改憲阻止・岸田打倒 労働者階級の総反撃へ 11・7全国労働者集会発言

週刊『前進』04頁(3219号02面01)(2021/11/15)


改憲阻止・岸田打倒 労働者階級の総反撃へ
 11・7全国労働者集会発言


 11・7全国労働者総決起集会は、新自由主義と闘う労働組合、労働者、青年・学生が総結集し、階級的労働運動の発展へ大きな地平を切り開いた。主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)

開会あいさつ

困難乗り越え闘い広げたことに展望
 全国金属機械労組港合同 執行委員 木下浩平さん

 今日のコロナ下において、この社会がどういう社会だったのか、本当の姿が暴き出されました。医療は崩壊し、解雇や首切り、自殺の急増。この1~2年、労働者は本当に悔しい思いをしながら生きぬいてきました。
 政権や資本は、こうした労働者の思いを踏みにじりながらオリ・パラを強行し、国威発揚とさらなる金もうけに突き進んできました。新たに登場した岸田政権も改憲・戦争へと突き進んでいます。私たちは、関西でも9月に舞鶴現地闘争を闘い、また九州の仲間と連帯して佐世保現地闘争を闘うなど、戦争と改憲を止める闘いを全国各地で闘いぬいてきました。
 この全国労働者集会は今年で24回目を数えます。この集会は国鉄闘争と関西生コン弾圧粉砕を二つの柱にしながら、全国に労働組合をよみがえらせ、階級的団結を取り戻す闘いの出発点だと思います。
 動労千葉では渡辺新書記長が登場し、関西生コン支部では湯川新体制が確立し、そして、それぞれ組織拡大を実現しながらこの集会に結集しています。激しい組織破壊攻撃を乗り越えて、闘いを強力に拡大していく、この中にこそ展望があるのではないでしょうか。全世界の仲間に届くように、この熱気と運動を発信していきましょう。関生弾圧粉砕の特別報告

労組つぶしと闘い組織拡大実現した
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 関生支部は10月10日の定期大会で新体制を確立しました。湯川新委員長のもと全組合員が団結し、権力弾圧粉砕・大阪広域生コン協同組合の組合つぶし粉砕・関生型産別労働運動の復権に全力を尽くします。
 大会の2日後には、生コン関連企業の労働者2人が関生支部に加盟しました。17年のストライキを理由に解雇された分会長が、解雇撤回を日々闘いながら2人を勧誘した成果です。
 この成果の要因として、関西労組交流センターの仲間の支援行動によるものが大きいです。3月のナニワ生コン包囲行動、6月の大阪府茨木市攻めの共同行動、9月の北摂労働者集会などの行動を、現場の労働者、特に生コン関連の運転手さんが見て、闘う労働組合に結集しよう、関生支部に加盟しようと決めたのだと思います。その原理・原則の現場行動が組織拡大を実現したのだと思います。私は関西労組交流センターと関生支部の共同行動を誇りに思っております。
 現在、私たちは港合同の先輩たちの闘いを学び直して、背景資本や取引先に対する街宣を展開しています。大阪のオフィス街で「労働組合です」と言ってビラを出すと会社員らはしっかり受け取ってくれる。特に女性のビラの受け取りがいい。労働者は闘う労働組合を求めている。具体的な計画―実践―点検―再実践のサイクルで活動することで、希望を失っている労働者を労働組合に結集できると思います。

「嘆くな! 組織せよ!」の精神で
 関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会共同代表 木下武男さん

(写真 関生を支援して闘う人々が登壇。発言は木下武男さん)

 関西生コン弾圧はこれまでにない大規模な、徹底したものです。関西生コンは今、地べたをはうような闘いを強いられております。
 しかし、これは関西生コンだけでなく、日本の労働運動全体の課題です。今必要なことは関西生コンと同じような労働組合を組織し、労働者を結集していく闘いです。でっち上げで銃殺刑に処せられたアメリカの労働運動家ジョー・ヒルが処刑前夜に言ったように「嘆くな! 組織せよ!」----この精神のもとに我々は労働者を組織し、労働組合の再建へ奮闘しようではありませんか。

月1回の街頭宣伝で弾圧粉砕訴える
 関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会 事務局長 柿山朗さん

