映画「棘2 独白」を見て 労組再生へ全国で上映会を

週刊『前進』04頁(3207号02面03)(2021/08/23)


映画「棘2 独白」を見て
 労組再生へ全国で上映会を




 ドキュメンタリー映画「棘(とげ)2 独白。武建一」上映会が8月14日、関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会主催で都内にて開かれました(写真)。参加者の映画の感想を掲載します。(編集局)

 私が関西生コンの闘いに具体的な形で触れてきたのは、この2、3年でしかない。なかでも2018年7月以来の大弾圧。のべ89人逮捕! 71人起訴! 組合にとっては、天地をひっくり返す攻撃である。
 昨年の3月、「関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会」が結成された。会員になった。映画「棘」の上映会運動が始まった。その後、大阪の集会にも参加した。今年3月に「実刑8年求刑」が出たときは、「日本の労働運動の大事件だ! 許してはならない」と強く思った。労働運動は、資本との闘い、司法との闘い、国家権力との闘い、労働者が絶対引き下がれない闘いだからだ。労働者側に「実刑」なんてありえない。労働者、否、労働者階級が問われたのだ。
 7月13日判決日、地区の若い仲間に呼びかけて公判闘争に参加した。判決後、武建一委員長の発言を初めて直接聞いた。「これからも正当な要求実現のためにストライキで闘う!」。一つ一つの言葉が全身から力強くあふれ出ていた。
■ほとばしる権力への怒り
 「棘2」は、「棘」と同様、関生支部の闘いを伝え、武委員長を長期勾留から奪還する目的で、平林猛著『棘男』を基に杉浦弘子監督が作った映画である。
 くぐもった、しかしながらきりっとした低音の語り(語りは俳優の大久保鷹)で、場面は夜明けの組合事務所の開門から始まる。武委員長がブラインドを手で広げ、「あの市場のところから24時間(警察が)監視しているんですよね」と言って座る。そして語りだす。弾圧については「2年ちょっと」と。「故郷を奪われ、仕事場を奪われ、人生そのものを奪われた」と怒りを込める。そして「こんなこと、社会が許すわけがない」「新しい闘いの始まり」と続く。
 武委員長が労働運動を始める原点にも触れている。職場の先輩である勝又十九二からまともな労働運動を学んだ青年時代、労組弾圧で今回も含め「前科5犯」になったことも語られる。「(司法や警察は)人権感覚全くなし」「人質司法」「争議現場にもいっていない、指示をしていないにもかかわらず(有罪)」「ストライキは犯罪ではない!」。胸に言葉は響く。なぜ弾圧に耐えられたかの質問には、「組織の弱さ、人間の弱さを見つめること」「私には希望がある」「不況はチャンス」「3倍返し」と言い切り、社会の見方と生き様を示す。
■関生と共に闘おう
 〈コロナ×大恐慌〉情勢とは労働者にとってどういう状態か? あんなにデジタルや効率化と言いながら、社会を破壊し、それを放置する。資本主義は力がないのである。だが労働者は労働者を組織する力を持っている。闘えば勝てる。「どこからでもやり直せる!」(武委員長)。
 「棘2」上映会運動は関生弾圧粉砕の運動であると同時に、全職場に労働組合を再生させる契機になる。11月集会を組織する最良のオルグだ。全国に広げよう。
(杉並 伊藤登美子)

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