動労千葉を支援する会定期総会 新自由主義終わらせる労働運動つくりだそう

週刊『前進』04頁(3209号02面01)(2021/09/06)


動労千葉を支援する会定期総会
 新自由主義終わらせる労働運動つくりだそう

(写真 動労千葉の組合員が支援のお礼と決意を述べた【8月28日 千葉市】)

(写真 運動方針を提案する山本事務局長)


 動労千葉を支援する会は8月28日、DC会館で2021年度定期総会を開いた。今年の総会はコロナの全国的な感染爆発で全国からの結集が非常に困難ななかで、東京と千葉の会員を中心に開催された。また今年の総会では、支援する会事務局次長を新設。東京西部の織田陽介運営委員が就任し、体制を強化した。

崩壊したJR民営化体制

 コロナ禍はJR民営化体制を崩壊させた。それは「鉄道崩壊」ともいうべき全面的なものだ。
 JR北海道、JR四国は、多額の政府資金を投入し、やっと維持するという事実上の再国有化のなかで若手社員が次々と辞めている。JR西日本では廃線化が一気に加速し、JR東海では「国策」であるリニア計画が破綻しかねない状況だ。本州JR各社は巨額の赤字に陥り、鉄道を民営化したら公共交通は維持できないということが改めて突き出されている。
 しかしJRは、資本の延命策を「鉄道事業の脱却」に求め、これまでの価値観を根本から覆す大リストラ攻撃をかけてきている。

不当解雇の当事者JRは出てこい!

 国鉄1047名解雇撤回闘争も新たな段階に入っている。地労委、中労委を経て、現在、JR復帰と団交開催を求めて東京地裁を舞台に争われている。
 この裁判の焦点は、JRを当事者として裁判の場に引きずり出すことだ。支援する会は、裁判所の不当な訴訟指揮を許さずJRを擁護する中労委を弾劾するために、動労千葉組合員と共に傍聴闘争を闘い、東京地裁あての署名を集めてきた。新たに開始された署名も5400筆を超えようとしている。
 階級的労働運動を最後の一線で守ってきたのは国鉄闘争だ。動労千葉を支え、労働運動再生を目指して共に闘ってきた支援する会の運動の底力が発揮される時が来た。

労働者が闘う組合に結集する時代だ

 総会の司会を東京中部の運営委員が行った。「資本主義による地球環境破壊、労働者の生活破壊が進み生存の危機になっている。これとどう闘い、その展望を切り開けるかを話し合う総会となる。先日、中部ユニオンに郵政労働者が新たに加入した。闘う労働組合として登場した時、労働者は必ず結集する」と、力強い発言で総会が始まった。
 開会あいさつを東京西部の運営委員が行った。「9年にわたって中野電車区前で毎週ビラまきを行ってきたが、その過程で動労千葉物販に協力してくれる人も出ている。なぜか? 解雇撤回を闘っているからだ」「コロナ禍のなかで物販オルグを行ってきたが、特別支援学校で新規の注文があった。ワンマン運転反対の訴えに共感したからだと思う」と、この1年間の具体的報告を行った。

自らの職場・地域で運動を

 山本弘行事務局長が運動方針を提案した。
 山本さんは、「コロナ禍とそれに便乗した激しい攻撃のなかで職場には怒りが渦巻いている。CTS(千葉鉄道サービス)職場代表選挙の勝利に示されるように、動労千葉への支持が職場に広がり、動労千葉の闘いが労働者の心をとらえ始めている」と報告した。さらに、「郵政や教育などあらゆる職場で民営化、外注化が破綻し、さらにコロナ禍は医療や社会保障の崩壊を突き出した。医療労働者のストライキが社会的な共感を呼び、青年や学生を中心に、『この現実を変えなければいけない』と立ち上がり始めた」と述べた。そして「動労千葉の反合理化・運転保安闘争から学び、何よりも自らの職場、地域で、新自由主義を終わらせる労働運動をつくり出すために総決起しよう。11・7労働者集会の大成功を勝ち取ろう」と提起した。
 最後に、動労千葉の物資販売活動を支える取り組みは支援する会の運動の土台であり、これと共に解雇撤回・JR復帰の新署名運動も闘う労働運動再生の水路だと強調し、その地道な取り組みを通して支援する会の会員を拡大しようと訴えた。

鉄道崩壊もたらす融合化

 動労千葉からの報告を関道利委員長が1時間にわたって行った。最初に、「コロナ感染は完全な人災だ。JRもCTSも入社時の検温さえやらない。さらに職場でコロナ感染者が出ても、『濃厚接触者はいない』と所長が勝手に判断している」と会社のデタラメな対応を弾劾した。さらに、ある運輸区では運転士が感染し列車運行に影響が出かねない事態も起きていると報告した。
 次に、5月26日に提案された「柔軟な働き方」の狙いと本質を徹底暴露した。「すべての現業職の職名廃止」「乗務員と駅業務、店舗、除草・除雪、支社業務などを融合する」というものだが、その背後で外注化の全面的な崩壊が進行している事実を明らかにした。外注化で労働者の労働条件がどんどん解体されていくなかで、鉄道業務の全系統で必要な労働者を確保できなくなり、駅では要員不足が常態化して窓口が閉鎖されているという。そして、融合化提案の先にあるのは、さらなる安全と技術継承の破綻―「鉄道崩壊」だと断言した。
 そして最後に、「攻撃の本質を真正面から見据えて全力で対決する。団結して闘えば、展望は必ず切り開かれる。組織拡大へ総力を挙げる」と動労千葉の決意を語り、11月労働者集会成功に向けての組織化、「棘(とげ)2」上映会運動の取り組みを訴えた。
 中村仁書記次長が物販について報告した。コロナでオルグ活動が制約されたにもかかわらず前年と同水準の売り上げを維持したことは、支援する会の長年にわたる活動の成果だ。

現場の闘いつくり11月労働者集会へ

 討論では、千葉から木更津でのオスプレイ反対運動の報告をはじめ、東京各地の支援する会から会員拡大の報告、オリパラ学校観戦反対の取り組み、郵政での非正規職労働者組織化の前進などが報告され、その教訓を全体で共有した。
 動労西日本の山田和広書記長は、JR西日本でのコロナを口実とした一時休業攻撃の実態を報告。職場から反撃するために討論を開始していると語った。
 討論と運営委員の選出を受けて動労千葉組合員が前に並び、支援のお礼と決意を述べた。
 最後に、織田事務局次長が総会をまとめ、「どんなに小さくても職場からの闘いをつくり出し、動労千葉とつながっていく。新自由主義を終わらせる現場の闘いをつくり出し、11月労働者集会に向かおう」と訴えた。

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