した侵略軍隊化への大転換を狙うものだ。
 ウィシュマさん虐殺が示した外国人差別・抹殺政策の激化もこの中で起きている。法務省・入管の責任を徹底的に追及し、今こそ全被収容者の解放、入管体制解体へ闘おう。
 アフガニスタンからの米軍撤退とかいらい政権の崩壊は、新自由主義の世界史的な破綻、崩壊の始まりであり、アメリカ帝国主義の歴史的な没落と危機の深まりを突き出している。だが、危機が深まれば深まるほど米帝は一層凶暴化する。米帝も日帝も、大軍拡と対中国侵略戦争体制構築にますますのめりこんでいく以外にない。改憲・戦争との闘いがいよいよ決定的な段階を迎えた。
 コロナ危機と戦争の危機は新自由主義の崩壊と破滅として進行している。労働者階級が生きる道は唯一、この新自由主義の破局・破滅をプロレタリア革命の勝利に転化することである。

今こそ階級的労働運動を

 コロナ危機の破局的段階への突入、新自由主義の崩壊の破滅的進行、菅政権の危機の爆発と階級支配の危機は、革命的情勢をますます成熟させている。
 だが革命的情勢を革命に転化することは、革命的階級である労働者階級の能力にかかっており、その能力を形成する革命党の意識性が最高度に問われる。いま党として全力を尽くすべきことは、新自由主義によって解体され後退してきた労働組合・労働運動の力を取り戻すこと、そのために全力で闘うことである。何よりも動労千葉、関西生コン支部、港合同が呼びかける11月集会に、階級的労働運動の具体的な姿を無数に登場させることである。
 「資本主義の危機がここまで深くあらわれているのに、労働運動の側が資本主義にNOと言えない。問われているのはこういう次元の問題だ」(中野洋動労千葉元委員長)。資本主義の危機の深さを捉えきり、新自由主義・資本主義を打倒する階級的労働運動を意識的につくっていくことだ。そのためにもコロナ危機、医療崩壊、改憲・戦争という、新自由主義がもたらしている現実に全力で立ち向かっていくことが重要だ。
 動労千葉や医療産別を先頭としたコロナ下での階級的労働運動の実践、関生弾圧粉砕闘争の前進は、闘えば勝てる展望を示している。さらに、7・23五輪粉砕闘争や8・6広島闘争は、階級を信頼し、その怒りを体現して絶対反対で闘えば、情勢を動かすことができることをつかんだ。この確信をもって職場で闘いを組織しよう。労組交流センター、「棘(とげ)2」上映会、改憲・戦争阻止!大行進運動などあらゆる水路を通して地域での組織化を進めよう。今秋決戦の勝利のために9・12革共同政治集会に大結集しよう。

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