都立病院つぶすな10・23集会へ 戦時医療のための「定款」許さない 医療労働者先頭に連日都議会闘争

週刊『前進』04頁(3215号02面01)(2021/10/18)


都立病院つぶすな10・23集会へ
 戦時医療のための「定款」許さない
 医療労働者先頭に連日都議会闘争

(写真 職場や地域の思いを込めてつくったボードを掲げ、都議会に向かってシュプレヒコール【10月8日 都庁前】)

(写真 雨の中でも多くの人が都庁前で署名に応じた【10月13日】)


 都立・公社病院の独立行政法人化に向けた「東京都立病院機構」の「定款」案採決阻止へ、都議会前では医療・介護・福祉労働者を先頭に連日の行動が闘いぬかれた。都議会での採決は強行されたが、労働現場からの反撃こそが独法化を阻む最大の力だ。「民営化は悪だ! 都立病院つぶすな10・23集会&デモ」、11・7労働者集会への大結集をかちとろう。

「現場の声を聞け!」

 本会議で一般質問が行われた6日には、「都立病院をつぶすな! 署名アクション」の呼びかけで都庁包囲デモが闘いとられた(前号既報)。「独法化は戦争動員!」「小池は出てこい!」の声が都庁一帯に響き渡った。その後の宣伝行動では、現場労働者が次々とマイクを握って訴えた。「『独法化で感染症医療が強化される』など冗談ではない。8月に112人もの都民が自宅で殺されたのは、コロナの前から医療も介護もズタズタにされてきた結果だ」「小池都知事は、私たち医療・介護・福祉現場で働く労働者の前に出てきて説明しろ!」「医療の崩壊は新自由主義下で生み出されたものだ。私たちはこれ以上『命より金』の社会を認めるわけにはいかない」「定款の制定は、戦争に向けた有事体制づくりだ。労働者の命を救い生活を支える医療ではなく、戦時型のトリアージの医療になる。絶対に許さない!」

露呈したでたらめさ

 8日には厚生委員会での審議に対して、午前11時から午後4時まで都議会北側の歩道で座り込みとマイクアピール。昼休みに行われた労組・団体の独法化反対集会の参加者とも活発な議論が交わされ、署名も130筆超が集まった。
 傍聴席はたったの4席だったが、夜までの審議を通じて、独法化提案のでたらめさが改めて浮き彫りになった。看護師不足の理由として「地方公務員法の制約」をやり玉に挙げながらも、コロナ下にもかかわらず実際には減員を放置するだけだったことも明らかに。「来年7月に独法化」という日程を、「第5波」のただ中で8月末に決定したという。「感染症医療強化」など口先だけだ。

10分での決定に怒り

 厚生委員会での定款案採決が狙われる中、11日も午前11時から都議会前に結集。のぼりや横断幕、ボードに大きな注目が集まり、座り込んでビラを読む人も。元看護師の仲間は東大病院の例を引き「独法化とは『もうける医療』に変えるとともに労働組合を弱体化させるということ」と暴露した。30筆近い署名が集まった。
 ところが午後1時からの厚生委員会は、都議2人の反対意見を受けただけで「起立多数」として議長が「192号議案は原案の通り決定されました」と宣言し、わずか10分ほどで散会! 直ちに医療労働者の怒りのアピールが響いた。

独法阻止はこれから

 本会議最終日の13日。休みを取って都議会前に駆けつけた介護現場の仲間は「定款案にある『緊急事態』には戦争も入る。戦争にも率先して従事しろということだ。労働者を戦争に動員するような定款を認めるわけにはいかない」と訴えた。
 本会議開会の1時には本会議場の正面に移動してシュプレヒコール。定款案採決が強行された午後2時、改めて怒りの声をたたきつけた。定款の制定は絶対に許せないが、「もっと反対の声を高めよう」「署名の勢いは止まっていない。これからも集めよう」などの声が口々に上がった。闘いはこれからだ!
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◆民営化は悪だ! 都立病院つぶすな10・23集会&デモ
 10月23日(土)すみだ産業会館サンライズホール(JR錦糸町駅南口すぐ)
 午後1時40分ビデオ上映、2時集会開始、3時30分デモ出発
 主催 東京労組交流センター

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