首都ゆるがした連続闘争 今こそ反戦貫く労働運動を

発行日:

週刊『前進』04頁(3246号02面01)(2022/05/30)


首都ゆるがした連続闘争
 今こそ反戦貫く労働運動を

(写真 闘争を終始リードした全学連から2学生がアピール)

(写真 改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ3労組から動労千葉の関道利委員長が発言【5月22日 東京・芝公園】)

(写真 日米首脳会談を弾劾し、日比谷公園から赤坂へデモ【5月23日】)


 改憲・戦争阻止!大行進が主催する「日米首脳会談・クアッド粉砕!5・22全国集会」が22日午後1時、東京・港区の芝公園23号地集会広場で始まり、最初に改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人の高山俊吉弁護士が主催者あいさつを行った(要旨別掲)。
 続いて大行進運動の呼びかけ3労組がアピール。動労千葉の関道利委員長は、「一握りの権力者が支配を維持するための戦争で犠牲になるのはいつも労働者だ。絶対に許せない。今こそ闘う労働組合が必要だ」と訴えた。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾書記次長は、関西労組交流センターの仲間と共に大阪・泉佐野市議選で中川いくこ候補を応援して闘ったことを報告し、「中川さんの『戦争絶対反対!』の訴えが多くのつながりを生み出した。共に闘ったことを誇りに思う」と発言。全国金属機械労組港合同の木下浩平執行委員は、「生活と権利を守り戦争に反対する労働運動を、今日この場からよみがえらせよう」と訴えた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さんが連帯アピールを行い、今日の戦争情勢下で軍事空港粉砕へ闘う決意を明らかにした。
 集会の基調報告を全学連の赤嶺知晃委員長が行い、「この日本に戦争絶対反対で闘う荒々しい階級闘争があることを示そう」と力強く訴えた(要旨別掲)。
 青年労働者からのカンパアピールに続き、大行進東京、大行進神奈川、8・6ヒロシマ大行動実行委員会からの発言、青年・学生の鮮烈な決意表明、主催者からの行動提起を受け、集会参加者は決意も新たにデモへ出発した(記事1面)。
 集会では中国人留学生からの連帯メッセージも紹介された(要旨別掲)。

連日のデモを貫徹

 5・22集会とデモの高揚感もそのままに、日米会談当日の23日には日比谷公園から赤坂まで、クアッド会合当日の24日には市ケ谷駅前の外濠公園から四谷へ労働者の注目を集めながらデモが闘われた。いずれも全学連が先頭に立って戦争絶対反対を力強く訴えた。

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主催者あいさつ

闘う主体は私たち、戦闘的街頭行動を
 改憲・戦争阻止!大行進 呼びかけ人 高山俊吉さん

 今日は5月22日。バイデンが韓国から横田基地を経てこの日本・東京に来るという。われわれはこれを絶対に許さない。そのことを全国の労働者、青年・学生、市民、多くの人々に戦闘的に伝える抗議の行動を決行したいと思います。
 日米首脳会談粉砕! 日、米、オーストラリア、インド4カ国の首脳会合粉砕! このことが私たちの目標です。沖縄闘争に続いて、直結する形でこの闘いが組まれています。けれどもこれは偶然のことではない。歴史、そして情勢の生み出したものです。大変ではあるけれど、全世界で反戦を目標として立ち上がっている人々と心の底から連帯してがんばろう。
 今回の日米首脳会談で何が議論されるかは、昨日の米韓首脳会談と共同声明で明らかです。まず「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調している。戦争を開始するということだ。クアッドの枠組みに韓国の大統領が関心を示したということがわざわざ書かれている。中国侵略戦争で韓国が確実に米日の立場に立って行動することを約束させた最初の事態です。
 軍事経済体制とも言うべき経済安保も確認した。「中国に依存しすぎている経済は中国との戦争をする際には非常に大きな差し障りになる。それを何とか止めよう」というやりとりが米韓の間で交わされた。
 そして核兵器や通常兵器を含む「拡大抑止」ということが確認された。ウクライナで今アメリカがやっていることをアジアでもやると確認した。明日あさっては、このアジアで中国侵略戦争を開始する戦争会談として位置づけられている。これを絶対に許してはならない。
 岸田政権は何を言うか。「よし引き受けた」と言って立ち上がるんです。ウクライナ戦争の当事国であるアメリカが日本帝国主義と共に中国への侵略戦争に立ち上がる。凋落(ちょうらく)激しいアメリカ帝国主義が生き残りをかけて戦争を開始しようとしている。そして良い機会が来たとばかりに岸田政権がこれに参画しようとしている。財界がこれをバックアップしようとしている。
 闘う国会内政党などいない。私たちががんばろう。私たちの声に呼応してくれる多くの人々がいる。今日の警備のすさまじさは驚くべきものがある。彼らは国民の多くがバイデン・岸田のもくろみを批判し反発していることをよくよく心得ているから、こういう警備をしている。今日のこの集会と街頭での戦闘的な行動が新しい状況を切り開くことを確信します。共にがんばりましょう。

