7・17国鉄集会発言

週刊『前進』04頁(3254号02面01)(2022/07/25)


7・17国鉄集会発言

国家改造粉砕へ戦闘宣言

今こそ労働運動の刷新を
 国鉄千葉動力車労働組合 関道利委員長

 安倍が死にました。与党も野党も「民主主義への挑戦」「暴力は許されない」の一色です。政府は最高位の勲章を与えて国葬にすると言っています。しかし、労働者の権利や雇用が破壊されて、どれだけの人が安倍のもとで自死に追い込まれたんですか。「民主主義への挑戦」と言いますが、一番民主主義を破壊したのが安倍ではないですか。
 政府は安倍銃殺を、警察権力や国民統制強化に利用しようとしています。断固として打ち破りましょう。
 社会を変える本当の力は、労働者の団結した力の中にこそあります。労働運動の刷新こそが、この時代の最先端の変革です。

生活や権利破壊し「国防」に集中

 国土交通省は、2月から地方鉄道の全面的な廃線化に向け検討会を開いています。その本質は、国家のスクラップ・アンド・ビルドで、労働者の生活や権利を破壊して、すべてを資本の利益と「国防」に集中しようとするものです。この国交省検討会は「デジタル田園都市国家構想」の基盤をつくるものと位置づけられ、この構想では、デジタル化で地方の社会課題を解決するとしています。
 現実に進められているのは、440もの公立・公的病院の統廃合です。本音は「遠隔医療ができるから、地方の病院はなくしてもいい」ということです。
 教育も同じです。2002年度からの19年間に8580校、毎年450校以上ものペースで公立の小中高校等が廃校になりました。私の小学校もです。「遠隔教育なら学校に通えなくても問題ない。授業を動画で配信すれば、地方の学校は廃校にしていい」----これがデジタル化の狙いです。鉄道が廃線になれば、学校や病院に「通えない」という現実がつくられる。
 国交省の検討会の結論は「公有民営化かバスなどへの転換」です。「公有」と言うなら国有に戻すのが筋のはずですが、全てを地方の責任にして、廃線を強制的に決めさせていく。
 バス転換で「便利になった」と宣伝されていますが、2006年からの15年の間に、全JR路線の総距離より長い2万2443㌔の一般路線バスが「完全廃止」になっています。1990年に廃線・バス転換された兵庫県の鍛冶屋線では、転換直後からバスが廃止の危機に陥りました。地元住民は「鉄道をなくしてしまったらもう終わり」と語っています。

鉄道の軍事利用を進める防衛省

 これは「赤字鉄道」の問題ではありません。軍事予算確保を何より優先する戦時型国家への転換が、一連の攻撃の本質です。国外への戦争と、国内での労働者の権利破壊は一体です。
 貨物輸送についても国交省に検討会が設置され、そこで防衛省は「ウクライナ侵攻で大量輸送能力を持つ鉄道が注目され」「日本でも鉄道会社と有事も想定した連携を」と発言しています。昨年、10万人を動員した過去最大の陸上自衛隊演習でもJR貨物が装甲車などを運んでいます。
 「骨太方針」では全ての「難局」を「付加価値創造の源泉として成長戦略に位置づける」と言っています。大軍拡と戦争に突き進み、「付加価値を生まない地方や人々の生活は切り捨てる」のが現代版の「国家改造攻撃」なのです。

あらゆる地域に反撃つくる火種

 鉄道網は「網」であることによって本来の役割をなすものです。ローカル線が赤字なのは当たり前です。鉄道や医療、介護、教育をカネもうけの道具にすることは完全に間違いだった。しかし、政府もJRも、自分たちが生み出した現実を開き直り、新たな攻撃に利用しています。
 JR職場では「現場の職名をすべて廃止」「運輸区を廃止・統合して駅と一体化した『統括センター』をつくり、業務を融合」「要員の基準までなくす」ということが進められています。こんなことは鉄道の歴史上初めてです。鉄道はさまざまな専門的な技術と経験の上に成り立っています。「そんな専門性はもういらない」と言うのです。組織全体も大再編して、全面的な業務外注化、分社化と転籍に向かう攻撃です。
 鉄道を日々動かし、安全を守っている現場労働者を低め、諦めさせて、攻撃を「既成事実」にしようとしている。労働組合を一掃して、労働者の団結を根底から破壊しようとしています。この現場での理不尽な攻撃の数々は、地域の鉄道を強制的に廃線化していく攻撃と一つです。
 しかし、敵の攻撃は結局、矛盾を激しい攻撃で塗り隠そうとしているだけです。必要なのは労働組合の断固とした闘いです。「団結を崩さなければ、展望は必ず生まれる」----これは動労千葉が闘いの中でつかみとってきた教訓です。
 私たちは鉄道の切り捨てやワンマン化に反対して、内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会と共に闘ってきました。国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃に対しては、積もりに積もった怒りがあります。大きな反撃をつくりだす火種は、あらゆる地域にあるはずです。それは労働運動の新たな展望をつかむことでもあると思います。動労西日本が広島県の三次で集会を準備していて、地域から歓迎されているそうです。各地で闘いをつくることに挑戦してほしいと思います。
 社会を変える力は、労働者の団結した力の中にこそあります。今こそ労働者の団結した力で新自由主義を終わらせるときです。国鉄闘争に勝利し、関生弾圧を打ち破り、11月労働者総決起集会に1万人を結集して、闘う労働運動を社会の前面に登場させましょう。

