戦争・鉄道崩壊と対決 動労千葉定期委で決戦方針

週刊『前進』04頁(3251号02面01)(2022/07/04)


戦争・鉄道崩壊と対決
 動労千葉定期委で決戦方針

(写真 職場代表選で5選を果たした関道利委員長は「労組過半数代表をめざし組織拡大へ」と強調した【6月26日 DC会館】)

 動労千葉は6月26日、DC会館で第86回定期委員会を開いた。ウクライナ戦争は泥沼化し、世界は核戦争の危機に直面している。このただならない情勢と対決するため、動労千葉は「新・戦争協力拒否宣言」と題する特別決議を上げた(全文別掲)。2003年、イラク戦争開戦に対して動労千葉は「戦争協力拒否宣言」を発し、それは全世界に伝わって国際連帯闘争が生み出された。労働者国際連帯で戦争を止める闘いは、今、さらに切実に求められている。

戦時下の国家改造を狙い地方線廃止

 CTS(千葉鉄道サービス)幕張事業所の職場代表選に圧勝し5選を果たした関道利委員長があいさつに立った。
 関委員長は「ローカル線廃止は国鉄分割・民営化体制の破綻の結果」と弾劾した。鉄道だけでなく役場や郵便局、学校、病院などを民営化し、そこで働く労働者を非正規職化したことが、地域を衰退させ、社会を総崩れにさせた。国土交通省はローカル線廃止に向けた検討会の結論を7月に出し、一気に廃線を進めようとしている。関委員長は「これは資本の延命と国防に一切を集中する国家改造の一環だ。一層極端化した『選択と集中』の攻撃がかけられようとしている」と指摘し、国鉄分割・民営化以来の新自由主義に決着をつける闘いを呼びかけた。
 また、今年3月のダイヤ改定でJR東日本が強行した全職名廃止・業務融合化や大規模な減便とワンマン運転の拡大などの攻撃も、国家改造と一体だと述べ、外注化阻止闘争と反合理化・運転保安闘争の再構築で対決しようと訴えた。特に、CTSで65歳以降の雇用延長を求める闘いは、外注化阻止闘争にとってきわめて重要だと位置付けた。
 さらに、世界が戦争にのみこまれつつある情勢について、「本質的な原因は新自由主義の崩壊と戦後世界体制の最後的崩壊だ」と断定した。この情勢下で闘われた3月ダイ改との攻防を「戦時下でのストライキを貫徹した」と総括し、「改憲・戦争阻止は労働組合の最も本質的な課題だ。労働者の国境を越えた団結で戦争を止めなければならない。戦争協力を拒否する闘いに立つ」と宣言した。
 そして、「戦時下でこそ闘う労働運動の再生を」と訴え、「25年目の11月労働者集会を、歴史を画するものとしてかちとろう」と呼びかけた。最後に、「一切を組織拡大の一点に集約しよう」と強調し、「現場には怒りがある。組織拡大の火種はある。まなじりを決して訴えれば必ず通じる」と力説した。

改憲・戦争阻止は労組の本質的課題

 動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長と動労千葉OB会の永田雅章会長が連帯あいさつをし、決戦を共に闘う決意を示した。
 運動方針を渡辺剛史書記長が提案し、①国鉄分割・民営化に匹敵する鉄道の大再編と対決する、②職名廃止・業務融合化などの攻撃に、外注化阻止闘争と反合理化・運転保安闘争の再構築で立ち向かう、③1047名解雇撤回闘争に勝利する、④労働組合の最も本質的な課題として改憲・戦争反対の闘いに立ち、国際連帯を発展させる、⑤それらすべてを組織拡大に集約する——という闘いの柱を打ち出した。また、7月14日の国交省への申し入れと7月22日の国交省デモ・1047名解雇撤回裁判の行動方針を示した。
 討論では、パンタグラフの損傷や倒木との衝突など、事故が多発する職場の実態が報告された。ワンマン化された内房線では、鹿との衝突も激増している。運転士に車掌の業務をさせるための訓練も7月から始まる。職場代表選に挑戦し惜敗した委員は、悔しさをばねに来年を期して地道な組織活動を展開すると表明した。総括答弁で関委員長は、「事故多発の背後には外注化の破綻がある」と述べ、あらためて外注化阻止へ闘うことを強調した。
 大竹哲治執行委員が「新・戦争協力拒否宣言」を読み上げ提案した。宣言は、戦争阻止の闘いがどんなに長期で厳しくても、動労千葉はその道を貫くと決然と表明している。
 運動方針と「新・戦争協力拒否宣言」を採択し、動労千葉は戦時下に闘う労働運動をよみがえらせる新たな挑戦に踏み出した。
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