 労使一体のトヨタ労組の最も対極にあるのが関西生コン支部です。関生の闘いを必ず勝利させましょう。
 毎月、私たちは月1回の街頭宣伝をやります。来月には名古屋一番の繁華街の栄でやろうと思います。
 新しい段階に進む関生の裁判を皆でしっかり考えていこうと、冊子を作っているところです。ぜひ販売へのご協力をお願いします。大詰めですが、最後は大衆闘争で勝利しましょう。

基調報告

労組のあり方変えよう
 国鉄千葉動力車労働組合 関道利委員長

 うそと欺瞞(ぎまん)に満ちた総選挙が終わりました。新自由主義が崩壊しようとしています。岸田までが「新自由主義からの脱却」を口にせざるを得ない。野党も与党も分配が大事だと言いますが、真実をぬり隠すペテンです。
 新自由主義は、1987年の国鉄分割・民営化攻撃によって本格的に始まりました。20万人の国鉄労働者が職場を追われ、労働組合が徹底的に破壊され、膨大な廃線化が行われました。それを中曽根は「国家改造だ」「立派な憲法を安置するためだ」と言ったのです。医療が破壊され、多くの人命が奪われました。それにもかかわらず、都立病院を独法化・民営化する陰謀が進められています。
 関西生コン支部の仲間たちは、強力な産業別労働運動をつくりあげてきました。襲いかかったのは労働基本権を犯罪視し、89名もの組合員を逮捕・長期勾留する戦後最大の労組弾圧でした。2千百万人の非正規も格差・貧困や労働法制解体によって生み出されました。今、東アジア・中国を焦点に大軍拡、侵略戦争の危機を過熱させています。
 これが新自由主義でした。資本主義の最後の、絶望的な延命策です。それが崩壊しようとしています。「資本主義の終わり」が始まろうとしています。歴史は動こうとしています。
 次に、労働運動再生の課題と展望について訴えます。11月集会は今年で24回目です。目指してきたのは、こうした時代に通用する労働運動をつくりたいという思いでした。呼びかけ3労組は、新自由主義攻撃の渦中で強力な団結をつくりあげた共通点をもっています。そのもとに集まって下さった皆さんは困難な時代に決して負けなかった。その必死の努力が時代と結びつき、力を帯びる時が来ようとしています。
 新自由主義を終わらせなければなりません。労働組合が鍵を握っています。破壊された雇用や権利、医療、教育、社会のすべてをつくり直すことができるのは労働者の団結した力だけです。その闘いは、社会の根本的な変革を求めるものにならざるを得ません。
 日本の労働組合は新自由主義攻撃に立ち向かえず崩れていきました。労働組合のあり方を刷新しなければなりません。第一に、労働組合を資本と闘うための武器として位置づけることです。第二に、一番大事な課題として「どんな時代に生きているのか」という時代認識を明確にすることです。第三に、労働者が社会の主人公であることへの誇りを団結と闘いの土台に置くこと。第四に、労働者に国境はないこと。第五に、反戦闘争を労働組合の本質的課題として位置づけること。こうした新たな団結のあり方をつくることが求められています。
 JRでも、ついに民営化とその後の外注化攻撃が崩壊しようとしています。JR東日本でも、全系統で必要な労働力を確保できなくなっています。それを、職名を廃止し、業務も融合化し、企業の壁をこえて働かせるという極端な合理化で乗り切ろうとしています。「労組なき社会」化を狙っています。しかしこれは、鉄道の崩壊、安全の崩壊を加速させるだけです。
 動労千葉は、20年に及ぶ外注化阻止闘争をさらに発展させる闘いに踏み出しました。JR側は、動労千葉の影響を排除しようと、組合員の雇用延長を拒否する攻撃をかけています。一昨日に、千葉県労働委員会に申し立てを行いました。
 また、地域切り捨てに対し、地域ぐるみの闘いに挑戦しています。新自由主義下で労働運動の新たな可能性を模索する闘いです。いよいよJR体制を打倒する闘いが始まります。
 本集会には世界各地から多くの賛同が寄せられ、滞日の皆さんが多く参加しています。来年はすべての仲間を招けるよう、私たちの組織的力量を高めることを訴えます。世界中で燎原(りょうげん)の炎のように労働者が立ち上がっています。ストライキが全米を席巻し、韓国・民主労総は26万人がゼネストに突入しました。ミャンマーでは命がけの闘いが開始されています。私たちも同じ時代を生きています。必ず時代は動き出します。
 さらに、職場の闘いと一体で改憲・戦争阻止!大行進運動の発展、岸田政権打倒に総決起することです。
 不可能だと思われたことも可能性をもつ時代です。労働運動の再生は時代の最先端の変革です。大胆に踏み出しましょう。私たちの力で新自由主義に断を! 大軍拡・改憲・戦争を止めましょう。来年は、この集会も25周年を迎えます。知恵と力、職場からの実践をもって時代に躍り出る飛躍を実現しましょう。

