JR追及へ裁判と報告集会 国鉄解雇撤回へ巨万の署名を

週刊『前進』08頁(3225号04面01)(2022/01/01)


JR追及へ裁判と報告集会
 国鉄解雇撤回へ巨万の署名を

(写真 裁判に先立ち、東京地裁に向けてシュプレヒコールを上げ1616筆の署名提出に向かった【12月17日 東京地裁前】)

 国鉄1047名解雇撤回闘争は「勝利まであと一歩」の決戦攻防に入った。だからこそ力で局面を切り開くことが必要だ。国鉄闘争全国運動は2015年、10万筆の署名を集めて、動労千葉組合員をJR採用候補者名簿から削除するために「不採用基準」を策定したことは不当労働行為だと最高裁に認めさせた。これを上回る社会的運動を実現しよう。

事実から逃げる中労委

 12月17日、解雇撤回を否定した中央労働委員会の反動命令の取り消しを求めて動労総連合が起こした訴訟の第7回口頭弁論が東京地裁民事第11部で開かれた。
 前沢達朗裁判長は前回、「不採用基準の策定にJR設立委員が関与したというのが原告の主張の要点」と述べ、それへの認否を中労委に求めた。これに対し中労委は「否認する」としながら「事実について詳細に認否するつもりはない」とする書面を出してきた。「不採用は三十数年前のことで、申し立て期間を過ぎているから、事実はどうであれ申し立ては却下されて当然」と中労委は言う。
 原告の代理人弁護団は「87年4月1日のJR不採用が不当労働行為だと原告が主張しているかのように中労委は言うが、原告は不採用基準がJR設立委員によって策定されたことを不当労働行為と言っている。原告の主張を取り違えているのは、中労委が調査もせずに申し立てを切り捨てたからだ」と中労委を批判した。裁判長は原告に、中労委に対する反論の書面を提出するよう求めて、次回期日を2月18日に指定した。
 裁判に先立ち、国鉄闘争全国運動は解雇撤回判決を求める署名を新たに1616筆、東京地裁に提出した。裁判後には弁護士会館で報告集会が開かれた。
 JR設立委員が不採用基準を策定したことの不当労働行為性が裁判で争われるのはこれが初めてだ。03年に最高裁が出した判決は、「採用候補者名簿に組合差別があったとしても、名簿を作ったのは国鉄で、JRに責任はない」とした。これに対し動労千葉は旧国鉄の責任を問う裁判を起こし、その最高裁判決で「不採用基準の策定は不当労働行為」という判断を確定させた。だが、この裁判の被告は旧国鉄だったため、「JR設立委員会が不採用基準を作った」という動労千葉の主張は裁判所に意図的に無視された。そこで動労総連合は18年に改めてJRの責任を追及して労働委員会に申し立てたが、労働委員会は一切の審理を拒んでその訴えを切り捨てた。この反動を押し返し、ついにJRを当事者として裁判の場に引き据えたのだ。

勝利へ運動の力が必要

 動労千葉の関道利委員長が、国鉄闘争全国運動を立ち上げ原則を貫き闘ったことがこの勝利を切り開いたと述べて、10万筆の署名を集めた闘いをもう一度実現しようと訴えた。
 原告代理人の藤田正人、石田亮、野村修一、葉山岳夫の各弁護士が裁判の現局面について解説し、勝利のためには運動の力が必要だと力説した。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の金元重さんが「万単位の署名を集めるための行動方針を皆で考えよう」と強調した。
 動労千葉争議団の中村仁さん、高石正博さん、動労総連合1047協議会の小玉忠憲さんが、現役世代や非正規職の青年のためにも解雇撤回闘争に勝利すると決意を熱く語った。
 動労千葉を支援する会が署名への取り組みを訴え、全国労組交流センターの飯田英貴事務局長がこの闘いに労組交流センターの総力をかけると表明した。
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