1047名解雇撤回へ

国鉄闘争の真価を発揮し
 動労千葉副委員長 中村仁さん

 1047名解雇撤回闘争への変わらぬご支援、ありがとうございます。
 国鉄分割・民営化の前の年の1986年12月に国鉄職員に進路希望調査票が配られ、民営化先のJR会社の希望がとられました。私はJR東日本と書きました。この進路希望調査票を基に作られたJRの採用者候補者名簿には、私たち動労千葉の12人は名前が載っていました。
 しかし87年2月、JR設立委員会の斎藤英四郎委員長の指示で名簿記載基準が作られ、名簿から私たちの名前が外されました。新たに作られた不採用基準は、2015年6月に最高裁で不当労働行為と認定させました。これは2010年の政治和解を打ち破って国鉄闘争全国運動を立ち上げて闘争を継続し、弁護団の奮闘や全国の仲間のみなさんの10万筆の署名運動で裁判所を包囲したことによる大きな勝利だと思います。
 JR東日本には私たちを雇う責任があります。団体交渉に応ずる義務があります。
 JRに採用されても差別を受け、それでも胸を張って動労千葉で頑張っている組合員たちが、私を解雇撤回・JR復帰の闘いに立たせています。動労千葉でいることは本当に大変です。損得や打算ではできません。でも、仲間が解雇され処分を受けていることを許さない思いで、組合員は闘っています。
 労働者の闘いと誇りは今も金ピカに光っていると私は思っています。動労千葉の2波のストライキは、国鉄闘争全国運動としてここに凛(りん)として継続されています。
 ウクライナ戦争を機に世界中で戦争が肯定され、軍拡が進んでいます。物価高や食料、エネルギー危機が労働者に襲いかかっています。しかし、世界中でストライキや労働組合結成が始まり、労働運動の歴史転換と言われています。労働者の団結を求める闘いこそが世界に希望をもたらします。
 国鉄1047名解雇撤回闘争は、戦後日本最大の労働運動破壊に立ち向かい、戦争と改憲を阻止する闘いとして30年以上続いています。その真価はこれから発揮されます。
 沖縄・九州で、中国・四国で、近畿・関西で、北陸・東海で、静岡・信越で、東北で、北海道で、関東で苦闘する仲間たち。苦しい時、くじけそうになった時、ちょっと立ち止まって自分たちの闘いの旗を見上げてください。きっと「負けるなよ」と左から風が吹いています。迷ったら左を選択。最後まで諦めない。労働者の心は一つです。世界の労働者とつながって、怒りと義理と人情で戦争は絶対に止められます。解雇撤回もできます。一緒に頑張りましょう。

11月呼びかけ3労組から

現場行動を展開し11月へ
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 戦争情勢の中、関西地区生コン支部は戦争と改憲を阻止するため先頭に立ち、闘うことを表明します。
 5月28日の「なめたらアカンで!労働運動!関生支部総決起集会」は、420人を超える結集により大成功を勝ち取りました。さっそくこの集会の成果が現れました。滋賀県の近江アサノ解雇事件は、一審の大津地裁判決は敗訴でしたが、大阪高裁で裁判官が「一審の判決に疑問がある」と言い、判決が覆される可能性があります。
 刑事事件の裁判闘争では、全ての無罪判決を勝ち取るために全力を尽くします。大阪広域生コン協組が主導する生コン各社の不当労働行為事件では、労働委員会から十数件に及ぶ不当労働行為を認定した命令が出ています。労働争議の現場闘争では、関西労組交流センターの仲間の支援行動により成果が上がりつつあります。港合同の先輩たちが勝ち取った労働委員会命令を有効活用する闘いでは、不当労働行為企業は公共事業に参入させるなと大阪府、兵庫県の各市に申し入れています。
 大阪広域生コン協組の組合つぶし、警察・検察による権力弾圧は、最終的にはストライキをはじめとする大衆行動で決着をつけます。
 大阪維新の会による大企業優位政策、カジノ建設をつぶす闘いが重要です。大阪広域生コン協組と維新の会は利害関係で一致しています。港合同の仲間と共にカジノを中止に追い込み、維新の会打倒に挑みます。
 世界では労働者民衆が決起して支配階級を打ち倒しています。闘う労働組合の全国ネットワークをつくる11月労働者決起集会は、25年目を迎えます。戦争を止めるのは闘う労働組合の団結と行動しかありません。組織拡大と現場行動を展開して11月集会に1万人の結集を勝ち取りましょう。