国鉄1047名の解雇撤回へ

(写真 「不当解雇を撤回させ職場に戻る」と決意表明する中村仁さんと羽廣憲さん【左】、小玉忠憲さん)

動労千葉争議団 
 中村仁さん

 1047名解雇撤回の行政訴訟で、東京地裁はJR東日本の訴訟参加を決定しました。しかし、JRはこれを拒否しています。JR東日本を法廷に引きずり出し、真実を明らかにして、雇用主である責任をとらせ、解雇撤回・JR復帰を勝ち取ります。
 今度の総選挙で明らかになったことは、既存の野党では社会を変えることはできないということです。労働者が現場で団結し現場から闘うしか、この社会を変えることはできないことが明らかになりました。労働組合の再生こそが社会を変革する原動力です。
 戦争する国にさせない。労働運動が「犯罪」とされることを断じて許してはなりません。労働者が元気に笑顔で生活できる世の中を、労働運動の実践で、行動でつくりましょう。私はその先頭に立ちます。

動労総連合1047協議会
 小玉忠憲さん

 国鉄が分割・民営化されて34年になります。私たちは絶対反対してきました。1047名の解雇に黙っているわけにいかない。私たちは絶対勝利するまでとことん闘います。

動労総連合1047協議会
 羽廣憲さん

 この間、九州でも非正規労働者のストライキをはじめ様々な闘いが、解雇撤回を求めて闘われています。関生弾圧粉砕へ、武谷さんに九州に来ていただき、関生型労働運動の神髄を学びました。
 私たちは、資本と闘うために団結するんです。群れるためじゃない。先日、佐世保でも陸自軍事演習反対を主催者の一人として闘いぬきました。反戦反核、改憲阻止の闘いをすべての労働組合が闘えるように、私たちも解雇撤回を掲げ続けて、しつこく闘います。

動労千葉弁護団長/国鉄闘争全国運動呼びかけ人
 葉山岳夫さん

 東京地裁は9月2日にJR東日本の訴訟参加を許可し、それは確定しました。
 斎藤英四郎JR設立委員会委員長と葛西、井手らが1987年2月に密議・共謀して、葛西が不採用基準を作成し、その結果、原告を含む1047名が不採用にされた事実を、2013年に突き止めました。不当労働行為に設立委員が加担した事実こそ、まさにJRに不当労働行為責任がある明確な証拠です。
 しかし、その事実を裁判所に認めさせるためには、法廷で闘争するだけでは不十分です。社会的な大きな支援運動を展開しなければ、正義が正義として通りません。この裁判闘争に勝利することは階級情勢を変革する大きな力になります。皆さんと固く団結し、弁護団は全力で闘います。

国鉄闘争全国運動・新潟
 阿部啓輔さん

 2010年4月9日のJRの責任を問わない和解をめぐり、激しく対立して、いったんは私たちと離れた労働組合も、1047名解雇撤回の署名を集めてくれています。労働組合である限り解雇に賛成する労働組合はないと思います。労働組合にはいろんな潮流がありますが、1047名の闘いは誰も否定できない。繰り返し執念で訴えることで状況は変わってきます。
 JRが当事者であることを9月2日に裁判所に認めさせたことは大きな勝利です。これを本当の勝利にするのは、やはり署名です。国鉄闘争全国運動の事務局が作った「入門国鉄闘争」を読んで、その力で1047名闘争の正義性を訴える組合回りをしましょう。

大合理化と闘うJR職場から

(写真 JR職場で闘う労働者が登壇し発言)

動労千葉千葉運転区支部長
 高澤成夫さん

 私は2年前に60歳になって、エルダー運転士として現在も現役時代と全く同じ仕事を給料半分で続けています。この数年、JRがやっていることは、国鉄時代から守り続けてきた安全安定輸送を捨て去り、株主優先、黒字決算、どれだけコストカットするかだけを目的にしています。
 JRは業務融合化、職名廃止を来年3月のダイヤ改定から始めると提案してきました。運転士や車掌は安全安定輸送のために運転業務に集中しなければなりません。コンビニの商品管理までしながら、片手間で運転士や車掌ができるはずはないですよ。
 鉄道業務の専門性を投げ捨て、要員削減と合理化だけを追求すれば、鉄道の安全も技術継承も破壊されます。だめなことはだめだと声を上げて闘わなければ、さらに加速します。共に闘いましょう。

