廃線化阻止へ 戦時への国家改造と対決 動労千葉を支援する会が総会

週刊『前進』04頁(3259号02面01)(2022/09/05)


廃線化阻止へ
 戦時への国家改造と対決
 動労千葉を支援する会が総会

(写真 動労千葉の渡辺剛史書記長が「支援する会各会員の奮闘を11月労働者集会の成功へ」と呼びかけた【8月27日 千葉市】)

 動労千葉を支援する会は8月27日、DC会館で2022年度定期総会を開いた。ウクライナ戦争は泥沼化し、世界戦争に転じようとしている。岸田政権は中国への侵略戦争を構え、大軍拡と戦争に向けた国家改造を進めている。この攻撃の突破口が安倍国葬だ。
 国鉄分割・民営化は破産し、JRと国土交通省は大規模な廃線化に踏み込んできた。これは、労働者人民の生活を破壊し、社会の一切を戦争に従属させる攻撃の切っ先に位置する。
 これと総力で立ち向かうため、動労千葉は6月の定期委員会で新・戦争協力拒否宣言を発した。支援する会は今回の総会で、動労千葉とともにこの決戦を闘う方針と態勢を固めた。

民営化との決着を

 主催者あいさつに立った山本弘行事務局長は、1981年の三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止ストライキに際して「動労千葉支援基金」が呼びかけられたことを前史に、支援する会が国鉄分割・民営化と三十数年にわたり闘いぬいてきた歴史を振り返った。特に、1047名解雇撤回闘争を圧殺する攻撃が激化した2000年に運営委員会を発足させ、定例の会議を開いて運動を継続してきたことの意義を確認した。支援する会は、動労千葉の排除をたくらむ国労本部などの策動と対決して「1047名連絡会」の形成に尽力し、2010年4・9政治和解に至る過程で統一陣形が壊される中、解雇撤回の原則を貫徹することを全力で訴えた。これを土台に国鉄闘争全国運動が生み出され、1047名闘争は今日まで継承されて「勝利まであと一歩」の局面を開いている。
 これは、労働者国際連帯をつくり出す過程でもあった。2003年のイラク戦争開戦に対し、動労千葉は3月に72時間ストを貫徹、同年6月の定期委員会で戦争協力拒否宣言を発した。これは国際的に注目され、ここから戦争に立ち向かう国際連帯が広がった。
 山本さんはまた、外注化阻止闘争を闘ったことが、ローカル線廃止をはじめとする今のJRの攻撃と闘える土台をつくったと総括し、新たな決意で戦争情勢と対決しようと訴えた。
 織田陽介事務局次長が運動方針を提案し、新世代のリーダーの登場を印象付けた。織田さんは、新自由主義の崩壊が戦争を生み、戦争に向けた国家改造がローカル線廃止として始まった現実を暴いて、「国鉄分割・民営化以来の新自由主義に決着をつける闘いを」と呼びかけた。1047名解雇撤回に向けた署名の拡大やローカル線廃止に対する地方からの反乱の組織化、物販を土台に闘う労働組合をつくり出すことなどの具体的方針を打ち出した。また、廃線と同質の攻撃は各産別に広がっていると指摘し、これとの攻防の中から闘う労働運動をよみがえらせようと訴えた。

地方からの反乱に

 動労千葉からの報告を行った関道利委員長は、廃線に向けた国交省検討会の提言の中身と、それを受けたJR東日本の動きを暴き、久留里線の久留里―上総亀山間を最悪の赤字線区とあげつらって廃線を狙うJRに対し労働組合として全力で立ち向かうと表明した。
 討論では、労働者にあらゆる業務を行わせるJRの業務融合化と同じ攻撃がどの職場でも行われていること、非正規職労働者の怒りが噴出し闘いが始まっている中、CTS(千葉鉄道サービス)の非正規職労働者を組織する動労千葉の闘いに学ぶことの重要性などが語られた。新潟の会員は、8月豪雨で被災した米坂(よねさか)線を復旧しないJRを弾劾し、木更津の会員は久留里線廃線と闘う意思を表した。
 役員体制が承認され、動労千葉の組合員が並んで決意を表明、渡辺剛史書記長が各地・各職場の闘いを11・6労働者集会に集約しようと訴えた。
 神奈川の運営委員が総会をまとめ、物販の重要性を改めて強調した。支援する会は、戦争情勢下、国鉄分割・民営化に決着をつける決戦に打って出た。
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