戦争阻む労組の力示そう
 全国金属機械労組港合同執行委員 木下浩平さん

 ウクライナでの戦争が始まる中、港合同は春闘と夏季一時金闘争を生活と権利を守り、戦争に反対する闘いと位置づけて、全力で闘ってきました。
 港合同は、組合員が受任者を担ってカジノ反対の住民投票を求める署名に取り組み、維新の政策は許しがたいという地域の住民の声を集めることに成功しました。松井市長は、都構想の時は住民投票が最大の民主主義であるかのように言っていたのに、カジノでは住民投票を真っ向から否定しようとしています。これ自身が、新たに怒りに火をつけていくと思います。
 夏季一時金闘争と一体のものとして反安保行動を闘うのが港合同の6月夏季闘争です。戦争反対をアピールすることに重きを置いて夏季一時金闘争を闘いました。
 僕の所属する昌一金属支部の本社抗議行動には、関西生コン支部の武谷書記次長をはじめ3人の仲間が街宣車と共に駆けつけてくれました。その援助も受け、夏季一時金交渉は一定の前進をもって解決しました。
 11月労働者集会は1998年に出発しました。国鉄闘争で労働委員会命令が東京地裁で真っ向から否定され、不当労働行為がなかったことにされた。中小労働運動では労働委員会命令は闘いの武器です。当時の中曽根元首相が言ったように、国鉄分割・民営化は改憲をやり戦争に向かうための労働組合つぶしとして行われました。これに対し11月集会が25回も闘われていることに、改めて自負と自覚を持ち、今こそ労働組合が戦争反対の闘いの最前線に躍り出なければならないと思います。
 労働組合は戦争を止める力ある存在だと社会に示すことが、今年の11月労働者集会の使命だと思います。今日から4カ月、3労組アピールを活用し、11月労働者集会の成功へ共に頑張りましょう。

3労組声明で11月結集を
 動労千葉書記長 渡辺剛史さん

 2・13国鉄集会では3労組アピールをこの壇上で発表させていただきました。11月集会はこのアピールを使用して、全国で闘う仲間を増やしていただき、日比谷公園に1万人結集をお願いしたいと思います。
 動労千葉は3月11日から48時間のストライキを打ち抜きました。JRは外注化、融合化、ローカル線切り捨て、ワンマン運転拡大と矢継ぎ早に攻撃を行っています。これに立ち向かうべく団結を固めて闘っています。
 6月の定期委員会で新・戦争協力拒否宣言を採択しました。動労千葉は2003年のイラク戦争時に、1回目の拒否宣言を出しましたが、私はその年の入社です。ウクライナ戦争下、労働組合の基本の「き」である戦争反対を掲げて、2回目の戦争協力拒否宣言を決議しました。鉄砲を向けあい殺しあわされているのは労働者民衆・学生ですから、労働者の国際連帯、労働者同士が手を組めば戦争は止められると確信しています。
 国鉄1047名解雇撤回闘争も、勝利まであと一歩。団結して闘います。CTS(千葉鉄道サービス)での65歳以降の雇用を勝ち取りたいと思います。
 今年の10月で検修構内業務が外注化されて10年を迎えます。外注された業務は偽装請負なしには運営できない状態です。千葉では線路上が動物園化しています。電車と動物がぶつかる原因も、根本は外注化です。線路設備の点検周期が伸び、草刈りもなかなかやらない。外房線ではトンネルの電車設備が壊れ、パンタグラフが1カ月で10本以上破損する事態も起きています。これも外注化が原因だと思います。外注化された業務をJR直営に戻せと声を上げ、闘いたいと思います。
 11月6日、25回目の労働者集会に、全国津々浦々から仲間を誘い、日比谷への結集をよろしくお願いします。

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