動労千葉執行委員
 北村武さん

 11月5日、動労千葉は65歳以降の就労を希望した2人の組合員が雇用延長を拒否されたことに対して、千葉県労働委員会に申し立てを行いました。今後、組合員の雇用延長が拒否された場合は、次々と申し立てを追加して徹底的に闘う方針です。
 今、ものすごい勢いで合理化、要員削減、賃金カットが始まっています。私は幕張車両センターで車両清掃をしていますが、夜間清掃はこれまで20人でやってきたのを、去年の春に3人減らされ、今年の10月からさらに3人減らすという、とんでもない要員削減を会社は言ってきました。説明会では約1時間半近くにわたって当局・管理者を追及し、10月1日からの夜勤削減を阻止するところまで闘いました。残念ながら11月1日から削減は強行されたんですが、管理者の側は労働者の怒りに戦々恐々としています。
 この闘いの中で2人の新しい仲間が動労千葉に加入してくれました。職場で一つに固まれば十分に会社と闘うことができると、今回の闘いで確信しました。

動労水戸委員長
 木村郁夫さん

 職場の青年たちにどう労働組合の必要性を訴えていくのかが大きな課題です。労組の再構築へ闘います。

動労連帯高崎委員長
 鈴木喜平さん

 私たちは埼玉県労働委員会に不当労働行為救済の申し立てをし、6月にTTS(高崎鉄道サービス)の不当労働行為を認めさせる勝利命令を勝ち取りました。闘いは中労委で続いています。JR東の責任を追及し断固闘いぬく決意です。

動労神奈川書記長
 時廣慎一さん

 私たちの解雇撤回裁判は国、JR、環境アクセスともどもの異例の裁判になりました。必ず職場復帰するように闘います。この闘いは私だけの問題ではなく、全世界の非正規労働者の未来につながると思います。

連帯あいさつ

経済優先ではなく労働者の命守ろう
 東京過労死を考える家族の会

 22年前になりますけれども、小児科医をしていた私の夫は、長時間過重労働が原因で過労自殺しました。コロナ下で医療、介護で働いている人たちは、今みなさんボロボロになって働いているかと思います。ぜひ心と体を健康に保っていただきたいと思います。
 労働者が命をなくしても経済優先の社会なのかと思うと、やはり働き方に関して経営者、そして国民が、私たちと一緒に取り組んでいただきたいと思います。

健康で安全に働ける職場の環境に
 東京過労死を考える家族の会

 私の夫は職場から飛び降りて亡くなりました。妻の私と小学生の子どもが残されました。
 夫が働いていた職場ではお昼休みもない、食べてもパンをかじるだけ、上司から言われることは「ミスるな、事故るな、残業するな」。そういうことを言われて、毎日「頭のはげる思いだ」と言っていました。
 損害賠償請求の裁判をやり、そこで和解解決となりました。そのあと裁判の資料をもとに労災を申請して、最終的には労災認定されました。
 健康で安全に働ける環境になるよう、みんなで頑張っていきましょう。

労働者・学生と団結して三里塚は闘う
 三里塚芝山連合空港反対同盟 市東孝雄さん

 反対同盟は「空港反対、農地死守、戦争反対」で55年間、権力と闘ってきました。今、私の農地を最高裁のお墨付きで強制執行できる状況になっています。しかし今の成田空港はガラガラです。私の土地を取ってまでやる状況では全然ありません。国策と闘う福島、沖縄、そして動労千葉、関生と連帯し、市民運動、学生と団結して反対同盟は勝利するまで闘います。

放射能浴びた子どもたち守る診療所
 福島診療所建設委員会呼びかけ人 佐藤幸子さん

 私の職場の目の前の土はいまだに千ベクレル以上あります。引っ越しをして少し元の生活に戻りましたが、まきの風呂を沸かせばそこは原子炉になるんです。燃やした灰は5千〜8千ベクレルに濃縮される。それが福島の現実です。
 原発事故で放射能を浴びた子どもやお母さんたちにふくしま共同診療所は本当に頼りにされています。よろしくお願いします。

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