8・6広島―8・9長崎闘争へ 核戦争絶対阻止へ総決起を 23年広島サミット開催を許すな

週刊『前進』04頁(3251号03面01)(2022/07/04)


8・6広島―8・9長崎闘争へ
 核戦争絶対阻止へ総決起を
 23年広島サミット開催を許すな

(写真 原爆ドームを背に式典会場に迫るデモ隊【昨年8月6日】)


 ドイツ・エルマウでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)に参加した岸田は、次回のG7サミットを来年5月19~21日に広島で開催することを正式に各国に伝えた。岸田は「唯一の戦争被爆国の首相として、広島ほど平和へのコミットメントを示すのにふさわしい場所はないと考えている」などとコメントしたが、実際に核戦争を準備し、中国を標的とした中距離核ミサイルの大量配備まで画策しているのは米日帝国主義であり、G7サミット広島開催はそのための反戦反核闘争つぶしの策動にほかならない。歴史的決戦となった今夏8・6広島--8・9長崎闘争で怒りの階級的反撃をたたきつけ、核戦争を絶対に阻止しよう。

核ミサイル配備狙う米日

 5・23日米首脳会談は、中国侵略戦争に向かっての歴史的な戦争会談となった。とりわけ重要な事は、共同声明に「拡大抑止に関する日米間の協議の強化」という言葉を盛り込み、核兵器を含む米軍の戦略資産を日本に配備することを公然と宣言したことだ。
 すでに米軍は昨年の段階で、九州南端から南西諸島を経て台湾、フィリピンに至る「第1列島線」に沿って地上発射型中距離ミサイルを配備する計画を持ち、米議会に予算要望書を提出。中国からの反撃を想定して日本列島全体に分散配置する考えを持っていることが報じられている(21年7月8日付朝日新聞)。今年4月10日には、陸上幕僚長・吉田圭秀が米ワシントン州の陸軍基地を訪問し、新型の極超音速中距離ミサイル「ダークイーグル」を視察した。このようにして現実に進められている核ミサイル配備計画に、バイデンと岸田は日米政府の共同声明という形で公然とお墨付きを与えたのだ。
 さらに岸田は日米首脳会談で、敵基地攻撃能力を含む「あらゆる選択肢を検討」し、「日本の防衛力の抜本的強化」「防衛費の相当な増額」を対米公約にした。会談直後に出された骨太方針22でも、この対米公約を実行するためにすべてを軍事優先にしていくことを宣言した。
 バイデンは日米会談後の共同記者会見で「台湾有事への米軍の軍事介入」を公然と宣言したが、それは台湾海峡周辺での局地的な衝突にとどまらず、文字通り核ミサイルを撃ち合うような破滅的な核戦争として計画され、準備されているのだ。

既成指導部が岸田に加担

 重要なのは、こうした中国への核戦争の準備を、岸田が「核なき世界の実現」という大ペテンを使って進めようとしていることだ。5・23日米会談で、岸田は「核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示す」などと語り、来年G7サミットの広島での開催を決めた。8月1日に予定されている核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、岸田は日本の首相として初めて演説し「核なき世界」なるものをアピールしようとしている。すでに中国侵略戦争を核戦争として遂行することを米帝との間で確認し、日本全土への中距離核ミサイルの大量配備計画まで着々と進めておきながら、自分たちは「核なき世界の実現」をめざしているかのように装い、ロシアや中国と戦うことが「核なき世界」への道であるかのように描き出そうとしているのだ。
 だが、既成の原水禁運動指導部はこうした米日帝国主義の中国侵略戦争策動と全く対決しようとしない。今年の原水禁世界大会の呼びかけ文には、ロシア・プーチンへの非難はあっても、中国侵略戦争への言及は一言もない。日本共産党はこの情勢で「有事には自衛隊を活用して国民の命と日本の主権を守り抜くのが党の立場だ」などと主張している。既成の指導部のこうしたあり方こそが岸田の「核なき世界の実現」のペテンを裏から支えている。
 また広島市と長崎市は、8月6日と9日の式典にロシアとベラルーシの代表を招待しないという異例の措置を決定した。広島市は、今年の式典について政府と協議した際に外務省からロシア招待を見送るよう要請されたことを明らかにした上で、「式典に招待することで、ロシアに対する日本の姿勢について誤解を招く恐れがある」とその理由を説明した。ロシアのウクライナ侵攻は非難するが、米日帝国主義が現に進めている中国侵略戦争・核戦争は容認するというのか。このような米日帝国主義の側に立つ「平和式典」など絶対に認めることはできない。

日本の階級闘争が大焦点

 岸田がこれほど広島にこだわっているのは、被爆者を先頭に戦後一貫して不屈に闘い抜かれてきた反戦反核闘争を圧殺しない限り、核戦争などできないからだ。そもそも没落を深める米帝は、日帝を全面的に動員しなければ中国侵略戦争を遂行できない。歴史の帰趨(きすう)は日本の労働者階級の闘いにかかっている。全世界の労働者人民の反戦闘争と連帯し、ウクライナ戦争を止め、中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を阻止しよう!
 この核戦争の切迫する情勢の中で、福島の闘いと広島・長崎の闘いの連帯はますます決定的であり、日帝の核武装阻止と反原発・反核燃はますます一つである。昨年7月に原告側の全面勝訴が確定した広島「黒い雨」裁判と、今年1月に提訴された「子ども甲状腺がん裁判」は、同じ内部被曝との闘いであり、目の前に迫る核戦争を阻止するための決定的な闘いにほかならない。「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリ・フクシマをくり返すな!」「核武装のための原発再稼働・増設を許すな! 全原発を廃炉に!」「放射能汚染水の海洋放出絶対反対!」を掲げ、8・6―8・9闘争をかちとろう。
 職場で、組合内で、様々な大衆運動の内外で、中国侵略戦争・核戦争の準備の実態を丁寧に暴露し、排外主義・祖国防衛主義を打ち破る議論を巻き起こそう。青年・学生を先頭に実力闘争としてかちとられた5・22闘争の地平を引き継ぎ、反戦闘争をさらに拡大しよう。それと一体で、中国侵略戦争を阻止する階級的労働運動を職場から組織しよう。岸田の改憲・核戦争への突進を粉砕する8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に全国から結集しよう!
〔革共同広島県 委員会〕

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核戦争阻止!8・6ヒロシマ大行動
?ウクライナ戦争反対!国際反戦闘争で世界戦争をとめよう!
?防衛費2倍化・日本全土への中距離核ミサイル配備絶対反対!
?台湾・中国・沖縄?東アジアを核の戦場にするな!
?岸田政権の改憲、中国への戦争を阻止しよう!
?全ての原発なくせ!汚染水海洋放出絶対反対!
■8月6日(土)
 午前7時15分 原爆ドーム前8・6アピール集会
   8時15分 黙とう後、岸田首相式典出席弾劾デモ
 午後0時30分 核戦争阻止!8・6ヒロシマ大集会(広島県立総合体育館小アリーナ)
 午後3時 ヒロシマ大行進
 主催/8・6ヒロシマ大行動実行委員会
〈関連行事〉
■8月5日(金)※会場はいずれも広島市東区民文化センター
 午後1時~ 分科会
   3時~ 産別集会・学生集会
   6時~ 青年労働者集会

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