農地を守り戦争とめよう 芝山現地闘争 第3滑走路阻止誓う

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週刊『前進』04頁(3238号04面01)(2022/04/04)


農地を守り戦争とめよう
 芝山現地闘争 第3滑走路阻止誓う

(写真 決戦本部に集う仲間が壇上に並び団結ガンバローを三唱。農地死守の決意を込めてこぶしを突き上げた【3月27日 芝山文化センター】)

 3月27日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する芝山現地闘争が285人の参加で闘い取られた。集会場は、相川勝重前町長の妨害を粉砕してついにかちとられた芝山文化センター(千葉県山武郡芝山町)だ。芝山町は国とNAA(成田空港会社)によって、「空港機能強化」として1千㌶もの地域が第3滑走路(3500㍍)予定地とされ、住民が追い出され、田畑、山林がつぶされようとしている。だがついに反対同盟が町民の声を背景に「空港反対」集会をここで開くに至った。
 開会に先立ち現地闘争本部が作成した現地状況などを解説するスライドが上映された上、前半の司会を務める決戦本部長・太郎良陽一さんが開会を宣言。
 芝山町の白桝地区に住む伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。ロシア・プーチンのウクライナ侵略戦争に怒りを表した上、米バイデンや岸田が人民の苦境を考えるかのように「ウクライナ支援」を唱えることを弾劾した。「空港絶対反対、農地死守」の原則を貫き闘うことに、ウクライナ人民と連帯し改憲・戦争を阻止する道があることを強調し、1年間の攻防でこの会場使用をかちとった大勝利を確認した。
 続いて、この日参加できなかった東峰の萩原富夫さんのメッセージが代読された。空港による環境破壊、気候変動促進問題の緊急性、重大性を強調し、この秋のB滑走路北延伸工事着工との対決を訴えた。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が登壇した。「労働者は国境をこえて団結しよう。国際連帯にこそ戦争を止める力がある」と語気を強め、改憲・戦争、沖縄・南西諸島ミサイル基地化攻撃との対決を訴えた。さらにJRの3月ダイヤ改定、業務融合化攻撃を「安全の切り捨て」と弾劾し、「労働運動再生へ向けてともに闘おう。市東さんの農地を死守しよう!」と結んだ。
 関西実行委の発言に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員が、不当弾圧との激闘を報告し、大阪で開く5・28総決起集会への参加を呼びかけた。
 天神峰の市東孝雄さんが発言に立った。「昨年6月の請求異議上告棄却から、NAAはいつでも私の農地に手が出せる状況ですが、みなさんとの団結で食い止めています。芝山の豊かな緑をつぶしてまで第3滑走路を造ろうというのか。最後まであきらめない! 私は天神峰の畑を耕し続けます」。市東さんの不動の決意に、全員が惜しみない拍手を送った。
 反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は、核戦争・世界戦争を阻止する道は、日本では岸田政権打倒に尽きると断言し、農地を守る闘いと反戦闘争の一体性を強調した。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会、全国農民会議の小川浩共同代表の連帯発言が続いた。婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピールを行い、集会後半の司会を務めた。
 芝山町民のAさんが発言に立った。機能強化で周辺住民の命と生活を脅かす空港に憤りを表し、深夜早朝飛行禁止と騒音被害への賠償を求める提訴に立つことを明らかにした。
 最後に決戦本部に集う仲間たちが壇上に勢ぞろいし、太郎良さんが「強制執行実力阻止」への決起を熱く呼びかけ、団結ガンバローを三唱した。
 反対同盟を先頭に約2・5㌔のデモ行進に出発。宣伝カーから発する宮本さんのアピールが一帯に響く。デモ参加者は、家から見守る住民に手を振り激励した。空港反対闘争を裏切った相川前町長は昨年まで24年間、住民の声を圧殺しながら空港利権頼みの町政を続け、後釜の麻生孝之新町長も同じ道を進む。だがそれを食い破り、反対同盟の存在にも励まされ、地元から闘いは前進している。
 町のすみずみまで声を届け一周したデモは再び文化センターに到着し、この日の勝利を実感した。
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