基調報告

全世界にとどろく戦争反対の声を!
 全学連委員長 赤嶺知晃さん

 本日、バイデンが来日し、明日は日米首脳会談、あさってにはクアッド首脳会合が開かれようとしています。許しがたい戦争会議です。この3日間を全力で闘い、世界戦争・核戦争絶対阻止の闘いを巻き起こしましょう。私たちの闘いを全世界の労働者が見守っています。この日本から戦争反対の声を世界に大きくとどろかせましょう。
 米バイデン政権は今、ウクライナ戦争を「米帝主導の対ロシア戦争」に転化させ、大量の武器をウクライナに供与し、この5月には第2次大戦以来となる武器貸与法を復活させて、世界戦争・核戦争への道を開こうとしています。そして最も重要なことは、今回の日米会談・クアッド会合が中国侵略戦争に向けた本格的な戦争会議になろうとしていることです。すでに米軍は具体的に遠征前進基地作戦(EABO)というものをつくりました。南西諸島の有人島を含む40カ所を臨時の攻撃拠点にする、そして中国軍からの反撃をこれらの島々に分散させながら中国本土へと侵攻するという、とんでもない戦争計画です。日本の自衛隊も共同でこの作戦を担おうとしており、自衛隊幹部は「残念ながら住民を避難させる余力はない」と公言しています。日米政府は再び沖縄を戦場にしようとしているのです。こんな戦争は絶対に許せない。私たちの怒りのデモをたたきつけようではありませんか。
 そして日帝・岸田政権は、今回の日米会談をきっかけに改憲と大軍拡に踏み込もうとしています。自民党は敵基地攻撃能力を「反撃能力」と言い換え、敵の中枢・指揮系統まで攻撃するんだと主張し、その実現のために防衛費を2倍化する大軍拡を要求しています。この5~6月から7月参院選への過程は改憲・戦争をめぐる大決戦です。
 先週の「復帰」50年5・15沖縄闘争で、私たちは記念式典に出席中の岸田に迫る怒りの抗議闘争を闘いました。これを引き継ぎ、本日のデモを全力で闘いましょう。戦争絶対反対で闘う荒々しい階級闘争が日本に存在することを示そうじゃないですか。そして今日の闘いを通じて国際反戦闘争、国際連帯闘争をさらに大きく発展させましょう。
 私たちのデモを大量の機動隊が包囲しようとしています。しかしこれはまさしく岸田政権の悲鳴であり、敵権力の私たちに対する恐怖の表れです。こういうやつらの規制線を突破して、全力でデモを貫徹し、全世界の労働者民衆と連帯して戦争を止める大闘争を今日ここから巻き起こしていきましょう。本日のデモを戦闘的にうち抜いていきましょう。

真の国際連帯で強盗戦争阻もう
 中国人留学生からのメッセージ(要旨)

 コロナ下のこの3年あまり、中国政府による移動制限などの困難に直面しても中国労働者階級の闘いがやむことはなかった。統計上の団体労務闘争は昨年度だけで1090件に上り、前年度比で約25%も増えた。
 スターリン主義体制をとった中国政府は、労働者人民の窮困の全責任は米帝をはじめとする「国外勢力」にあるとし、愛国主義的・排外主義的なムードを醸成しようとしている。
 ゆえに本日、バイデン来日にあたって日米帝の中国侵略戦争を阻止する首都大デモのために日本の全国各地から学生・労働者同志諸君が集まったことは実に感動的で喜ばしい。この熱意は必ず海を渡り、中国そして世界中にいる階級同胞への鼓舞になる。これこそ真の国際連帯だからだ。
 次の大戦で、日米帝と中国のどちらが先制攻撃し、どちらが反撃しようが、その本質は帝国主義の強盗戦争だ。どのような時代でも犠牲にされるのは一般人であり労働者だ。ナチスのゲシュタポ幹部と日帝の官憲どもが戦後、制服を変えて死骸の上にあぐらをかき、真の被抑圧者が苦痛を耐え続けるしかなかったことを、われわれは決して忘れない。忘れてはいけない。 今度こそ、日本中さらに世界中の階級同胞の声を聞き、闘う姿を見て、われわれも言葉と行動で発信することで、真の国際連帯の地平を切り開くのである。帝国主義強盗戦争を阻止し、プロレタリア革命によって恒久たる平和を手に入れよう。万国の労働者よ、団結せよ!

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