国際婦人デー闘争へ 差別・分断、貧困、戦争と闘う 女性労働者の大隊列の登場を 革共同女性解放組織委員会

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週刊『前進』04頁(3232号03面01)(2022/02/21)


国際婦人デー闘争へ
 差別・分断、貧困、戦争と闘う
 女性労働者の大隊列の登場を
 革共同女性解放組織委員会

(写真 昨年の国際婦人デー「新宿大リレートーク&デモ」【3月7日】)


 3月8日は国際婦人デーだ。全世界の女性労働者が、労働者階級の解放と女性の解放をかけて一斉に行動に立ち上がる日だ。戦争と革命の時代の今こそ、1917年ロシアプロレタリア革命の突破口を切り開いた国際婦人デーの闘いを断固と
して継承し、発展させよう。

 〈コロナ×大恐慌〉情勢のもと、新自由主義の大破綻、帝国主義の危機の姿が露呈している。労働者の非正規職化、社会保障の切り捨て、労組破壊、団結破壊の攻撃の中で女性労働者・労働者家族が生きられない社会、若者が希望を持てない社会になっている。女性や子どもの自死が今までになく急激に増加し、息苦しさはひどくなる一方だ。その中から労働者民衆の怒りが沸騰している。
 岸田政権は危機を自認するからこそ「台湾有事」をあおり立て、日米共同で中国への侵略戦争に突進している。防衛費の2倍化、「敵基地攻撃能力保持」「沖縄南西諸島の軍事基地強化」「中距離核ミサイル配備」へと踏み込んでいる。資本家階級は自分たちが生き延びるためには戦争・核戦争もいとわない。その先兵に女性たちを駆り立てようとしている。とんでもない。侵略戦争絶対反対だ。
 戦争の時代だからこそ激化する性差別に対して、怒りの決起を始めている数限りない女性たちよ! 差別は労働者階級を分断する支配の道具だ。だからこそ、根底からの変革―プロレタリア革命をかけて今こそ女性労働者は生きるために世界の労働者階級人民とともに立ち上がろう。

均等法破綻と新自由主義

 男女雇用機会均等法制定から36年。今やその破綻は明らかだ。現実は格差と貧困が女性に押しよせている。今や「女性の貧困元年が1985年」と言われる状況だ。
 その破綻が誰の目にもわかる形であらわれてきている。今こそ、新自由主義を打ち破るときがきた。
 均等法は国鉄分割・民営化、労働者派遣法と一体の新自由主義=労組破壊、戦争攻撃であった。元首相・中曽根康弘は「国労をつぶして(日本の労働運動をつぶして)、総評を解体し、行革でお座敷をきれいにして床の間に立派な憲法を安置する」とあけすけに語り、労組破壊を通して改憲を狙っていた。その核心が国鉄分割・民営化の強行と、均等法・派遣法の制定であった。
 それは政府・資本と労働者階級の力関係の転換を狙った階級分断攻撃であり、激しい労働運動解体攻撃だった。同時に74〜75年恐慌で行きづまった資本の延命をかけた、「安価で無権利な労働力」としての女性労働力の動員にあった。実際に均等法は派遣法と一体で、膨大な数の非正規職労働者を生み出す最大のテコとなった。だが、当時の総評労働運動はそうした敵の攻撃の本質をとらえられずに自ら屈服し、崩壊・解体していった。総評を解体して成立した連合は、逆に資本と一体となって労働者全体の総非正規職化を推し進める帝国主義労働運動と化していったのだ。
 だが今や、こうした新自由主義の総破産・大崩壊が始まった中で、資本と闘わない労働運動の現実を根底から塗り替えるべき時が来ている。新自由主義攻撃と真正面から闘いぬいてきた3労組―動労千葉、関西生コン支部、港合同の闘いに続こう! 均等法攻撃に女性団体として唯一立ち向かった婦人民主クラブ全国協議会と、闘う労働組合をつくろうと結成された全国労組交流センター女性部こそその先頭に立とう。
 均等法以後、資本が市場に駆り出した女性労働者は全労働者の4割になる。その多くが非正規職についている。エッセンシャルワーカーと言われるケア労働―家事、育児、介護、看護を担うのは女性労働者が圧倒的多数だが、資本は人間の再生産に関わる労働はもうけを生み出さないとして圧倒的に低賃金に置かれている。また、岸田首相の「新しい資本主義」は「行きすぎた平等主義や社会保障改革の遅れをなおす。雇用の安全を重視しすぎた」として、さらに格差拡大、社会保障の切り捨て=「自助・共助・公助」を進め、「自己責任」を押しつける。反発が起きたら「危機管理の強化」=関西生コン型弾圧・分断、労組・団結破壊だ。
 コロナ危機で明らかになったのは、エッセンシャルワーカー抜きに社会は成り立たないということ、さらにとりわけ女性労働者がおかれている低賃金、長時間強労働などの極限的状況だ。まさに工場法以前、19世紀のエンゲルスが書いた「イギリスの労働者階級の状態」と同じ、子どもに麻薬をしみ込ませた布をしゃぶらせて寝かして昼も夜も働くという状況が、今まさにコロナ下で起きている。それだけではない。今や多くの女性が結婚して家族をもつことも、子どもを生むこともあきらめるしかないという恐るべき状況にたたきこまれている。新自由主義が世界で崩壊する中で、同時に世界中で女性労働者が資本主義・帝国主義の下では生きていけないと決起している。韓国・民主労総、ミャンマーでもアメリカでも軍事政権と対決して医療・教育を先頭に女性労働者が闘っている。

