米スタバ労組100超に 「この波は止まらない!」

週刊『前進』04頁(3248号02面04)(2022/06/13)


米スタバ労組100超に
 「この波は止まらない!」

(写真 劣悪な労働環境に抗議してストを決行したスタバの労働者たち【5月31日 米マサチューセッツ州ボストン】)

 米コーヒーチェーン最大手のスターバックスで今、急速に労働組合の組織化が進んでいる。「スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッド(SBWU)」は、昨年12月にニューヨーク州バッファローの店舗で国内直営店労組としては初めて結成された。それからわずか半年で、国内約9千店舗のうち100店舗(5月28日時点)で結成が決定。全米労働関係委員会(NLRB)に労組設立投票を申請した店舗は、35州の268(5月24日時点)店舗にも上る。今後も順次投票が行われ、新たな労組が次々と誕生しようとしている。
 店舗でコーヒーをいれるバリスタ=現場労働者は、物価高騰の中での低賃金、長時間労働に加えて人員不足に苦しんできた。特に、アプリを使った事前注文・決済サービス「モバイルオーダー&ペイ」が労働者に大きな負担を強いるものとなっている。こうしたなかで、同じくアメリカを代表する巨大資本アマゾンで組織化が進んだこともスタバの労働者に大きなインパクトを与え、共闘が発展してきた。アマゾン・スタバ両労組は今や、新自由主義の崩壊の中で青年労働者を先頭に始まったアメリカ労働運動の新たな波を象徴する存在となった。
 5月26日には、アメリカで最も保守的な州の一つである南部アラバマ州の店舗でも初めて労組結成が可決された。27対1の大勝利だ。同州では昨年3月にベッセマーの集配所でアマゾン労組の結成が否決されたが、闘いのうねりは確実に広がっている。
 スタバ資本は労働者を「パートナー」と呼ぶ。しかし労働者が声を上げて立ち上がった瞬間に敵意をむき出しにし、労組組織化のリーダーを20人以上も解雇してきた。人員不足で時短営業に踏みきったことを理由に解雇された時間帯責任者もいる。さらに5月からは無労組店舗の労働者のみを福利厚生面で優遇する「処遇改善」を開始。露骨な労組破壊攻撃への怒りが広がり、不当労働行為反対や解雇者復職を掲げるストライキが全国で闘われている。テネシー州メンフィスの店舗では、7人の仲間を解雇されながらも6月8日に組合結成を実現した。
 労働運動が青年の価値観を変え、歴史を動かす時代だ。この闘いに続こう!
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