反論不能を居直る国 星野国賠 医師意見書が重大焦点に

週刊『前進』04頁(3246号04面01)(2022/05/30)


反論不能を居直る国
 星野国賠 医師意見書が重大焦点に

(写真 法務省弾劾デモ【5月19日 東京・霞が関】)

(写真 国賠裁判後の報告集会)


 5月19日、東京地裁民事第14部で星野国賠第10回裁判が行われ、その後、法務省弾劾デモを行いました。
 これまで私たちは星野文昭さんの獄死の責任を追及する医師の意見書を3通提出し、救えたはずの生命を奪った徳島刑務所、東日本成人矯正医療センターの責任を徹底的に追及してきました。ところが被告・国側は、前回裁判から4カ月も経つというのに、最大の課題であった医師の意見書を提出しませんでした。
 星野さんだけではなく、刑務所内での「医療行為」はこれまで多くの受刑者の生命を奪い、しかも闇から闇に葬ってきました。星野国賠は、星野さん獄死の真実を究明して責任を明確にするとともに、そのようなあり方を許してきた日本社会そのものを変えていく闘いです。
 国側は法廷において「医師の意見書は検討中。いつ出せるかは分からない」と居直りました。これに対して弁護団の岩井信弁護士は「8月までに出せないのなら、我々は出ないものとして対処する。ここでも検討中と言うなら、反論は年明けになってしまう。そんなことは許されない」と、怒りに燃えて追及しました。
 さらに求釈明に対して国側は、2019年3月1日の腹部エコー検査と血液検査で星野さんの肝臓に大きな腫瘤(しゅりゅう)があることを確認し、①そのことを星野さんに告知した、②3月13日に外部の医療機関に相談した、と釈明しました。しかし、星野さんに告知したというのは真っ赤なウソです。また国側は、病院に相談するために使ったという公用車の運行日誌を提出しましたが、その行き先は墨塗りされています。こんなものは「証拠」にはなりません。
 裁判終了後、日比谷図書文化館で行われた報告集会で弁護団から詳しい説明を聞き、改めて怒りが沸いてきました。日比谷公園から法務省弾劾デモに出発して怒りを表明し、朝の裁判所前街宣から始まった闘いを終えました。
 5月14~16日、「復帰」50年の5・15沖縄闘争で、「米日の中国侵略戦争を阻止しよう。沖縄を再び戦場にするな」と訴え、星野さんの遺志を受け継ぎ、意気高く闘いました。それに続いた国賠闘争は、国・刑務所を徹底的に追い詰めています。次回は8月25日午前10時30分開廷です。星野さんの精神をわがものとし、中国侵略戦争に向けて改憲・戦争攻撃を強める岸田政権と闘いましょう。
(星野全国再審連絡会議・S)

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