11・19最高裁デモへご参加を 裁判員制度廃止の旗高く掲げよう 「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人 高山俊吉弁護士

週刊『前進』04頁(3218号04面01)(2021/11/08)


11・19最高裁デモへご参加を
 裁判員制度廃止の旗高く掲げよう
 「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人 高山俊吉弁護士


 「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人の高山俊吉弁護士から、11・19最高裁デモへの参加を呼びかけるアピールをいただきました。(編集局)
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 新自由主義司法改革の目玉、「裁判員制度」が始まって13年。その裁判員法は、「裁判員が裁判官と共に刑事裁判手続に関与することは司法に対する国民の理解の増進と信頼の向上に資する」と言います。
 しかし、国民の理解を深めさせ信頼を高めさせたいからと言って、司法の現場に国民を呼び込むことは当然だとはいえない。なぜ司法の素人を裁判官席に座らせるのか。それも罰則付きで強制するのか。制度を答申した司法制度改革審議会は、重大な刑事裁判に裁判員を関与させるのは、「法律専門家と非専門家がそれぞれの知識経験を共有し、その成果を裁判内容に反映させること」を目的とするからだと言いました。
 しかし、答申は、知識も経験も大きく異なる裁判官と裁判員がどうやって「知識経験を共有」し、「成果を裁判内容に反映」し得るのかについて、何一つ説明しませんでした。世論調査では8割を超える国民が裁判員になりたくないと答え、拒否の意思を強く示しています。
 野党の追従や日弁連の支持を頼りに強引に走り出したこの構想は、国民から出頭拒否という強烈な反撃のパンチを受けました。政府や最高裁は時が経てば理解が進むと強がりましたが、拒絶の勢いは時の経過とともに強まり、最高裁は激増する出頭拒絶者を一人も処罰できない事態に立ち至ります。
 今や、裁判員候補者に選ばれた者の2割強しか出頭せず、その裁判はわずかな出頭者によってやっと実施されている状態にあります。最近の裁判官のレポートには、「裁判員との実質的協働」ができていないという悲鳴の報告も登場しました。
「国民の司法参加」と言えば、ヒトラーの研究者ロバート・ジェラテリー・オックスフォード大学客員教授の、「警察またはナチ党に情報を提供することは、第三帝国では市民参加のもっとも重要な貢献のひとつだった」(『ヒトラーを支持したドイツ国民』)という言葉が想起されます。
 ナチズムに詳しい池田浩士京大名誉教授は、制度実施を迎えた時期に同書を評して次のように指摘しました。「あらゆる『非社会的分子』の摘発と抹殺に貢献したのが、凶悪犯罪を憎み極刑を是認する(ドイツ人の)国民感情だった。国民の能動性に依拠して戦争と大量虐殺に突き進み、敗戦に至るまで国民に支えられつづけたヒトラー体制の日常を本書によって見つめなおすとき、凶悪犯罪を激しく憎む私たちの世論と、近く始まる『裁判員制度』の行く末にも、思いを致さずにはいられない」
 「第三帝国における市民の治安活動参加」と「裁判員制度における国民の司法参加」は明らかに通底します。裁判員制度の実施目的は、被告人を裁く経験を通してこの国の「安全や秩序」を守るのは自分だと決意させることにある。国の安全と秩序の維持に貢献したいと胸を張る市民が司法の世界に登場するのはこの国が戦争に近づく時です。反戦と改憲阻止の声を上げる私たちは、裁判員制度廃止の旗を高く揚げる必要があります。
 今般の総選挙の結果は、中途半端であいまいな言説は結局国民に見放されること、真実を正面から指摘し弾劾することだけがこの社会を変える力になることを明確に示しました。
 11月19日に行われる「裁判員制度廃止 最高裁デモ」への読者諸賢のご参加をあらためて心から呼びかけます。

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最高裁は「現代の赤紙」を送るな!
11・19裁判員制度廃止 最高裁デモ
 11月19日(金) 正午デモ出発 日比谷公園霞門
 呼びかけ 裁判員制度はいらない!大運動、憲法と人権の日弁連をめざす会

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