労働運動の最先頭に立ち

 日本でも、階級的労働運動を推し進める中から力強い決起が始まっている。闘う女性労働者たちは、自ら育児・介護を抱え、一人の労働者として過酷な労働に疲弊し、もがきながら、しかし果敢に闘い、団結を拡大させてきた。そして階級的労働運動の実践の中に女性解放の中身があると確信をもってきている。そしてその決起が労働者階級人民にものすごい勇気と展望をもたらしている。
 一昨年以来のコロナ下での医療・福祉現場では、民営化・独法化・営利主義での医療崩壊が暴かれる中で、「社会保障としての医療を取り戻す」ことを掲げてストライキが闘われた。船橋二和病院労組、高槻医療福祉労組、一陽会労組、八尾北医療センター労組等々。もっとも現場を知り、動かしてきた女性労働者たちが先頭に立って立ち上がり、職場を塗り替え、団結を生みだし、地域・社会をも獲得してきた。
 今や職場にはびこるセクハラ・パワハラに対しても、奈良市従業員労働組合のセクハラ・パワハラ解雇との闘いは、泣き寝入りをさせず、労働組合として団結して闘う道筋を開いた。大阪で行われた「10・24セクハラ・パワハラ解雇をぶっとばせ!集会」では、女性差別は階級分断であり、資本による支配の道具であること、男女の対立ではなく階級対立が社会の根本を規定していることを明確にし、労働組合の実践を提起するという画期的地平を勝ち取った。女性だけの問題ではなく男性労働者もともに階級全体の勝利を開くことができることを実践で示した。奈良市従をめぐる闘いは、産業報国会に転落しようとする自治労本部を打倒し自治体労働運動をよみがえらせる展望を開くまでに至っている。労働者には戦争を止める力、社会を変える力が宿っているのだ。セクハラ・パワハラに呻吟(しんぎん)するすべての女性はともに闘っていこう。
 さらに、7・23五輪開会式反対闘争に決起した全学連の先頭に女子学生たちが立っている。中国侵略戦争情勢に立ち向かい、学生運動の発展を切り開く女子学生たちが、「女性差別の根源は資本主義だ!」とつかんで決起し、階級闘争全体を牽引(けんいん)している。
 新自由主義大崩壊のもとで一握りの資本のみが生き延びるために、労働者階級人民が、賃下げ・インフレ物価高で、格差・貧困・社会崩壊の中に投げ込まれている。「コロナ解雇やめろ!」「生きて行ける賃金よこせ」「生きられる社会を」と今こそ声を上げ、闘う労働組合に結集しよう。

職場と地域から総決起を

 22年3・8デーの課題は何よりも中国侵略戦争情勢との徹底的対決だ。戦争のための労組つぶし、社会保障の解体、原発や軍事空港のための農地取り上げなど、資本・国家と非和解で闘いぬく全勢力が日米政府による中国侵略戦争絶対反対で立ち上がる、そういう3・8としてかちとろう。職場にかけられた戦争攻撃を打ち破ろう。
 1917年、ボリシェビキを先頭とするロシア女性の3・8国際婦人デーへの決起は、ロシア革命の口火を切った。ロシアでは第1次大戦下、女性労働者・労働者家族が戦場に夫や息子を奪われ、食糧も燃料も枯渇し、生きられない状況に置かれていた。女性や子どもが労働力として工場に引き出される中で、極寒の中でのパンを求める長蛇の列、長時間労働、児童労働に怒りはうずまき爆発寸前だった。3月8日(ロシア暦2月23日)、「パンと平和」「児童労働の廃止」をかかげた国際婦人デーのゼネストはまたたく間に男性労働者、兵士にまで広がり、2月革命の口火を切った。そして帝政を打倒し、戦争を終わらせ、世界で初めて社会主義革命に勝利し労働者の権力を打ち立てるところまでいったのだ。
 今こそ戦争と革命の時代。資本家階級と労働者階級の激しい階級対立が鮮明になり、日本でも怒りは渦巻いている。
 もう黙ってなどいられない。そもそも社会を崩壊させてきたのは奴ら資本家階級ではないか。労働者を戦争に駆り立て、他国の労働者人民と殺し合わせるような支配者たちこそ打ち倒す以外ない。この社会をつくっているのは労働者階級だ。労働者が働かなければ一日だって社会はまわらない。労働者には力がある!
 「野党共闘」にのめり込む日本共産党や既成政党、連合が雪崩を打って総翼賛化しようとしている今こそ、世界中の労働者とともに国際連帯で核戦争を絶対に止めよう! 職場から地域から戦争反対で総決起する3・8闘争を闘おう。

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2022年3・8国際婦人デー行動
■東京 3月6日(日)午後1時30分 渋谷勤労福祉会館/集会後デモ
 主催 3・8国際婦人デー行動実行委員会
■関西 3月6日(日)午後1時45分 エルおおさか606号室/集会後デモ
 主催 婦人民主クラブ全国協議会関西ブロック、関西労組交流センター女性部
■広島 3月6日(日)午後1時30分 幟(のぼり)会館/午後4時 京口門公園からデモ
 主催 3・8国際婦人デー記念2022広島女性行動実行委員会
■福岡 3月5日(土)午前11時30分 警固公園集合 中央市民センターまでデモ/午後2時 集会 福岡市立中央市民センター第2会議室
 主催 婦人民主クラブ全国協議会福岡支部、福岡県労組交流センター

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