病院条例の廃止とめよう 独法化阻止へ正念場 都議会包囲する怒りのデモを

週刊『前進』04頁(3235号03面03)(2022/03/14)


病院条例の廃止とめよう
 独法化阻止へ正念場
 都議会包囲する怒りのデモを

(写真 都議会が開会した2月16日、「都立病院をつぶすな!」署名アクションが都庁への申し入れと街頭宣伝を行った)


 現在開会中の東京都議会第1回定例会に、都立・公社病院の地方独立行政法人化のための議案が提出されている。最大の焦点は、「都民に対し医療を提供し、医療の向上に寄与する」と規定した「東京都立病院条例」の廃止だ。地域や職場で独法化反対の署名を集め、3月15〜17日の都議会厚生委員会に怒りをたたきつけよう。病院条例廃止阻止へ、3・15都議会包囲デモに立ち上がろう。

戦時医療への転換許すな

 ウクライナへの侵略戦争突入―世界戦争危機に対して、「戦争絶対反対」「命を守れ」の叫びが青年層を中心にわき起こっている。こうした情勢の中で、小池百合子都知事が都立・公社病院の独立行政法人化にかけた戦時医療への転換と労働組合解体との攻防も非和解的な激突となる。
 記者会見で「核共有政策の議論を始めるべき」との安倍発言についてコメントを求められた小池は、「抑止力をいかに確保するかっていうことについて......あまり無邪気にやっているのはどうか」と、核武装を本気で進めるべきだと言い放った。根っからの極右政治家である小池は、改憲と戦争体制づくり、そのための社会保障解体・戦時医療への転換という日帝支配階級の死活的テーマを遂行する役割を担っている。
 昨年10月に可決を強行した都立病院独法化「定款」では、第19条の「知事の要求」による緊急時対応に加え、第18条(業務の範囲)に、「緊急事態等に対処するために必要な業務を行う」と盛り込んだ。自然災害や感染症だけでなく、独法化された都立・公社病院の労働者など約1万5千人を戦争動員するということだ。独法化阻止は首都東京を中心とした戦時体制づくりとの階級決戦だ。
 都立・公社病院をはじめどの医療・介護現場でも殺人的な労働が強いられ、それと同時に「高齢者には救命措置は必要ない」などの命の選別(トリアージ)が意図的にあおられている。自治体労働者も、保健所の数も公務員数も減らされ、民間委託と会計年度任用職員ばかりにして感染症に対応できなくさせられながら、住民の国に対する怒りを現場で抑えつける役割をさせられている。
 戦争と民営化、労働者の団結破壊・労働組合圧殺は完全に一体だ。しかし、コロナ下でまさに「戦場」と化した現場を必死で回し、命と安全を守ってきたのは現場の労働者だ。労働者の団結した力で社会を根本からつくり変える以外にない。そして、それができる時代がきた。「戦争反対・命を守れ」の反戦闘争と一体で独法化阻止を闘おう。

「新たな都立病院」はウソ

 小池は、7月独法化強行に向け、昨年末から「新たな都立病院」キャンペーンを行ってきた。しかし、「都立病院をつぶすな!」署名運動の前進はそのウソとペテンを暴いた。2月16日の署名アクションによる申し入れでは「『新たな都立病院』とは公営事業なのか」との質問に、病院経営本部は「地方公営企業法に基づく病院事業という形ではなく」と、しぶしぶ認めた。都立病院条例廃止議案(第77号)と対になった議案第48号では「病院事業を廃止する」と明示されている(表参照)。これは、地方自治法が定める「住民の福祉を増進する目的をもって......公施設を設ける」自治体としての責任を放棄することだ。
 また、「墨東患者・市民の会」の仲間は、独法化後も「都立病院」の名を使い続けることに「国鉄がJRになったときに『新しい国鉄』とか『国鉄貨物』とか言ったか?」と怒りをぶつけた。地方独立行政法人法は、3~5年ごとに業務を見直し、独立行政法人の廃止・民営化も含めた必要な措置を講じると規定している。独法化は、国鉄分割・民営化とまったく同じだ。
 小池は、開会日の施政方針演説で独法化について一言も言及できず、厚生委員会の審議で病院現場や障害者団体などから意見を聞く参考人招致の提案を否決した。労働者人民の怒りを恐怖し、ただただ都議会での数による制圧で独法化を押し切ろうとしているのだ。
 しかし、「都立病院をつぶすな!」署名運動は独法化の正体を暴き、労働組合の拠点化を軸に「民営化は悪だ」「独法化絶対反対」のうねりをつくり出している。

労組解体攻撃うち破ろう

 闘いの焦点は、都立・公社病院約1万5千人の解雇粉砕だ。2月16日の申し入れでの「新法人への移行には同意書があるのか? 公務員ではなくなることについて了解をとったのか?」という追及に、経営本部は「職員には丁寧に説明している」と繰り返すだけだった。都は「職員向けに相談会などを16回行い、約200人の参加を得た」としている。公務員身分の剝奪についてまったく説明していないことは明らかだ。
 ここに小池の攻撃のウィークポイントがある。地方公務員法は「意に反して免職できない」と規定しており、現場労働者が徹底して争えば、地方独立行政法人法の「別に辞令がない限り新法人の職員となる」というペテン的身分替えと賃金体系変更は粉砕できる。赤紙一枚で戦場に動員するような転籍・労働組合解体攻撃を打ち破ろう。東京の労働運動の骨格をなしてきた都労連の解体攻撃を絶対に許してはならない。
 動労千葉の3・12ダイ改阻止ストライキと一体の春闘行動として、3・15都議会包囲デモを闘おう。3月都議会攻防から7・1独法化強行粉砕へ、1万5千筆を突破した署名を地域でさらに拡大し、「都立病院をつぶすな」「命を守れ」のうねりをつくり出そう。階級的労働運動の大発展で小池を打倒しよう。

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都立病院条例の廃止許すな!
都立・公社病院の7月独法化阻止!
3・15都議会包囲デモ
 3月15日(火)
 正午~午後1時、都庁前アピール行動(都民広場北側歩道)
 1時30分、新宿中央公園「水の広場」集合
 2時、デモ出発
 呼びかけ 都立病院をつぶすな!署名アクション

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